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黙祷

いまは、2011年1月17日午前5時46分。

黙祷
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ぼっかけドック


 ぼっかけ。牛すじ肉を甘辛く煮たもの。神戸は長田区の名物で、小生、これが大好きでいろんな料理にして食べる。今まで、今まで、焼きソバまんじゅううどんお好み焼きカレー、と、いろんな食べ方をしてきた。いかように食べてもおいしい。
 で、今日は新しいバリエーションを考える。と、いうわけで考えたのがこれ。ホットドックにした。ぼっかけドックである。
 ぼっかけの作り方はいつもの通り。ただ、牛スジはこんやくと合わせるのだが、今回は玉ねぎと合わせた。
 パンにはバターとマスタードを塗っておく。きざんだキャベツを炒めて、パンにはさむ。その上にぼっかけを乗せる。200度のオーブンで10分焼く。
 パンとぼっかけ、案外いける。キャベツはぜひもん。ぼっかけのくにゅとした歯ざわりと、キャベツのシャキシャキ感が絶妙。だからキャベツは炒めすぎてはダメ。ぼっかけ、次は何に使おうかな。
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ごまだれうどん


 ごまだれうどんです。大分の郷土料理です。ごまは身体にいいのです。たびたび食べたいものです。また、ごまかす、といって、ごまを入れるとどんな料理下手な人でもおいしくできるのです。
 だから今日の朝食はごまだれうどんを食べました。つゆはいつものうどんのつゆと同じです。
 さてごまだれです。ごまをすり鉢でよくすります。これに白身の魚の身をほぐして加えるわけですが、私はタラを使いました。グリルでタラを焼き、よくほぐしてすりごまに加えます。そこに醤油、酒、塩、だしを入れて味付けをします。
 丼にうどんを入れつゆを張ってごまだれを乗っけます。かまぼこと青ネギもトッピングしました。やさしくっておいしいおうどんです。
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阪神 深江


 この駅から、ほんの100mほど南へ歩けば国道43号線。神戸市東灘区深江本町の国道43号線。上を阪神高速が通っている。今から16年前、この場所の阪神高速が信じられない事態となった。震度7の激震で横倒しとなった。
 阪神大震災の報道写真でご覧になった方もおられるだろう。高速道路が横倒しとなった写真を。あの場所は、この駅のすぐ近く。地震の直後、この駅の前を歩いた。踏み切りから線路を見ると、ぐにゃりと線路が大きく曲がり、非現実的、ダリの絵を見ているようだった。あれから16年も経ったのだ。
 阪神電車の南を43号線、北を国道2号線、更にその北を山手幹線、また、ずっと南、深江浜の埋立地に阪神高速湾岸線が走っている。これらの道路はいずれも東西に走る。阪神、JR、阪急の3鉄道が、これらの道路の狭間を縫うように走っている。そのため南北に移動する車もけっこう多い。特に阪神は二つの国道の狭い間を走るため、踏切が閉まっている時間がけっこう長い。だから、いま、高架工事をやっている。写真のプラットホームは仮設だ。
 この写真はこの駅のすぐ北である。深江駅周辺はパチンコが多い。しかも、どの店も客がそこそこ入り閉店した店はない。芦屋にもパチンコの好きな人が多いと見える。
 43号線を越えて深江南町には、深江文化村と呼ばれた所で、阪神間モダニズムの名残がある。また、小生、お気に入りの酒道灌の蔵元もここにある。
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2010年に読んだ本ベスト5

 昨年2010年に小生が読んだ本のベスト5は次の通り。月にSFマガジンを2冊読んでいる上に、読書スピードが落ちている。困ったもんだ。

1位 ハーモニー 伊藤計劃 早川書房
 人類はユートピアを完成させた。人は事故と戦争以外では死なない。世界は健康で慈しみに満ち満ちた。そんな世界で、同時多発で自殺する人が続出。人はなぜ自殺するのか。傑作「虐殺器官」と表裏一体となっている作品。

2位 PLUTO 浦沢直樹×手塚治虫 小学館
 手塚の鉄腕アトム「地上最大のロボット」のトリビュート作品。極限まで完璧に近いロボットとは、極限まで人間に近いロボットか。だったらロボットは人を憎むか、人を殺すか。

3位 犬の力 東江一紀訳 ドン・ウィンズロウ 角川書店
 麻薬戦争版「仁義なき戦い メキシコ死闘編」30年にわたるラテンアメリカの麻薬をめぐる物語。血と暴力、裏切りと陰謀に彩られた大河小説。複数のストーリーが並行して進行する。

