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ノルマではなくイジメではないのか

 年賀状のシーズンである。喪中ハガキも来つつある。住所録のメンテナンスをしつつデザインを考えている。
 このシーズンになると頭の痛い郵便局員も多いだろう。年賀状販売のノルマを課せられるとのこと。一万枚ぐらいのノルマだ。達成すべしとの上司から圧力をかけられる。人事考課が怖い。非正規の局員だと解雇をほのめかされる。どうするか。自分で買い取るのである。この季節になると何千枚という年賀ハガキをリュックに詰めた郵便局員が金券ショップなどにやってくる。少しでも損害を少なくするために売るのだ。これを「自爆」というそうだ。新聞によると日本郵便広報室は、自爆の存在を認めた上で「販売目標は適正で、達成できない場合の罰則もない」とのことだ。
 適正というのなら、自分自身で一万枚売ってみろ。罰則がないというのなら、なぜ多くの郵便局員が自爆するのだ。
 仕事にノルマが必要なこともあろう。しかし、がんばれば達成できるノルマならノルマといえる。しかし、絶対不可能なノルマを強要するのはイジメ以外のなにものでもない。不当で非常に非健全な労使関係だ。こういうことをやっているなら、日本郵便は反社会的集団といっていいのでは。反社会的集団といっても、なにも○○組だけではない。世に蔓延するブラック企業も反社会的集団といっていえよう。こういう企業の不当を正すのが労働組合の責務ではないのか。日本郵便の労働組合は何をしている。
 小生が以前いたK電気では、経費節減、ボールペン一本クリップ一個でも節約すべしというお達しが出た。当時、小生はK電気労組の副委員長だった。労組としても、節約は必要だ、組合員にもそう徹底すると会社側に賛成した。
 ところが社員が総務に事務用品をもらいに行くと、素直にくれない。ごちゃごちゃとイヤごとをいわれる。イヤな思いをするのなら、と、自腹を切って物品を調達する社員が増えてきた。ボールペンとかクリップといった安価なモノばかりではなく、フロッピーディスクや半田コテ、その他安からぬ冶具工具類まで自腹で買う社員も出てきた。
「自腹切り」が横行していると団交の席で問い詰めた。「業務に必要なものは遠慮なく要求してくれ」とのこと。
 ある日、コピーを取りに事務所に行った。コピーしてると総務に背中を向けることになる。だれかがホチキスをもらいに来た。
「前のどうした」「ちゃんと探したか」「同じ部署の人と共有できないか」ごじゃごじゃいってる。小生がそっちに振り向くと、総務が実にバツの悪そうな顔をしてホチキスを、そいつに手渡した。総務も年間の予算が決められているのだ。そんなことは知っている。彼らの苦労も判る。しかし従業員が自腹を切るのを許してはいけない。 

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