雫石鉄也の
とつぜんブログ
6月29日(日)その2 エビのチリソース
さ、今日はエビのチリソースを作りましょう。四川料理の乾焼蝦仁を、中華の鉄人陳建一さんのお父さん陳建民さんが日本人向けにアレンジしたといわれています。
この料理の主役はもちろんエビです。えびの下処理の仕方で味が大きく変わります。今日のエビは一番入手しやすいブラックタイガーを使います。宝クジが当たったら1度伊勢エビでエビチリを作ってみたいものです。
エビの殻をむいて背ワタを取ります。頭を取った時にいっしょに抜けていますが、ときおり残っています。この背ワタはエビの消化管です。エビも生き物ですからモノを食べるのです。当然、消化管も持っております。
次にエビを洗います。洗うことによってエビのへんな匂いがとれるので、この作業は欠かせません。エビを塩水につけて片栗粉をまぶして軽くもみ洗い。黒い汚れが出てきます。それを多い目の塩水で洗い流してやります。大切なことは必ず塩水を使うこと。真水だとエビの体液が水に出ます。エビのおいしさを水中に捨てていることになります。浸透圧現象という現象があります。エビの体液と真水ではエビの体液の方が濃度が濃いです。だから浸透圧現象でエビの体液が水に出るのです。だから、塩水にしてエビの体液より濃い水でエビを洗ってやればエビのおいしさはエビに中に保たれたままです。お料理は化学で物理なのです。
むいたエビの殻は捨ててはいけません。殻を強火で炒めて香ばしい香りがしたら水を入れてしばし煮ます。エビの殻から美味しいダシがでます。これをスープのベースにします。
殻をとったらエビの背に包丁で切れ目をいれます。こうすることによって、エビの表面積が大きくなり食感がよくなります。その上、ソースもよくからみます。面倒ですが、この手間も省けません。
エビに下味をつけます。酒、塩、こしょう、卵白、片栗粉、重曹をエビにまぶして30分ほど味をしみ込ませます。
次にエビを油通しします。油通しは揚げるのではありません。低い目の温度の油をさっとくぐらせるのです。あとで炒めるので素材の中まで火を通す必要はありません。
長ネギ、にんにく、しょうがをみじん切りにしておきます。調味料を用意しましょう。豆板醤、醤油、酒、砂糖、塩、ケチャップ、スープ、ゴマ油、片栗粉。これらの準備は調理にかかる前にしておきましょう。中華料理はスピードが命です。手際よくぱっぱとやらなければなりません。調理している最中にモタモタと、調味料の分量を計っているようではダメです。
ガスレンジの前に立ちます。目の前には空焚きした中華鍋がうっすらと煙を上げております。そのかたわらには、下処理したエビ。みじん切りした長ネギ、にんにく、しょうが。分量を計った豆板醤、ケチャップ。醤油、酒、砂糖、塩は小皿に合わせておく。片栗粉を水で溶いておく。レンジの小さい方の火口には小鍋にスープをかけておく。
これだけのことをしておいてから、調理にかかりましょう。まず、熱くなった中華鍋を油ならし。炒め油を入れて、豆板醤を加熱。しょうが、にんにく、エビを投入。炒める。スープ。長ネギを入れる。調味料で味付け。水溶き片栗粉でとろみ。最後にゴマ油。さ、これでプリプリのおいしいエビチリソースができました。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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気になって調べてみました。
浸透圧現象に関してですが、私の記事は正確でなく、あなたのいう方が正しかったです。
エビを塩水に漬けると、水や生臭みが外に出ますが、エビの旨みの元である、アミノ酸などは分子が大きく、エビの細胞膜を通過できません。したがって、エビの余分な水分が抜けて、美味しい成分だけがエビの体内に残るわけですね。
ご指摘、どうもありがとうございました。
スーパーで売っているエビは保水剤で加工されたものばかりで、もはや食品偽装ではないかという憤りがつい文章に出てしまったようです(嘘だらけの食材にいくら知恵を絞っても無駄なんじゃないかと…)。
結果的に言いがかりを付けたような表現になっているのですが、特段の他意はないです。恐らく気分を害されたでしょうから、謹んでここにお詫びさせていただきます。申し訳ありませんでした。
通りすがりではなく、また、お寄りください。
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