4位 ラウィーニア 谷垣暁美訳 アーシュラ・K・ル=グイン 河出書房新社                  
 ローマ建国以前の古代イタリアのお姫様の物語。お姫様はお姫様なりのご苦労が。母との確執。ムコ選びのごたごた。義理の息子との意見の相違などなど。ル=グインおばさんの語る「おんな講談」を聞く楽しさ。

5位 WORLD WAR Z 浜野アキオ訳 マックス・ブルックス 文藝春秋
 世界各地でゾンビが発生。様々な場所で、様々な立場の人たちとゾンビとのかかわりを、インタビュー形式で描いていく。パニック小説として出色の出来。

次点 SFマガジン2010年1月号 2月号  早川書房
 2冊あわせて1000頁を超える。1月号が海外編。2月号は国内編。SFマガジン創刊五〇周年記念特大号。SFマガジン久々の特大号である。お値段も2冊で5000円と財布には痛いが、読みごたえたっぷり。読み切り短編が海外国内あわせて35篇。この2冊で満腹した。ごっそうさん。 
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SFマガジン2011年1月号


SFマガジン2011年1月号 №658         早川書房

雫石鉄也人気カウンター

1位 ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル 
                大森望訳 テッド・チャン
2位 この土地のもの      小川隆訳 ティム・ブラッド
3位 ぼくたちのビザンティウム 小川隆訳 アラン・デニーロ

 今号はテッド・チャンにつきる。なにせ、あのテッド・チャンの最新最長の作品を一挙掲載。早川さんの大盤ぶるまいというべきだろう。小生、このブログでSFマガジンの編集になにかと苦言を呈してきたが、この企画はまことに天晴れな企画である。えらい、よーやった早川さん。
 お話は、ペット用として発売されたAIをめぐる物語。誕生したばかりのAIを調教するために、発売元ブルー・ガンマ社に雇われた、主人公の1人アナは元動物園(現実の)の飼育係だった。本物の動物飼育の経験をAIの育成に役立てようもの。AIは動物と違い、知能がどんどん成長して、アナたち人間と会話もできる。幼児から少年、青年へと成長していくAI。それと同時にアナたち「飼い主」も成長していく。訳者の大森望も解説でいっているが、AIの成長の物語であると同時に人間の成長の物語でもある。
 もちろん、AIたちは素直に無事に成長しない。ブルー・ガンマ社の倒産。サポート打ち切り。プログラムは旧式化して、最新の仮想世界へのアクセスができなくなる。様々な困難を乗り越えて、アナたちはAIを育てていく。飼い主に見捨てられたAIは野良AIとなって仮想世界で生きていく。
 企業の支援を受けられなくなった、飼い主たちはグループを作って、独力でAIの育成を続けていく。じっくりと書き込まれた、AIと人間、人間と人間、AIとAI。もちろんAIたちは自意識を持ち、自己主張をする。
 さすがテッド・チャン。見事なできの中篇である。近い将来、チャンの本格長編を読んでみたい。
 あとの2編はできの悪いオマケみたいなもの。「この土地のもの」は、よそ者が「土地」に流れ着いて住み着くという話。「ぼくたちのビザンチウム」はなんのことやらよう判らん。
 新連載コラムが始まった。若島正「乱視読者の小説千一夜」今回はチャールズ・ボーモント。ボーモントは38歳で夭折したが、長生きしていたらどんな作家になっていただろう。
 中野善夫「黄昏の薄明かりの向こうへ」は5回目。「三丁目の夕日から黄昏の薄明かりへ」と題して、日本の昭和時代はユートピアか?と、論じている。
 最後に、今号の「リーダーズ・ストーリイ」は、このブログでもブックマークさせて頂いている、サイトーさんの「50億年後の」が掲載されている。

