tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

3本目の矢、狙う相手は誰か

2013年03月04日 14時18分46秒 | 経済
3本目の矢、狙う相手は誰か
 安倍政権の放つ3本目の矢、日本経済を成長路線に乗せるための施策、その相手は、当然、まず日本国民でしょう。デフレ不況に呻吟してきた日本の企業と労働者が成長経済復帰の手応えを感じてもらう。これが出来れば素晴らしいと思います。
 そして、その成果で、世界中に経済大国日本の存在感をもう一度知らしめる。

 本来なら、それで十分なのでしょう。しかし、私には、もう1人相手がいるような気がするのです。それは国際投機資本です。その実体は良く解りません。名高い巨大投資銀行なのか、ヘッジファンドなのか、もっと陰の存在なのか、それともそれにくっつく無数の投資顧問組織や投資家なのか。さらに格付け会社の役割はなんなのか。などなど。

 それはともかく、その国際投機資本を相手にしなければならないことは明らかです。
 今現在でも、日本を売ろうという国際投機資本と、買おうという国際投機資本がいるようで、後者が強ければ、「何かあれば円高」という事でしょう。

 私自身、「こんなことは経済学でも経済政策でも何でもない」と思っています。口先介入などという「経済政策?」も含めて、投機資本(ギャンブラー)との駆け引きでしかないでしょう。しかし「それに成功しないと、一国経済がまともに動かない」というのが、今の世界経済の現実なのです。まさに「こんな世界経済システムに誰がした。」という所です。
 これが今の世界経済を考える上で一番大事な問題です。(沈思・熟考して下さい)

 ということで、ここからはまともな経済政策の話です。何にしても成長率を高めなければなりません。これには私は割合楽観的です。日本企業は、円安で取り返した名目所得を、この円安は安定的に続くと解れば、「インフレにせず。実質経済成長になるよう」ベストに近い努力をするでしょう。労働組合も「賃上げ→インフレ」は選択しないでしょう。雇用増、雇用の中身の改善、実質経済成長そして、成長(生産性向上)に伴う賃金上昇という賢明な路線を選択するでしょう。

 (たとえば、アメリカは、プラザ合意で、日本からもらった名目付加価値のかなりの部分をインフレにしてしまっている様子が、アメリカの消費者物価の上昇状況に見えているように思います)

 その際、成長率を最大に持って行くために、折角増えたGDPを「使い残さないように」することです。使い残しとは「経常黒字」の事ですが、この分は日本経済の成長に生きてきません。例えば経常黒字5兆円を使い切れば、GDPは5兆円増えます。プラス1パーセントの経済成長を生みます。(来年度の政府経済見通しでは1兆円です。それならまあOK)

 これは、単に経済成長率を高めるだけでなく、国際投機資本に対して、「もう日本は万年経常黒字国ではない」というメッセージを発することになり、「何かあれば円買い」という彼らのビヘイビアを変えさせるのに効果がある「はず」です。

 ではそのために何が必要でしょうか。