高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

うちの畑にようこそ 11月8日記

2019-11-23 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
香美市 わたなべ農園の渡邉志津江です。

「今年のケール出品について」

当園の野菜を購入していただいている会員の皆さま、いつも本当に有難うございます!

今年も種苗会社にケール/キャベツの苗を依頼して作っていただきました。
今年は虫の発生が多かったらしく、
途中で夫に連絡が入り、苗に薬剤を散布させて欲しいとのことでした。
合計三回の薬剤散布がされました。
そのひとつがネオニコチノイド系の殺虫剤でした。
会の規定によって、苗の段階でも出荷はできないことになっていますので、
生産者としては非常に残念ですが出品ができません。
毎年ケールを待っていてくださる会員の皆さまには本当に申し訳ありません。

ここの種苗会社には当初、種子/有機認証されている培土の持ち込みをさせていただき、
農薬散布なしで育苗していただきました。
相当のご苦労だったと後で伺い、
精一杯できる限りの事をしていただいたと今でも恩義に感じています。
夫と一緒に仕事をしたご縁で無理を聞いていただきましたが、
三年前、夫と相談して、種苗会社に無理を言うのををやめました。
種苗会社は苗を引き渡してはじめて代金が発生します。
こちらの無理を聞いて苗として引き渡しができない分の請求はしてもらえません。
こちらとしてはお支払いしたいのですが、そう言う訳にはいかないのです。
だから、ある時、他の苗がダメになりそうだから
農薬をやっていいだろうかと連絡が入った時にはハッとしました。
種苗会社の言い分はもっともだ。
引き渡せない苗の代金どころか他の販売用の苗代まで種苗会社がかぶることになるなら、
本来ならば面倒な依頼はお断りだろう。
育苗をお願いする限りは、自分の都合ばかり主張することはできないとその時思いました。
そして、お任せすることにしたのです。
それは出来上がった苗の栽培履歴には覚悟をしなくてはいけないということを意味しました。

来年はネオニコチノイド系に代わる薬剤でなんとかお願いしたいと思っています。

きちんと販売できる商品として仕上げてなんぼ、という点では、私たち農家も同じことなのです。
虫にやられた分を補填してもらうことは出来ないということです。

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知せ』2019年12月号より転載しました。
コメント
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