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しょうもないことで時間を取られる

 なにがしゃくにさわるかといって、ビンのフタが開かないことほどしゃくにさわることはない。今朝の朝食の時、トーストにつけるジャムのフタが固くて開かない。力いっぱい、うんうんうなってフタを回すが回らない。ゴムをフタに巻きつけて滑りにくくしてもフタはびくともしない。フタの上をコンコンと叩いてもダメ。フタを湯で温めたけれど開かない。出勤しなくてはならない。朝食にあまり時間はとれない。腹立ちまぎれに、裂ぱくの気合で回すと、やっと開いた。なんとかトーストにジャムをつけることができた。
 小生は週末料理人だから、土日の3食は小生が作る。昼食と夕食は時間があるからいい。問題は朝食。土日といえども小生はたいてい出勤している。時間に限りがある。仕事柄、小生が遅れると現場の人たちが仕事ができない。絶対遅刻できない。調理して食べて、後片付けは家人がやってくれるが、極力自分で最後までやりたい。
 そういうわけで効率よく調理することを心がける。NHK「きょうの料理」で「20分で晩ご飯」という企画があるが、あれは調理器具は全部出してあって、調味料も計ってあって、調理だけする。あれじゃ、小生なら10分でやる。
 小生の場合、鍋釜包丁を出して、食材の包装をほどいて、麺をゆでる湯を沸かして、果物の皮をむいて、全部やらなくちゃならない。
 正味、調理にかかる時間は比較的短くてすむ。朝食はそういうメニューを考えているし。ところが他の雑事で手を取られる。上記のようにジャムのフタが開かないのも一例。たいていの食材は包装してある。不必要な包装もかなりあると思うが、いちいち包装を破らなくてはならない。手で引き千切れないものもある。
 醤油が切れている。新しいペットボトルを開ける。キャップを外し、プルトップを引っ張る。指でつまんでも取れない。箸を突っ込んで取る。引き千切れた。キッチンから出てラジオペンチを持ってきて引っ張って取る。
 しょうもないことで時間がかかるのである。困ったもんだ。
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えべっさんに行ってきたで


 今日は1月10日や。十日戎や。ワシは西宮生まれやさかい、えべっさん詣では欠かせん。毎年、この3日間のうちにえべっさんに詣でる。
 夜に行くことが多いが、今年は十日が休日やから昼間に行った。例によて休日出勤。1時間だけ仕事して西宮へ。ごっつい人出やろな思とったけど、案外すいとうやんけ。夜やったら阪神の西宮駅からぎっしりなんやけど、すいすい歩ける。
 で、何をえべっさんにお願いしたかっちゅうと、毎年のことなんやけど、欲どしいねんけど、ようけお願いした。

家内安全、夫婦円満、長寿長命、身体健康、商売繁盛、受注増大、文運隆盛、世界平和、景気回復、筆先魔術、貧乏退散、富籤必中、面白映画、傑作小説、酒池肉林、馬食鯨飲、阪神優勝、藤川零封、城島強肩、金本復活、まーとん安打、ぶらぜるばーす化、久保完投、美味創作、包丁上達、えすえふ豊作。

 さてさて、あのお賽銭でどれだけ、えべっさんは聞いてくれはるやろ。
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必死剣 鳥刺し


監督 平山秀幸
出演 豊川悦司、池脇千鶴、岸部一徳、吉川晃司、関めぐみ、小日向文世

 最近、時代劇の秀作が多い。で、本作も期待して観た。がっかりだ。駄作とまでいわないが、凡作である。
 能を藩主以下家中のもので鑑賞しているところから映画は始まる。能が終わった。次のカットでいきなり、主人公の兼見三左エ衛門が藩主の愛妾連子を刺殺する。連子は殿の寵愛をいいことにわがまま放題好き勝手。藩政にまで口をはさむ。
 当然、三左エ衛門は決死の行動。斬首は覚悟している。ところが処分は極めて軽いもので、蟄居閉門。しかも、処分が終わったら、元の職場に復職禄高も元通り。なぜか。実は、この処分、三左エ衛門の上司中老津田民部の計らいであった。民部は何をたくらんでいるのか。という映画だが小生はもう一つのれなかった。
 なぜ、三左エ衛門は、連子を刺したか。連子の所業を苦々しく思っている藩士も多かろう。なぜ三左エ衛門なのか。彼は妻をなくし、姪に身の回りの世話を受けて暮らしている孤独な男。そんなことが藩主の妾殺害の動機としては納得がいかない。
 連子のわがままを放置していることに、面と向かって藩主に苦言をいう男がいる。藩主のいとこで別家の帯屋隼人正だ。だったら三左エ衛門の単独犯行ではなく、隼人正と連携して、殺害しなくとも連子を追放すればいいのではないか。
 それに連子を亡き者にしたとて根本的な解決にはならない。女にうつつを抜かすバカ殿、また新しい女をくわえこむに違いない。真の解決は「十三人の刺客」のごとくバカ殿を殺すのが一番だろう。
 という、文句も、ラストのチャンバラが面白ければ、まあええやん、すべて許すとなるのだが、いまひとつであった。それに三左エ衛門が斬っているのは藩の同僚たちだろう。峰打ちではいかんのか。最後の最強の相手も、その人物を生かしておく方が三左エ衛門の最初の目的にかなうのではないか。
 そのチャンバラも大傑作「ワイルドバンチ」の銃撃戦を凌駕する大チャンバラを繰り広げた「十三人の刺客」を観た後だから、なんともしょぼい印象を小生は受けた。
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エビチリ丼


