自由民主党の総裁選、立憲民主党の代表選挙が相次いで行われます。これからも、当分、マスコミは、この問題でにぎやかな状態が続くでしょう。
日本の政党の中での、第一党と第二党のリーダーを選ぶのですからいずれにしても国民の関心は高まらざるを得ないでしょうし、その後には、恐らく総選挙が控えているという事ですから、確かに国民にとっての大問題です。
更にその背後には大きな問題があります。戦後日本の政治で殆んど主導権を握ってきた自民党が、長期の政権のゆえに驕りが過ぎたのでしょうか、カネに関わる問題や選挙組織の問題で根腐れを起こしていたことが明らかになったのです。
野党は群小といわれ、政権奪取には程遠いと多くの国民は見ていましたが、いわゆる政治資金の裏金問題、選挙に絡む旧統一教会問題で、自民長期政権の実態が明らかになってみますと、国民の意識にも変化が起きてきています。
折しも、日本経済は不振を極め、一人当たりGDPが嘗ての世界ベストテン常連から34位(2023年IMF統計)に落ち:実質賃金の対前年低下が連続25か月に及び、実質経済成長は年1%が「目標」といった惨状から、如何にして抜け出すかという日本の再生を実現しなければならない時期に来ているのです。
昨年から今年にかけて、真面目に働いている国民の多くは、こんなはずではないという気になりつつあるのでしょう。政権支持率が20%そこそこにまで低下するという異常事態となり、根腐れした自民党政権への批判が、日本の再生をだれに託すべきかという問題意識に発展しつつあるという変化が見られます。
はっきり言ってしまえば、これまでの自民党政権の政治は、外交においても、経済政策においても失敗の連続で、今の経済的没落はその端的な結果というのが客観的な見方でしょう。
そういう意味では、野党にとって、早晩行われるであろう総選挙は、従来にない重たい意味を持つものでしょう。
そして、今回の自民党と立憲民主党の総裁、代表選びは、ここまで落ちた日本の国際的な地位を、何としてでもかつての「ジャパンアズナンバーワン」とまでに世界から注目を集めた日本に戻す第一歩を踏み出すための、新しい日本のリーダーを選ぶことに繋がっていると考えなければならないはずです。
カネの泥にまみれた自民党では、その泥だらけの姿で「私もやりたい」という人が大勢いるようです。国民はどう見ているのでしょうか。
立憲民主党では、かつて、短期に政権を取った時の経験者を含め、若手は経験より若さでという人もいますが、いずれ立憲民主党だけではなく、野党を糾合できる人材が必要になるのでしょう。
マスコミはまだ、人気本位の報道の範囲を出ず、新しいリーダーに何ができるか、誰なら何を託せるかといった所にはほとんど踏み込んでいません。
しかし、可能性としては、次の政権を担い、この日本を何とかするべき人が選ばれるという事の前哨戦ということに直接つながるのでしょう。
これからの時期、国民としては、日本再生のためにどこまで役に立つ人材かという鑑識眼をもって、当面する党首選びの段階から確り見極めておく必要があるように思われるところです。