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名車スカイライン2000GT

 桜井真一郎氏が1月17日に亡くなった。桜井氏は「スカイラインの父」と呼ばれた人物。スカイライン、日産自動車のメイン車種の1つである。
 将来、日本の自動車を回顧することがあれば、スカイライン、なかんづくスカイライン2000GTは名車として記録に留められるだろう。
 小生のオヤジは車好きだった。初めてわが家のマイカーとなった車は、トヨタパプリカだった。800ccの車でパタパタと空冷エンジン特有の音をたてて走った。だから、わが家はかなり早い時期にマイカーを持ったわけだ。オヤジの工場の近くにマツダのディーラーがあった。だから、トヨタ車はこのパプリカだけで、その後のマイカーはオヤジが亡くなるまでマツダ車だった。
 小生も、このオヤジの遺伝か車好きとなった。免許を取れる年齢になったらすぐ取った。10代で車の運転を始めて、5年前にホンダ・インテグラを手放すまで、わが家には車が有り続けた。
 そんな小生が免許を取ったころには、あこがれの車がキラ星のごとくあった。
スカイライン2000GT、トヨタ2000GT、ベレット1600GT、ギャランGTO、ホンダ・クーペ9、いすず117クーペ、ブルーバードSSS、フェアレディ。いつか乗りたいと思っていた。その中でも特にあこがれたのがスカイライン2000GT。いわゆるスカGだ。最近のスカイラインは肥満した不細工な車となったが、ハコスカと呼ばれた3代目あたりのスカイラインは、ロングノーズ、ショートデッキのフォルムで、横腹にはサーフィンラインが走って、筋肉質で実にかっこ良かった。見てくれだけではなく、GT-Rは速かった。ロータリーエンジンのマツダサバンナに破れるまで、レースで50連勝を記録している。
 スカGはこんな車だから、車好きの大藪春彦の小説に出てくるし、大藪氏自身もスカG-Rに乗っておられた。大藪春彦も好きだが、小生、田中光二もファンだった。最近はなにやら戦記シュミレーションなどを書いておられるが、初期は冒険小説の佳品をいくつか書いておられた。田中氏もなかなかのカーマニアで、カーアクション小説もある。その中で小生が特に好きなのが「ビッグ・ラン」だ。日本列島全域を非合法ラリーで駆け回るという作品だが、この小説の主人公の愛車がスカイライン2000GT-Rだ。スカG-Rが登場する小説で一番の傑作だと小生は思う。
 と、まあ、こんなことをいっているが、小生はスカGに乗ったことは一度もない。オヤジ存命中は、オヤジがマツダのディーラーと親しかったのでマツダ車ばかりであった。ファミリア・ロータリー・クーペに乗っていた。エンジンは強力だが足回りに少々難点があった。コスモに乗ったこともある。ロータリーエンジンは確かに速いが、運転していてあまり面白くない。自分が速いというより、他の車が遅いだけ。オヤジが亡くなって、マツダと縁が切れてからは、ホンダ車に乗っていた。初代インテグラに長い間乗っていた。これは良い車だった。
 もし、スカイラインを買える経済力があっても今のスカイラインは欲しくない。やっぱり、サーフィンラインで丸型テールランプのハコスカでないと嫌だ。
 桜井真一郎氏のご冥福をお祈りする。
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