奥只見湖とゆかりの深い芥川賞作家、故・開高健さんの写真パネルや愛蔵品を展示する「生誕80周年記念・魚沼市開高健展」が、きょう5月29日から魚沼市地域振興センターコンベンションホールで開催される。▼開高さんは、1930年、大阪市生まれ。壽屋の社員だった58年「裸の王様」で芥川賞を受賞。70年夏、「夏の闇」執筆構想のため銀山平に3か月滞在し、奥只見湖の魅力に魅かれてその後も度々訪れては釣りと景色を満喫した。また、奥只見湖のイワナの乱獲に危機感を抱き、75年に「奥只見の魚を育てる会」を結成、自ら会長となり稚魚の放流や禁猟区の設定をはじめ、自然保護等に尽力した。89年12月、享年58歳で死去したが、その思想は奥只見の魚を育てる会のみならず、魚沼の地に脈々と引き継がれている。▼イベントは、今年が開高さんの生誕80周年にあたること、魚沼市の環境元年、奥只見発電所50周年を記念し「作家・開高健氏の功績と精神を広く紹介しよう」と関係団体で組織する実行委員会(常見忠委員長)が開催するもの。▼開高健展では、写真パネルや愛蔵品など約100点が展示される計画で、会期は6月13日まで。開館時間は10時から17時。入場料は500円。また、期間中の6月5日には吉澤一成氏(開高健記念会副会長、日本ペンクラブ事務局長、元サントリー株式会社広報部長)による記念講演も会場で開かれる。演題は「開高健が愛した奥只見湖と食と酒」。当日は14時からビデオ上映、15時から記念講演▼開高健展の開催に併せて開高健サイン入りのルアーストラップを販売している。ストラップは開高語録のサインが入った「河は眠らない」「悠々として急げ」の2種類があり、1個1000円。収益金は奥只見、銀山平地区の森林整備への「カーボンオフセット募金」や奥只見の魚を育てるために役立てられる▼イベント初日や講演会のある6月5日には開高さんが好きだった山菜めしを再現、来場者にサービスする。
<魚沼百景>
真夏を思わせるような気温の高い日があるかと思えば、日中でも上着が必要な肌寒い日があったりと、このところは体調管理も大変な気侯となっている。気温の低い朝となった20日、橋から破間川を見ると、霧が川面をすっかりと覆い幻想的な風景を作っていた。