tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コミュニケーション不足の岸田政権?

2022年10月17日 17時12分57秒 | 政治
コミュニケーション不足の岸田政権?
最近岸田政権の独走振りが目立つようなった気がします。「聞く耳を持つ」を標榜して出発したと記憶していますが、聞くよりも閣議決定といった形が先行し専横が目立つように感じられます。

古い話で恐縮ですが、菅総理が突如「私が決めました」と言って発表した日本学術会議の推薦者6人の任命拒否問題などは、岸田政権になれば良識ある話し合いで早期に解決されると思っていましたが未だに宙ぶらりんのようです。

一方安倍元総理の国葬問題については、言い出した限りはというのでしょうか、国民世論との対話は皆無で強行、内閣不支持率が支持率を上回る事態となりました。

面倒な問題が起きた時こそコミュニケーションが必要というのが人間社会の基本でしょうが、面倒なことになるとコミュニケーションをしないというのが、この所見られる岸田政権の行動様式です。

国民に話しかけて好評だった「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」といった言葉についても、本人が考えたのか、官僚が考えたのか知りませんが、当初、自画自賛のアベノミクスより何か期待させるものが感じられたのですが、期待していた中身の説明はありません。

多分、古い概念の弱肉強食の資本主義ではなく、格差が拡大してしまった日本経済を、格差の少ないみんなの暮らしやすい日本社会にするための分配と成長の好循環が実現するような方向に変わるのだろうと思っていましたが、その後こうしたスローガンについての国民とのコミニュケーションもありません。

出て来るのは補助金政策ばかりで、補助金政策で格差を小さくするといった弥縫策が「新しい資本主義」や「成長と分配の好循環」ではないと思っても、それ以上の情報は国民に与えられていません。

経済成長を目指しての発言でしょうか、デジタル化やイノベーション重視は多く語られていますが、こうした問題は日本のアカデミアの総本山である日本学術会議との密接なコミュニケーションがなければ、まともには進まない問題でしょう。

身近な所では、マイナカードの健康保険証との24年統合問題が出てきました。国民の多くが無理だろうと言っています。もともとマイナカードは任意です。
余程国民の声を聴き良好なコミュニケーションを持たなければ無理のようです。

保健証でも運転免許証でもマイナカードは国民全体をカバーしないと誤差脱漏では済まない問題が起きるのではないでしょうか。
本気なら、もともと政府が持っている情報ですから納税証明なども含めて政府の持つ情報が全部入った個人別カードを政府が作り、暗証番号と引き換えに国民に配布するのはどうでしょうか。

更に、コミュニケーション欠如で相互理解のない大問題は円安問題における政府と日銀の関係でしょう。G20で財務大臣と日銀総裁がワシントンで同席しても、腹を割ったコミュニケーションがあったようには思われない両者の発言でした。

もう1つ、日本経済を健全にするためには来春闘に向けては、政労使の立場のしがらみを越えた人間的コミュニケーションが必須だとこのブログは考えていますが、今のところその気配もありません。

日本も民主主義の衣を纏った専制国家に変質を進めていくのでしょうか。