消費が動けば景気が動く
昨日は3月分の家計調査が発表になり、3月に至って、消費需要が些か驚く伸びを示したことが解りました。
家計調査は需要サイドの統計ですが、今日は、「景気動向指数」が総理府から発表になり、生産・販売面、いわば供給面からのからの統計数字が出て、まさに消費を裏付ける形になりました。
ご承知のように、景気動向指数は先行系列、一致系列、遅行系列から成っていますが、矢張り興味は一致系列、先行系列というところでしょう。
発表される数字はCI (コンポジット・インでクス)が一番解り易いので、一致系列のCI(活動水準の統計的総合)の指数の動きで3月の動向はどうか見てみました。
こちらも3月は好調です。2月の89.9から3月は93.1に3.2ポイとの上昇を見ています。
一致系列の中身は10項目で、指数化されており、鉱工業生産、鉱工業生産財出荷、耐久消費財出荷、投資財出荷、労働投入量、商業販売額(小売業)、商業販売額(卸売業)、全産業営業利益、有効求人倍率、輸出数量ということになっています。
それぞれ性格の違うものを総合して指数にしているので、テクニカルな問題はここでは省きますが、この10項目の中で「一致系列の上昇3.2ポイントより高い指数の上昇値」を示しているのは、
小売業販売額 6.6
卸売業販売額 6.5
輸出数量 5.7
耐久消費財出荷 5.1
労働投入量 4.1
という事でした。
輸出数量以外は、「家計調査」の「消費支出増」に支えられたものだということが明らかではないかと思うところです。矢張りGDPのかはんをしめる消費が堅調であれば景気は上昇するのです。
という事で、これからの日本経済の成長発展を考えるとき、先ずコロナの克服、そしてそれによる消費の回復を、経済成長を牽引する消費の活性化に「進化」させていくことが最も重要になると思われるところです。
将来不安や老後不安を掲げて国民を貯蓄指向にさせ、消費を萎縮させるような経済政策とはおさらばして、かつての日本のように、日本人は勿論、世界中の人達の消費需要を、「いいな、欲しいな」という消費欲求を刺激するような物やサービスの開発を、コロナの経験も含めて生み出していくことが出来れば、以前にも書きました、「転んでもただでは起きるな」(https://blog.goo.ne.jp/tnlabo/e/865730dcab53f85fd509dbdf5b04e0ed)
という日本人のど根性の証左となるのではないでしょうか。