UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

何でも売りまっせえ!空中給油機どうでっかあ!無人飛行機もありまっせえ!

2019-03-07 01:28:08 | 日記
さる1月29日の日記に自衛艦「いずも」を空母化して空母を保有することをアベ君が閣議決定した(といっても実際にはほとんど空母化は完了しているのですが)ことを記し、わが自衛隊の空母保有は「専守防衛」の原則に明らかに逸脱するものであるから直ちに「いずも」の空母化はやめなさいというアベ君宛てのハガキを作ってばら撒いたと書きました。

米空母ジョージ・ワシントンと太平洋上を並走するわが空母「いずも」の写真を載せたハガキを手渡した知人の一人が某日申しました

「GGIってほんとは軍事オタクと違うか、そうやろ、市内にある自衛隊の基地の創立記念日に自衛隊員の行進を何度も見に行ったりして、戦車に乗ったり、大砲にさわったり、機関銃手にしたり、地対空ミサイルに見入ったり、ほんまは兵器マニアやろ」と言って「軍事研究」という雑誌をくれました。

「いやいや、君は何も分かってないなあ、GGIは軍事オタクでも兵器マニアでもない、ただなあ、憲法第9条がどうのこうのとか、日本の安全保障や日米安保がどうのこうのというのは抽象的な問題ではない。たとえば、現実に米国の軍隊と日本の自衛隊と称する軍隊が実際に存在してこその安保問題や。したがって、現に存在している生の軍隊にできるだけ直に接してみて、はじめて憲法や安保の問題なるものをより具体的に捉え考えることができるのや」

「かような考えに基づいて、かつてGGIは米海軍のイージス艦の見学にわざわざ大阪南港まで行ったんや、乗り組んでいた湾岸戦争の経験もあるという水兵さんや下士官などとも若干話してみた。またオキナワの嘉手納基地も、ウン十年前、この基地でライフル銃もって滑走路を監視するという仕事についていたことがあるという現地出身の青年の案内で見物した、こっそり嘉手納基地の裏門から間近に見たことがあるのや。北部のジャングル戦演習場も見た。沖縄にも自衛隊の基地があることをこの目で確認した。かつて、おおむかし、北の大地で学生のふりしていたころは、恵庭の自衛隊の演習場ではるか上空を大砲の弾が飛んでいくなか植物採集と称してうろついたこともある、稚内にある米軍のレーダー基地も見た、根室の岬から北方領土に向かって何やら叫んだこともある。あのなあ、メディアなんか通じて安保問題を考えているだけではダメ、具体的現実を我が目で見てから考えるということも大切ということや」

などと弁解しながら、もらった「軍事研究」なる月刊誌をパラパラ眺めてみました。昭和41年に第三種郵便物認可とされていますので、結構伝統ある月刊雑誌のようです。定価1300円也・・・・

冒頭15ページばかりはカラー写真で米軍やわが自衛隊、それにロシア軍や中国軍のの最新兵器や米軍・自衛隊の活躍ぶりが紹介されています。

中身はもっともらしいタイトルの記事がたくさん掲載されていますが、どうやら米軍命、わが優秀なる自衛隊ガンバレ、わが空自の哨戒機をレーダー照射した韓国軍クタバレ、中国軍大脅威というまことにワンパターンでノーテンキとも言える記事ばかり、要するに軍事マニア向けの雑誌といってもよいでありませう。

と申しますのは、記事の執筆者の肩書がかなり怪しげなのです。曰く、「軍事情報研究会」、防衛技術研究家、軍事ジャーナリスト、ミリタリーライター、航空評論家、軍事ライター、テクニカルライター兼軍事研究家、宇宙開発評論家、中国軍事問題研究家、フォトジャーナリスト、防衛ジャーナリスなどなど、もっともらしい肩書きの面々。はたしてほんとうに軍事問題の専門家と言うに値するのかはおおいに疑問・・・軍事の専門家と言えるかもしれないのは「空将」あるいは「海将」であったという元自衛隊関係者のふたりだけ、でもこの二人も単に自衛隊でエラカッタというだけで、軍事問題・安全保障問題に果たしてどれだけほんとうに精通しているかは疑問・・・・

