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 ピーター・ワッツ   嶋田洋一訳   東京創元社

 地球に65536個の流星が飛来した。それは異星からの探査機だった。太陽系外縁に巨大な物体「ロールシャッハ」が出現。人類は未曾有の危機にさらされる。宇宙船テーセウスが調査に旅立った。乗組員は、AIの船長、吸血鬼、四重人格の言語学者、機械化された生物学者、平和主義者の軍人、脳が半分の男。
 これだけ見れば、SF好きが100人いれば、99人まで魅力を感じるだろう。小生も99人のうちだから、大いにそそられて本書を手にした。で、読み始めた。後悔した。これはとんでもない本に手をつけたぞ。ものすごく難解。日本語で書かれてあるから、読めることは読める。ところがお話が見えてこない。どうも上記の連中が「ロールシャッハ」に到達。わけのわからんモノと遭遇するということは判る。では、途中で読むのを止めればいいかもしれないが、なぜか最後まで読まされてしまった。こんな体験は「ディスコ探偵水曜日」を読んだ時以来だ。
 もうちょっと判りやすくしようも思えばできただろう。乗組員を異形のものどもではなく、普通の人間にして、「ロールシャッハ」をもっと具体的に描写するとか。だいたいが乗組員を異形のキャラにする必要性を感じないんだが。でも、作者のワッツはそんな気はさらさらない様子。本文だけではあきたらず、バカ長い謝辞と参考文献の紹介を書いて、さらに読者をケムに巻く。ワッツにケンカをふっかけるがごときテッド・チャンの解説がおもしろかった。
 読了後1週間ほどたったが、なんだか効いてきたようだ。わけわからんが「センス・オブ・ワンダー」の感動が残っているようだ。ひょとすると、これ、とんでもない傑作かもしれない。
 ヴァン・ヴォクトの「宇宙船ビーグル号」をうん十年ぶりに再読したくなった。
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