つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 祈り

2015-09-02 13:10:17 | エッセイ

エッセイ 祈り

家には仏壇がない。

いつの頃からか、リビングの隅に、夫と私の両親の写真、そして夫が大好きだった長姉の写真が飾ってある。
私は朝一番にいれたお茶を供える。
そして「お早うございます」、「よろしくおねがいします」などと言って手を合わせる。

夫は長い間ぶつぶつ言いながら手を合わせる。
時々「何をお祈りするの」と聞くと「家族一人一人、離れて暮らす息子たちのこと全部だよ」という。
前は飼い犬のこともお願いしていた。

子ども達にも、試験や部活の試合等、緊張しているなと感じた時は、「お祖父ちゃんにお願いしていきなさい」などとけしかけたせいか、たまに帰ってきた時なども恥ずかしがらず手を合わせる。
そんな姿を孫達も見ている。

夫と二人きりの生活になると、ぐっと会話が少なくなったので、私は秘密を教えた。
「髪の毛を、毎日は洗わない」と言った。
「えっ、そうなの、毎日洗うものでしょう」初めて聞いたと言うように大袈裟に驚いている。
夫はお風呂と出かける時に、一日二回洗う。

私は、夏以外、お風呂から上がると、すぐ布団に入る。
濡れた髪では都合悪いから、昼のうちに洗う。
その後の濡れた髪のブローが面倒になってきた。
だから、出かける時は洗うが、何もないと一日おきになる。

「私は猫になったの、可愛い仔猫ちゃん」
「何だよ、猫って」
「犬はペットサロンでシャンプーをしてもらうけど、猫はしないでしょ」
「猫か、化け猫だな、道理で、バターの減りが早いと思った」と、横着をみぬく。

夫は、最近髪の毛に関心があり、育毛剤を買った。
後頭部がかなり厳しいのを感じている。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、「髪の毛」よろしくと、お祈りに加わっている筈だ。

 

課題 【夏・自由課題】
         
  
先生の講評  
     
 ほほえましい朝の一刻。日常を描いて
      
小さなヤマ場がある。                       
   

   じのつぶやき ・・・ 褒めていただきました         

 

 

 

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