市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

「チェルノブイリ30年、福島5年」 松本市長講演にて

2016-10-18 | 環境
松本帰省の間にこの機会に巡り合えたことに、心から感謝しています。

菅谷昭松本市長 講演会
『子どもたちを放射能から守るために ベラルーシを再訪して』






「今日はこんなに大勢いらしてくださってありがとうございます。市政報告会にもこれくらい集まってくださるといいんですが」
会場を埋め尽くした聴衆からも思わず笑い声が(^.^)。


チェルノブイリ原発事故当時、甲状腺専門の外科医であった菅谷市長は、事故から5年後の1991年にベラルーシ共和国にわたりました。

背後に見えるのは原発の「石棺」。ヘリから鉛やコンクリートを投入して封じ込めたのですが、この時もまだ放射線化学反応は続いていました。
本当にフツーの恰好をしてらっしゃいますが(*_*;、みな防護服も何も身に着けずに放射能測定などを平気で行っていたそうです。

そして事故後10年目には信州大学を退職し、医療支援のために再びベラルーシにわたり、5年半、小児甲状腺がんの外科治療に携わりました。





そして2016年7月。
チェルノブイリから30年、フクシマから5年という節目の年に、菅谷市長(2004年から松本市長)は、この目で現在の姿を確かめるためにベラルーシを訪れたのです。

ゴメリ州ベトカ地区(居住禁止区域)では、今も進入禁止の表示が。


かつて手術をした子どもたちが立派に成長して菅谷市長を歓迎してくれたそうです。
母親になったターニャさん。1才で被曝、12歳の時に手術を受けました。


「被曝したり甲状腺がんになったりしたら、もう赤ちゃんは産めないかも」
福島でもこんな声が女子中高生から聞こえているそうですが、彼女たちにとってターニャの姿は大きな希望になるのではないか、と市長は力を込めて話されていました。

これは、ベラルーシの小児甲状腺がんの推移です。

「事故後5年目から急激に増え始めているが、これは本格的に検査を開始したのが自分が現地入りした5年目だったからではないか。
今のところ、健康被害と放射能との因果関係を証明できるのは、こういった患者数の推移をみていくしか方法はない。だから、甲状腺の検査を続け、疫学的事実を集積することはとても大事。だが、日本は逆にこの検査を縮小しようとしている。これは非常に危ういことだ」
と市長は訴えておられました。

そのほかにも、ベラルーシでは、
汚染地域居住の子ども(6~17歳)に対し、(今も!)国による年2回の定期検診、18歳以上も年1回、妊婦の定期検診も強化。
また、汚染地域に暮らす子どもたちに、毎年1か月、非汚染地域での保養を実施しています。
福島の事故に対するベラルーシの人々の関心はとても高く、「日本ではなぜ子どもたちを保養させないのか」「国家は国民に背を向けてはなりません」と菅谷市長にはっきりと言われたそうです。

市長はベラルーシの取り組みを参考に、松本で「信州まつもと子どもキャンプ」事業として、基金を活用し飯館村の児童・保護者等の短期間の受け入れを平成23年7月から行っています。
放射線の影響を受けやすい子供の命を守りたい。原発事故という国難に対し、国が支援しないならば自治体や市民がやらねば、との思いからです。
菅谷市長は、松本の取り組みが全国に広がることを強く願っています。

最後に市長は、このような言葉で講演を締めくくりました。
「チェルノブイリ原発事故の影響は、30年経過した今もなお終息したとは言い難く、今後も長期にわたる経過観察が必要です。
福島の事故はわずか5年が経過したに過ぎません。残念ながら国の対応に期待が持てない以上、国民一人一人がもっと関心を強め、子どもたちの未来のためにこの国難に立ち向かう時が来ています」


市長という職にありながらも、チェルノブイリ原発事故の現地で医療活動を行った唯一の日本人として、今その経験を自分が伝えねば、との決意がひしひしと伝わってきました。
穏やかな人柄の中にも強い信念にあふれ、メッセージがストレートに響くとても聞きごたえのあるご講演でした。
本当に、母校の行事を犠牲にした甲斐がありました(笑)。


そして、さらに・・・
主催者である「脱原発信州ネットワーク・松本」の方々のご配慮で、菅谷市長との対面も実現しました!!

また一つ念願が叶い、大感激の瞬間でした。

もう一つエピソードを。
向かって左側の男性、秘書課の課長なんですが、彼はなんと私の幼なじみで小中学校の同級生、実家のご近所さんなのです。
お互いに「なんでこんな処にいるだい?!(松本弁)」って感じで、そのあまりの偶然に、市長も含め一同ビックリ!の一コマでした(^.^)。

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