「ネチケット」という言葉をご記憶でしょうか。ネット・エチケットの略ですが、国際的にも使われる「ネットを利用する際に守るべきルール(礼儀作法)」といった意味の言葉です。
使われ始めたのは1980年代後半辺りで、インターネットの利用が進んできた中でいわれ始めた言葉です。
インターネットは、これまでの実生活とは大きく違ったコミュニケーション手段で、直接知らない人に自分の姿を見せずに話す事も出来ますし、社会的拡散のスピードなどは実生活の場合とは格段に違い、一瞬で日本中、世界中に広まります。
例えば、噂話や誤情報などの場合、インターネットに乗れば、社会的に大変な問題を起こし得るという事も考慮して、何らかのルールを決めていかなければならないだろうという意味で生まれたものです。
現に、こうした心配が現実になってしまったと感じておられる方も多いかと思いますが、日本でも、いわゆる「誹謗・中傷」がネット上で頻繁に見られるようになり、現実に人間を破滅に追い込むような事態も発生しています。
実生活の世界では、日本人は親切で、思いやりがあり、社会における行動は常にルールを守り、整然としているなどと評価されることが多いのですが、、これは顔の見える社会だけのことでしょうか。
嘗てこのブログでも「ネチケット」「ネット・マナー」を取り上げたことがありますが、ネットの悪用の典型のような誹謗中傷の問題がマスコミでも取り上げられるような状態が進む中で、「ネチケット」といった言葉は逆に、あまり聞かれない古い言葉のような感じになってしまっているようです。
これはやはり大きな問題だと思い、調べてみますと警視庁でも下のような「インターネット利用の7か条」を示し、インターネットの世界でも、日本は整然とした国になりましょうと言っています。
- インターネット社会でも、実生活と同じルールとマナーを守る。
- 他人のプライバシーを尊重する。
- 住所・氏名などの個人情報を入力する時は、十分注意する。
- ID・パスワードの管理を徹底する。
- 他人のミスを大げさに指摘しない。
- メールを送る前に、内容をよく確認する。
- 面と向かって言えないことは書かない。
恐らく、インターネットで、ついつい他人に迷惑をかけるような事を発信してしまう人というのは、ネットの世界は、現実の世界と違って、勝手なことが出来る仮想空間のようなものだと勘違いしているのではないでしょうか。
実はそうではないのです、ネットの世界も、人の前で喋ったり、印刷物に書いたりするのと同じなのです。そしてその拡散力が桁違いに高いのです。
上の「警視庁の7か条」の第1条と第7条だけでも確り理解すれば、インターネットの世界は大幅に整然としたものになるはずです。
これを徹底するのに大きな役割を果たせるのは、学校教育、社会教育、そしてマスコミの力でしょうでしょう。そして、勿論、最終的には個人の自覚でしょう。
その徹底のために、日本社会全体が、本気で頑張る必要があるようです。