 昼飯に丼ものを食べることが多い。外食する時もそうだし、自宅で自分で作る時もそうだ。飯の上に何かを乗せて食べる。米食いの日本人にとって、主食とおかずを同時に食べられる、実に合理的な食べ方ではないだろうか。ハラが減っていて、時間がない時などは、丼ものはお助け料理だ。片手に箸、片手に丼を持って、ガサガサとかっこめる。
 小生食べるのが早い。若いころは丼ものを4口で食べていた。箸で丼の上に十文字に切れ目を入れ、パクパクパクパクと4口で食べた。この小生の早食い、1度叱られたことがある。胃潰瘍で入院していた時、動ける患者は食事が終ったトレイをナースステーションの前のワゴンに返しに行くのだが、小生がいつも病棟中で一番だった。「もっとゆっくり食べなさい」と看護師さんに叱られた。
 丼ものを構成する要素は三つ。ご飯、具、汁。この三つのバランスがとれている丼ものはおいしいということだ。ご飯は甘いから、具と汁は少し濃い目、甘辛のうち辛に近い味の方が、丼ものにはあうだろう。麻婆豆腐なんて四川料理などはピッタリだ。エビチリもそうだ。おかずとして、別の皿に盛っても、どうせご飯にかけて食べるのだから、最初から丼ものにしてしまおう。と、いうわけで今日はエビチリ丼を作った。エビチリの作り方はいつと同じ。ただ、豆板醤は少し多めにして、ピリ辛度増した。
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映画に先立ち、眉村卓さんの講演会に行ってきた

 眉村卓特別講演に行ってきた。眉村さんとがんで亡くなった奥さまの実話を元にした映画「僕と妻の1778の物語」が15日から公開されるのにあわせた企画だ。
 眉村さんは映画と実際について、映画は全く別の次元の話、実話をそのまま映像化して物ではないないと話された。奥さまの悦子さんが亡くなったのは67歳。眉村さんも同い年だから、現実は60歳代のご夫婦の話だ。草剛と竹内結子が演じる映画の夫婦は30代だ。
 眉村さんと悦子さんは高校の同級生だった。このことは私も知っていた。お二人はクラスメイトだと思っていた。ところが同じクラスだったことは1度もなかったそうです。眉村さんは男子だけのクラスで、教科によって時々同じ教室になったそうだ。高校生の眉村さんは新聞部で俳句部、生徒会活動もやっていて、だいぶん目立った生徒だったようだ。
お二人は24歳で結婚。家で眉村さんが家事を手伝うと、「そんなことをしてないで原稿を書いて」と叱られたそうだ。悦子さんは眉村さんが作家になることの最大の理解者であり支援者だった。これは作家として大成してからも続き、そして悦子さんが亡くなってからも続いた。
私は悦子さんのご葬儀に参列させていただいたが、その葬式式場の案内看板には「作家眉村卓夫人 村上悦子」となっていた。これは悦子さんが亡くなる直前ご本人の希望でなされたことだそうだ。葬式の案内看板としては、前例のない看板である。眉村さんはこの要望が受け入れられなかったら葬儀社を替えようよ思っておられたとか。悦子さんは最初から最後まで、というか、最後を過ぎても作家眉村卓の支援者であり続けられたのだ。
眉村さんが余命いくばくもない奥さまに毎日ショートショートを書きいてることが話題になり、このたびは映画にもなった。このことでよくいわれること「世界でただ一人の読者のために書き続けた」これは集英社の文庫版の解説で娘さんの村上知子さんがいっていたし、きょうの講演でもご本人がおっしゃっていた。こういうことは絶対にない。だいたいが、眉村さんの最大の支援者の悦子さんがそんなことを望むはずがない。
病床の悦子さんはあくまで最初の読者であって、眉村さんはプロの作家としてできるだけ多数の読者を想定して書かれたとのこと。
最後に眉村さんはおっしゃった。「僕が妻を励ますために書いていたと思ったが、本当は妻が僕を励ましていた」
 悦子さんが亡くなって8年。眉村さん、まだまだ創作意欲は衰えておられない。お二人の夫婦愛はまだまだ続く。 
 
