人と会わない、話さない、が続いている。
毎週日曜日、弟が夜にやってきて、いっしょにワインを飲んで、音楽や映画の話をする。言わば、戦場慰問だ。老老介護の、戦いの最前線の。
弟は、レコード屋・CD屋が、わたしよりずっと長い。音楽の、小売店での販売が、人生の人だ。わたしの知らない、80年代・90年代の音楽にもやたら詳しい。
わたしの兄弟3人は、子供のときから洋画が好きだから、映画と音楽の話はつきないのだ。
弟夫婦は、飲食店をやっているので、日曜日、父の夕食のために豪華な弁当をつくって持ってきてくれる。だから、わたしは、日曜日の夜だけ、”バカ殿御膳”を作らずにすむ。これも有難い。
(この”バカ殿御膳”、温泉卵からデザートの果物まで、制作には、ほぼ1時間半かかる。これをわたしは毎日毎日やっている。自分自身の食事は、ほぼ10分でできるが……………)
そんなわけで、弟が来てくれて、週に一度だけ人と会話をする。
その弟が、インフルエンザで、わたしに感染させてはマズイということで、やって来ない。2週間、人と話をしないことになりそうだ。
いま、父とは、まったく話さない。
2012年、帯広に帰ってきて、驚いた。父親が、まったく会話に応じないのだ。朝、おはよう、と言っても返事もしない。目も合わせない。
わたしだけじゃなく、母に対しても同様だった。母が一方的に話して、父は、顔をむけることもなく、テレビをみている。
しかし、自分の言いたいことは、大声で怒鳴る。「タバコが無くなる」「アイスキャンデーは、買ってあるのか?」「おまえ、俺の牛乳を、いつ買いに行くんだ? もう一つ(ワンパック)しかないだろ!」
それにしても………九州の森本くんの慰問の電話が有難い。