tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

菅総理も解って来たのかな

2021年05月08日 15時15分21秒 | 政治
菅総理も解って来たのかな
白河法皇にとっての意に沿わぬものは「サイコロの目、賀茂川の水、叡山の山法師」だったそうですが、当今の菅総理にとっては、まず「新型コロナウィルス」でしょう。

昨年4、5月の緊急事態宣言は成功の如く見えましたが、その後の新型コロナ対策と景気浮揚策のバランスが全く思惑と違って新型コロナ感染の第二波、第三波を齎し、今年に入って1月には遅ればせながら2度目の緊急事態宣言、そして腰だめで決めた結果は予想外で、第4波が猛威を振るい始め、蔓延防止措置などは吹き飛び、仏の顔も三度の三度目の緊急事態宣言になりました。

そして今度も腰だめ(オリンピック開催との関係という見方もあります)の17日の短期決戦にこだわるかと思いましたら、今回はあっさりと5月末まで延長という事にしたようです。

ここまで失敗を繰り返した結果、己の思うようになるものと、ならないものの区別がつくようになったのでしょう。それにしても随分時間がかかりました。

安倍さんの場合は森友問題で、妻や私が関係したという事であれば総理も議員もやめますといった時は、「安倍さんは潔白だ」という事にして処理してくれる政治家や官僚がいることを確認してから言われたというのが多くの見方です。水も漏らさぬ忖度政治という形です。

しかし、菅さんの場合は、相手はコロナウィルスです。同情もしてくれない、説得も出来ないし、もちろん忖度などしてくれません。結局は予想や思惑は外れて現状に至ったことが経験として、サイコロの目と同じように、自分の言うとおりにならないことを教えたようです。

しかし今度は唐突に「1日100万回のワクチン接種を目標に」と言い出しました。
バイデンさんが1日200万回、さらに300万回と積極策をとったことに倣ったのでしょうが、バイデンさんはファイザーに指示を出すこともできるでしょうし、モデルナの治験・承認を急がせることも可能でしょうし、現に接種増強の実績があります。

日本はまだ人口の2%ほどしか接種が進んでいません。1日100万回といえば接種する人口の1%ですから、1か月で、3割の人が接種済みというスピードです。
しかし首相発言では、残念ながら1日100万回に見合うワクチン入荷の説明はありませんでした。

経験からいろいろ学んだはずなのに、これもまた腰だめ、思い付きの、単なる希望的な「目標」なのでしょうか。
そういえば、先日、日経平均が3万円を超えたとき、「目標の、目標の、また目標だった」と他人事の様な喜び方でした。(いつかは3万円を超えるでしょうが)その後株価は低迷です。

総理大臣は評論家ではありません。日本中の出来事に何等かの責任感をもって行動すべき日本社会の統括者です。
本人が確信を持っていて、国民が聞いて「そうか解った」と腑に落ちるような発言だけをお願いしたいと思います。