ひどい国になったものだ。こんどは鳩山首相の脱税行為だ。これも、まったくテレビ・メディアは問題にしない。
株式の売却で得た所得、7200万円を税務申告していなかったことが発覚して、きのうの国会で追及された。「ポカをしたのでお詫びして修正した」と、首相は開きなおった。7200万円もの巨額な所得を隠していて、「ポカでした」と、すませる首相の良識と厚顔もすさまじいが、メディアがまったく問題にしないことが恐ろしい。
漢字を読み間違えた、ホテルのバーに通っている、と、些細なことで麻生前首相をいじめぬいたテレビの連中が、現首相の7200万円もの所得隠しをまったく問題にしない。おかしくないか？ 7200万円といえば、庶民の何十年分の所得だ？ それを申告しないで、指摘されて、『修正申告したからいいでしょ、ポカでした』で済むものか？ われわれならブタ箱ものだろう。中小企業なら重加算税でつぶれてる。
いくら80億円以上の資産をもつ富豪の鳩山でも、じぶんの、7226万円もの株売却益を知らないわけはない。秘書がやったのでも、妻がやったのでもないだろう。じぶんが相続して所有していた株券だ。じぶんが証券会社に売却を依頼し、その税務処理も認識していただろう。意識した脱税行為だ。「ポカでした」ですむ問題じゃない。
そういう甘い税認識しかもっていない人物が、税で成り立つ国家の、首相であっていいのか？
そして、所得の確定申告だけじゃなく、この7226万847円の株式譲渡益は、国会議員としても報告義務があった。平成20年分の鳩山由紀夫衆議院議員の所得等報告書に、この所得は記載されていない。これも重大な違法行為、国民に対する背信だ。
「ポカをした」……、しかし、一国の首相が国会で答弁するときの言葉だろうか？
