つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ ビフォーアフター

2018-06-29 21:13:47 | エッセイ

エッセイ ビフォーアフター  2008.5.10 

昨年夏以来、解決していない事を引きずっている。
食器戸棚にはめ込まれているガラスの事である。
作り付けの戸棚だが、建具屋さんが作った扉は、細長い透明なガラスが、四枚はめ込まれていた。
食器を納めると、雑然とした中身が見えるので、ガラスの内側に、派手なレースを張って使ってきた。

時々見える大工さんとの雑談で、
「あそこを摺りガラスにしたら、中が見えないですよね」
「多少は見えますよ」
「でも、やってほしい」
「じゃあ、やりましょう」 ぴっちりと張り付いたコーティングを外して入れ替えた。

が、気に入らない。
野暮ったいし、やっぱり中が見えるのである、前の方がよかった。

そして昨年夏、又、あのガラスの話になった。
大工さんは笑った「又、やりますか?」

ガラス扉は、最初のように透明になった。
今度は中に吊るすレースも、きちんとした物を入れよう。
やっぱり綿か麻の、白いレースがいいなと、あちこちのデパートを探した。

四枚の同じサイズのレースは、なかなか探せなかったが、地味な柄の長いレースが二枚見つかった。
これを半分にすれば四枚の扉に間に合う、少し長さが気になるが、下の方は何とかなる。
ルンルン気分でアイロンをかけ、鋏で二等分し、ガラス扉に吊るした。

「ん、何か変」。
出来上がりを見た夫は「フンドシが下がっているみたいだ」当り、言えてる。
地味な柄と、中途半端な寸足らずのせいである。

半分に切ってしまったレースの使い道を考える。
テレビ台の寸法を図っていると、
「今度は何の企み?」
「二枚繋いで、テレビ台にかけたらどうなるかしら」

綿レースは、夏場に多く出回るが、季節が変わり、同じサイズを四枚探すのは難しい。 
食器戸棚には、まだ、あのレースが下がっている。

 つつじのつぶやき・・・・・・10年前の作品です。
                 どんな講評をいただいたのか忘れました。

 

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