 


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ブリ大根


 ブリ大根はブリと大根、どっちが主役だろうか。小生は大根が主役と思う。ブリのうまみをたっぷりと吸い込んだ大根はこの上もなくうまい。
 大根とブリ、里と海の冬のうまいものが、鍋の中で出会い、いっしょにグツグツと煮込まれる。冬の代表的な煮物だ。
 煮物は時間が作る料理だ。だから煮てすぐ食べずに、しばし寝かせておこう。このブリ大根も同じ。
 ブリ大根のポイントは三つ。ブリの処理。調味料の使い方。そして時間。まず、ブリの処理。必ず熱湯をくぐらせよう。熱湯をくぐらせて水にいれる。ブリの臭みを取るわけだ。
 昆布だしで大根とブリを煮るのだが、まず酒を入れる。少し多い目に入れよう。そして、砂糖、味醂と入れていく。このまま30分ほど煮る。この時アクが出れば取るわけだが、アク取りはしっかり取らなければいけない、と、いうお料理の先生もいるが、小生はあまり神経質にアク取りはしない。料亭料理じゃないんだから、すっきり澄みきった味にする必要はないだろう。アクも味のうちと小生は心得る。
 醤油や塩はまだ入れない。塩分は味が素材に染み込むのを邪魔をする。まず、酒、砂糖、味醂で甘味をつけよう。30分煮て大根が軟らかくなってから、醤油を入れる。ただし味見しながら少しづつ。足らなければ足せばいい。多すぎると修正は効かない。醤油を入れ終わったら、最後に塩を入れて味付けは終わり。あとは水分が少なくなるまで煮込む。これで完成ではない。
 火を止め、フタをして半日ほど置く。これが大切。さめていく段階で味がしみていく。食べる前に再加熱して、お好みで醤油を少し加えてもいい。これでブリ大根が完成。味のしみた軟らかい大根がうまい。
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七草がゆ

 
わっ!大晦日や元旦やゆうとったら、もう7日やないの。えらい時の流れが早よおまんな。1月も中旬にさしかかるやないの。うかうかしとれんな。あ、いそがし、あ、いそがし。何がそんなにいそがしいんやろ。なんや知らんけど、こんなことゆうとった芸人さんがおったな。谷しげるやったかな。
 それは、ま、そうとして1月の7日やさかい、七草がゆ食わなにゃあかん。大晦日から正月にかけて、しょうしょうご酒が過ぎてな、胃が重たいんや。ワシは胃潰瘍持ちやさかい気つけなあかん。こんな時に食う、おかいさんはありがたいもんや。お腹にやさしいな。特に七草がゆは、春の七草を食うさかい、野趣があるおかいさんや。おかいさんも色々あるけど、七草がゆはワシ好物やな。
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七人の帰還

 7人の乗組員全員が久しぶりに顔を合わせた。通常は、2人1組で当直につき、他のメンバーはコールドスリープに入っている。そのため、全員が起きてくることは、定期会議の時以外はない。
「では、定期会議を始めます。船長、よろしいですね」
 初老の男がいった。つい先ほどまで、何かを修理していたのか手にはハンマーを持っている。足元にそれを置き、隣りに座っている同年輩の男にいった。 
海洋生物捕獲用ツールを持った、その男はニッコリ微笑みながらうなずいた。実に魅力的な笑顔だ。
「では、今回の動議を出したのは、だれでしたかな」
 初老の男が司会をする。
「私だ」
 でっぷりと太った男がいった。坊主頭で太鼓腹。とても宇宙飛行士には見えない。しかし、彼は優秀な惑星研究者だ。
「例の星系の第3惑星のことだ。もうそろそろ私たちが帰還してもいいかと思うのだが」
「賛成です。わたしもあの惑星は定期的に観察してました。あの種族をこれ以上放置しておけば、滅亡します」
 メンバーでただ一人の女性がいった。
「俺は反対だ」
 壮年の男がいった。筋骨たくましい体形をしており、精悍な容貌だ。船の兵器担当者だ。
「連中はもう手遅れだ。連中に手を取られるのなら、他の星系に行くべきだ」
「お二人はどうかな」
 同じような年輩の老人が二人座っている。二人ともベテラン宇宙飛行士だ。
「実はワシら二人だけで、あの惑星にこっそり降りた」
「抜け駆けはいけませんわ」女性がいった。
 二人は年長者だから、他のメンバーはそれなりに敬意を払っている。彼女だけが遠慮しないで二人にものをいう。
「すまんすまん。今度はおまえも連れて行こうぞ」
「で、お二人のご意見は」
「帰還に賛成じゃ」
「どうでしょう。船長」
 笑顔の男の顔が一瞬真顔になった。目はまだ笑っている。
「私は、みなさんご存知の通り、1年に1度この時期に3日間だけ、あの星に降りている。確かに末期的な症状だが、見込みはあると判断するな」
「では、帰還ということで」
「ミスター・ビシャ。船長はああいっているが」
「船長が判断されたのなら俺も依存はない」
「よし、戻ろう。針路変更だ」
 太陽風を一杯に受けた帆の角度が変った。

