1日100万回は腰だめだった
先日、菅総理がワクチン接種1日100万回を目指すと発言され、多くの人は、一寸無理だけど、一国の総理が言うのだからそれなりの根拠があるのではないかと好意的に解釈しようとする人も多かったようです。
しかし、現実にそれを実行する地方自治体の意見が明らかになるにつれて、とても無理という意見が多いことが明らかになって来たようです。
結果的には、100万回というのは予約電話の回数ではないかといった冗談がでるような状態で、菅総理の発言はデータを取っての話ではなく、単に腰だめの「出来ればいいな」の目標値ということが明らかになってしまいました。
このブログでは、何はともあれ、ワクチンの確保が可能かという視点から見ていましたが、たとえワクチンの確保が出来ても、それだけの回数の接種をする物的・人的インフラがないということが問題になるという現実が明らかな以なったわけです。
首相官邸発表の数字を見ますと、1日の最大接種回数は医療従事者で5月6日の33万回、高齢者で5月12日の8万9千回にすぎません。
医療従事者の場合は当然効率的でしょうし、高齢者の場合は多分効率は悪いでしょう。
実は今日、私自身の第1回の接種日(85歳以上)で、行ってきましたが、半分以上が杖を突いた人、病院は午後は一般患者は原則受け付けないようで、総出で大変親切に高齢者のワクチン接種に忙しく立ち回っておられました。
ここまで辿り着くのも大変で、予約を入れるのにも電話の予約サイトはずっと話し中で、PCでサイトのアドレスを入れましたら、まず最初に出てきたのが 「検索項目を入力(選択)して手続きを選択してください」 という項目で [手続き名] と書いた入力スペースがありました。
<絞り込みで検索する>、<五十音で探す> とありますが、手続きという意味が解らず、どちらでやっても病院の名前が出てくるだけです。
結局、繰り返しているうちに解ったのは、「手続き名」 というのは、「希望の病院名」 という事で、そこをクリックすると何月何日何時が空いているということが解るという仕掛けでした。
申し込む方も大変な手間ですが、接種するほうも、一般患者に犠牲を強いながら、コロナワクチン優先を相当徹底しない限り、とても100万回は無理という実情を見たような気がしました。
一国総理の発言は重いのです。一旦総理大臣になったら、その発言は今までとは全く違う重さを持つことを心と脳裏に刻んで、国民に信頼される内容を言葉として言ってほしいと強う思うところです。