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阪神 武庫川


 ご覧のように川の上にある駅である。この川が武庫川。兵庫県の西宮市と尼崎市の市境を流れる川だ。この川より東が尼崎市、西が西宮市。この川を境に天国と地獄に分かれたことがあった。
 1995年1月17日。阪神大震災。西の西宮市は大きな被害を受けた。東の尼崎市は被害は少なかった。震災後、三日目だったと記憶する。私は食料、その他、必要物資を調達するために、被災地神戸から大阪まで移動した。公共交通機関は動いていなかったから、国道2号線沿いに歩いた。神戸、芦屋、西宮、これらの市の2号線沿線は震度7の激震地帯。爆撃にあったような風景が続いた。ところが武庫川を越えると別世界だった。そこには、いつもと変わらぬ平穏な生活が営まれていた。
 震災後、避難先から帰っても風呂が使えなかった。近くの銭湯も被害を受けて休業。そのころは自衛隊が設置した風呂もまだなかった。車で風呂を探しに行った。国道2号線と43号線は一般車両通行禁止。海沿いの臨港線を東に走った。武庫川を超えて最初に見つけた銭湯に入った。久しぶりの風呂で気持ち良かった。
 小生は、この駅で降りた記憶があるのは一度だけ。2003年4月2日、リストラされ求職活動中にこの駅で降りた。ある食品会社に面接に行った。数日前から胃が痛かった。胃痛をおして面接に行ったがムダ足だった。その5日あとの4月7日。胃から大量の出血。持病の胃潰瘍で入院した。





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