tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政治と学術の関係の矮小化を憂う

2021年05月21日 10時19分30秒 | 文化社会
政治と学術の関係の矮小化を憂う
 菅内閣になって、最初の混乱は、日本学術会議メンバーの候補者の中の6人が任命を拒否されたことだったように思います。

 菅総理は「私の判断で決めた」と言いましたが、理由の説明もないので、何か奇妙な違和感を感じた人は多かったのではないでしょうか。

 後からいろいろ情報が入ってきて、総理は候補者名簿を見ていなかったとか、以前から安倍前総理が、候補者をその通り任命するのは良くないと言っていたとか、外された6人は安倍さんと違った意見の持ち主のようだとか、真相は「藪の中」のようになって、そのまま学術会議の在り方を見直すということになっていったようです。

 そのためのの会議は始まって、学術会議の予算(年10億円ほど)を削るとか、政府から独立にするとか、人数を減らせとかいろいろ議論はあるようですが、「政治と学術の関係」はどうあるべきかといった最も大事な問題が議論されている様子はありません。

 卑近な例ですが、今回の新型コロナ問題で、結局は専門家の意見を重視するようになりましたが、政治家だけで突っ走ったらどうなったでしょうか、そら恐ろしいことです。

 政治は形而下の実務で、学術は形而上の理論だから、形而上の理論など役に立たないというのは、独裁者にありがちな傾向です。
 古くは秦の始皇帝の焚書坑儒、近くは中国の文化大革命、カンボジアのポルポト政権の知識人殺戮の例などが思い出されます。

 物騒な例ばかり挙げましたが、学術を蔑ろにすると国は乱れることは歴史が示していると言う事でしょう。

 日本では千数百年前に、聖徳太子が、そうした政治の思い上がりを抑止す
るために十七条の憲法を定めています。

 第一条 和を以て貴しとなす はあまりにも有名ですが、第二条 篤く三宝を敬え の三宝(仏法僧)はまさに当時の学術の世界でしょう。
 
 国が、学術会議を置いているという事は、そこかラ、あらゆる専門分野の研究成果を吸い上げ、国民の優れた知恵の結晶を、政治という形而下の活動の場に生かそうという心構えを示したものでしょう。

 政治が学術を尊重するという姿勢をいかなる形で持つべきか、政治と学術の関係をいかなる方式にすることがより良い政治のために必要なのか、といったことが、最も基本的で重要な問題なのでしょう。

 そうした本質的な問題を政治家と学者専門家が徹底して議論し合意することがまず 必要なのでしょうが、本質論はそっちのけで、形式や手続き問題に矮小化して論じてみても、恐らく、わだかまりだけが残って、実のあるものににはならないと考えるのが自然ではないでしょうか。

 現状は、国民が、はらはらしながら、見守っているという状態ではないでしょうか。  
 

政府、ワクチン政策大転換へ!

2021年05月21日 10時19分30秒 | 政治
政府、ワクチン政策大転換へ!
 本論に入る前に・・、イスラエルとハマスの停戦、本当に良かったですね。みんな喜んでいるのに、戦争をしたい人は誰なんでしょうね。

 所で本論に入りますが、日本政府は、ワクチンについての政策を大転換するとのことです。
 すでにNHKが報じていますが、菅政権は、日本を世界トップレベルのワクチン開発拠点にすることを決めるようです。

 今回の新型コロナ問題で、ワクチンについては頭から海外依存しか考えていなかった(らしい)ことを、多くの人達から批判され、現実に海外製薬企業に振り回されたからでしょうか、世界最低レベルのワクチン接種率からなかなか脱出できない状態に甘んじたことが、政権に大打撃という失敗の反省でしょうか。

 NHKによれば、政府の提言案には「ワクチンを国内で開発・生産出来る力を持つことは、国民の健康保持への寄与はもとより、外交や安全保障の観点からも極めて重要だ」としているとのことです。

 今まで、そんな当たり前のことを考えていなかったのかとまた批判されそうですが、いずれにしても「誤って改むるに憚ること勿れ」という諺もありますから、これはいい事でしょう。

 しかも世界中、誰が考えても、やる気になれば日本ならば出来ることだと考えるでしょうから、今まで全く手を抜いていたことの方が驚きという意見すらあるようですが、これから政府が本気になってやるというのですから、これからはそちらを見守ることこそが大事です。

 折しも、6月にはオンラインで、世界ワクチン・サミットが行われるという事で、そこで日本は、総理と外務大臣が出席、新しい方針を世界に示したいという事ですから、国民としても、政府のこれからの政策の実行を「注意深く見守る」様にしたいものです。

 提言は具体的な中身、拠点の設置、資金調達、研究システム、テスト、治験など具体的の問題まで触れているようなので、単なる選挙向けスローガンではなく、「国民の生命と生活を守る」本格的な取組と理解し、発言は実行されると国民がそろって確信することが大事ではないかと思うところです。