というわけで、この雑誌、軍事オタクや兵器マニアに売れているようですけれどもマユツバ満載の米軍・自衛隊のフアン雑誌であるというのが本当のところであろうというのが慧眼GGIのご宣託です。

しかしながら、この雑誌、広告が凄いのです。日本の名だたる企業、みなさもご存知の大企業であるところの軍需企業が兵器の広告を出しているのです。

三井物産エアロスペース、IHI、川崎重工、伊藤忠商事、三菱商事、三菱重工・・・

兵器の輸出に関してはかつて《武器輸出(禁止)三原則》なるものが存在していましたが、アベ政権はロクな議論も経ないでこの原則を先年放棄しており、いまでは武器輸出は自由化されています。でも武器輸入の方はどうなっているのでありませうか・・・・

この「軍事研究」に兵器・武器の広告が掲載されているところを見ますと、武器の輸入販売はまったく自由であるのでせうか・・・広告を眺めておりますと、なんでもありまっせえ、なんでも売りまっせえ、という世界のようなのです・・・とにかく普通の雑誌や新聞などではお目に書かれない凄い広告が並んでおります。

今日の写真はその広告の一例を撮ったものです。どうかクリックしてご覧になってくださいませ。

「軍事研究」2019年3月号の裏表紙に掲載されていた伊藤忠商事の広告です。

《KC-46A 最高水準のマルチロール 空中給油・輸送機 / KC-46Aは空中給油、物資・人員輸送などの役割を果たし、国際平和協力や災害時の給油任務にも貢献します / 伊藤忠商事株式会社 航空宇宙部》

まあ、いろいろな説明が弁解がましく書かれておりますが、戦闘に役立つとは書いておりませぬ。でも、要するにこれは戦闘機のための空中給油機の宣伝であります。白銀輝く富士を背景に空中給油機と戦闘機が勇ましく飛んでいる写真からも宣伝の目的はあきらかです(でも、実際には富士山の近くで自衛隊の戦闘機に空中給油するなっていうことは考えられませんね!)

え~、空中給油機ありまっせえ!いかがですか、輸送機にも使えますのでお得でっせえ!空中給油機いかがでっか、お安くしまっせえ!

総合商社ですから何でもありです、何か銃火器の類を装備しているわけでありませんから給油機は武器とは言えないかもしれませんが、戦闘機への空中給油すなわち戦闘機の後方支援が目的ですから武器も同然というべきでありませう。かつてわが自衛隊は、「専守防衛」の原則に反するとして空中給油機は保有していなかったのですが、いつのまにやら空中給油機オッケー、ですからこのような広告が堂々とまかり通るということになってしまっているのです。

空中給油機よりももっと武器そのものであると言うことができる「無人飛行機」を売っている企業も広告を掲載しています。これは最先端のハイテク兵器です。

スキャンイーグル代理店・双日株式会社の広告です

「え~、無人飛行機ありまっせえ!いかがですか、あらゆるミッションに最適の無人飛行機でっせえ!お安くしまっせえ!」と宣伝しています。そのキャッチコピーは以下のとおりです。

《スキャンイーグル無人航空機、あらゆるミッションにさらなる視点を》

「あらゆるミッション」のなかには当然攻撃機としてのミッションも含まれています。パキスタン・アフガン国境などで米軍が遠隔操作により無人飛行機(爆撃機)を飛ばして兵士だけではなく市民を殺傷していることはよく知られるところです。この会社が売りつけたい相手は自衛隊でありませう。しかし、自衛隊はこの無人飛行機を買って、どのように使うつもりなのでせうか・・・

かようなしだいで、「軍事研究」掲載の広告、GGIにはタイヘンためになりました。おかげで安全保障を取り巻く現実の一端を知ることができました。「軍事研究」さん、ありがとう。

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!