ジャングルの中の一本道を40分ほど走ったでしょうか。 バスはバンテアイ・スレイに着きました。
バンテアイ・スレイとは「女の砦」という意味だそうです。 使われている石の色がピンクがかっていて、くっきりと彫りの深い彫刻が至るところ(というより全面)に施されていて、非常に華やかな美しい寺でした。
入り口の門
今まで行った遺跡のような高い尖塔が見えないからか、けっこう小さな寺院跡に見えました。
入り口の破風の彫刻。 びっしりと細かく彫刻がされています。
所々色が違っているのは、4種類の砂岩を組み合わせて使っているからだそうで、そのことでこの遺跡はさらに美しく見えるんだとか(ガイドブックの受け売り)
門をくぐると赤い参道が続いています。
最も美しいとされている第2周壁門。 カンボジアのお札にも描かれています。
他の遺跡に比べて彫刻が鮮明なのは、紅色の砂岩の質が良かったためだと言われています。
この寺院、今までの遺跡がそうであったように、非常に美しい彫刻がそのまま残っているかと思えば、こんなふうにわずかな土台を残して崩れ去っているところもあり、中央祠堂の周辺は立ち入り禁止になっていました。
しかし、小さな寺院ではあり、さえぎる塀が崩れているため、どこからでも写真を撮ることができます。
その結果、同じ建物を四方八方から撮ることになり・・・・・
何を撮った写真かがさっぱりわからない
このカッパみたいなのは何なのかしら。 西遊記の沙悟浄を思い浮かべてしまいました。
これがうんと小さければ宝石箱にしたいような、美しい建物。
しかし、この寺院で最も有名なのは、建物でも、周壁門でもなく、東洋のモナリザと呼ばれるデバター(女神)像です。 その場所は、立ち入り禁止区域のほぼ中央にあって、一番近くで見られるのがこの場所。
どれがデバターかわかりますか?
おもいっきりズームアップして撮りました。
こちらが東洋のモナリザ
対をなすように彫られているデバター。
う~ん、どちらも美しい。 アンコールワットに彫られたデバターに比べると、柔らかい優しげな表情で、体の線も優美に思えます。 なのに一方は東洋のモナリザで一方は普通のデバター? その違いは何なのでしょう。
門の外にはカラフルなお土産物屋さんが並んでいました。 ちょっと覗いてみたい気がするけれど、勝手に寄り道する時間がありません。
ここに来てやっと分かったのですが、観光客に近寄って物を売るのはどうもいけないらしいのです。 遠くから大声で呼びかけてきます。 観光客に近づいてくるのは子どもばかりです。
バンテアイ・スレイの近くにはバンテアイ・クディという遺跡があります。 こちらは日本の上智大学の研究団が発掘調査をすすめているそうで、掘り出した仏像を展示した博物館があるそうなのです。
バンテアイ・スレイを出たわたしたちは、つぎはそこを訪れます。 ーつづくー