バス旅行で高速道路を走っているとき、斜面にたくさんの白い花が見えました。 ほっそりとしたその姿から、タカサゴユリと思われました。
最近あちこちにこのゆりが見られます。サギソウを見に行った蛇越池の近くにも、荒れ地いっぱいに咲き乱れているのをみました。
残念ながらフェンスで囲まれて近づけないのですが、 遠くからでも一目を引く白さです。
テッポウユリに比べると、葉の幅が半分くらいの細さで、花もほっそりとしています。 帰化植物らしいのですが、野生化していますね。
まだ子どもだった頃、父は会社勤めのかたわらこのタカサゴユリを栽培して、こづかいを稼いでいたようでした。 その話をしても、父はなぜこのゆりを栽培したのか、種はどうやって手に入れたのか(このゆりは種で繁殖するらしいです) もう覚えていませんでした。 多分、植えてみたらたくさん咲いたので市場へ持って行っただけだろうというのが母の意見でした。
バスの中でそんな話をしていると、父が、
「あのゆりは外側が茶色じゃけん、ちょっと品がないけどのう。」
と、言い出したのです。
外側が茶色? はて、今までわたしが見たタカサゴユリは純白だったけど?
「いいや、花の内は白じゃけど、外側に茶色い筋があるんよ。」
そうこうしているうちに淡路島ハイウエイオアシスに着いて、バスを止めたところにちょうどタカサゴユリが咲いているのを見つけました。
外側が・・・・・茶色っぽい紫色!
「の? 茶色じゃろ。」
知らなかった~。
近くの記憶は、30分前のことでも忘れてしまって、母を怒らせたり、歎かせたりしている毎日ですが、遠い昔に得た知識は父の頭の中にまだまだ残っていることに驚きました。
残念ながら今の日常生活の中では、父の知識の引き出しを開けてくれる機会が少ないようです。 しかし、よく聞いてみれば、脳の引き出しにはまだまだしまってあることがたくさんあるように思います。
夏の暑い間どこにも連れ出さずにいたのですが、秋にはまた、あちこち連れ歩くことにしましょう。
ところで、タカサゴユリは他のゆりと交配して白い花を咲かせるのもあるらしいです。2枚目の写真はどうも白いタイプだったみたいですね。