「おはよう。夢見た?」
「うん見た見た」
「昨日は元日だったやろ。今日は二日や。昨日から今日にかけて見る夢が初夢やで。で、どんな初夢やった」
「うん、4人のおっちゃんと2人のおじいちゃん、1人のねえちゃんが昔の船に乗ってやって来る夢やったわ」
「えらいゲンがええ夢みたな」
「もうすぐ十日戎やけど、今年は連れてってくれるやろ。おとうちゃん」
「トラコ連れて行くとなんでも買うてゆうからな」
「ゆわへんから連れてってえな。アメ買うてもろかかて、口の中でレロレロしとくさかい」

 C国が初の大統領選挙。一党独裁をしいていたK党と、民主化を主張していた勢力が連立しました。C国初代大統領にはノーベル平和賞受賞者のR氏が就任。NK国で民衆蜂起。独裁者のK親子は追放。拉致被害者は全員無事帰国。全世界は統一のために南のK国を支援。
 A合衆国、R連邦が核兵器全廃条約に調印。他の核保有国も同調。民主化したC国が牽引役となり、世界経済は順調に上向き。I国とPが恒久的な和平条約を締結。中東に真の平和が訪れました。
 全世界的に軍備が大幅に削減。軍事に使っていた膨大な予算は福利に回されました。餓死する人が劇的に減少。人類はかって経験したことのない高福祉社会に入った。

「間に合ったな」
   
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アニメ「四畳半神話大系」を観た

 
小生は紅白歌合戦なんぞというバカなもんは観ない。毎年格闘技を観ているが、今年は何を観ていたか。昨年の深夜に放送され、録画したままになっていた本作を観た。大晦日から、2日にかけて3夜連続で観た。森見登美彦の原作は未読だが、たっぷり楽しめた。面白かった。キャラクター原案が「夜は短し歩けよ乙女」のカバーイラストを描いている中村祐介。脚本が「曲がれスプーン」の上田誠。アニメ制作が「サマーウォーズ」「マイマイ新子と千年の魔法」のマッドハウス。森見ワールドを映像化するにはこれ以上望むべくもないスタッフで創られたアニメだ。
 1話30分。11話ある。各エピソードの始まりとラストは同じ。毎回、主人公の「私」がバラ色のキャンパスライフを夢見て京都の大学(京都大学と思われる)に入学する所から始まる。ラストは時計の針が逆転する所で終る。
 並行世界モノ=パラレルワールドSF学園ラブコメといっていいだろう。「私」がテニスサークル「キューピット」に入った場合。映画サークル「みそぎ」に入った場合。サイクリング同好会「ソレイユ」に入った場合。などなど。
 だが、しかし、黒髪の乙女とバラ色のキャンパスライフを送っていたはずが、後悔の2年間を送ることとなった。あの時、あのサークルに入らなければ。そして、あの男に会わなければ。あの男=小津。まさしく大学に巣くう妖怪ともいうべき男。妖怪にふさわしい容貌。神出鬼没に出現して人の恋路をじゃまをする。闇の組織「福猫飯店」を牛耳り、底知れぬ人脈を持つ。「私」の最大の不幸は、この小津が「私」の友人だということ。
 この小津の容貌が最初と最終話でまったく違う。これには感心した。小津はある意味「私」の内面世界を投影したキャラクターだったのだ。各エピソードともよくできているが、特に第5話ソフトボールサークル「ほんわか」の巻。新興宗教の集会に紛れ込んだような気になる。小生、そんなところに行ったことはないが、妙にリアルでおぞましい。
 映像がきれいで観やすい。11話が有機的にからまってリンクしている。巧妙に組み立てられたジグソーパズルのようだ。DVDも発売されている。お勧め。ごらんになるのなら、11話を連続して観ることをお勧めする。
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