tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アベノミクスの成功見届けとその後の対応

2013年03月08日 11時40分50秒 | 経済
アベノミクスの成功見届けとその後の対応
 緒戦成功のアベノミクスですが、最終的に成功かどうかを判断するまでには、まだかなりの時間を要するということがお解り頂けたかと思います。
 例えて言えば、「いざなぎ越え」に入った時(2002年)これでやっと日本も失われた10年脱出と思えたのですが、6年後、サブプライム・リーマンショックで、また円高を押し付けられ、日本経済の苦難は続きました。その後ユーロ問題でまた円高・・・・・。

 此の「円高の繰り返し」の心配がなくなった時、初めて、アベノミクスは成功という判断が可能になるという事でしょう。
 tnlabo’s blog では、前回までの数回で、そこへ行きつくまでのシナリオを提示してみたわけです。

 一部に存在する「円暴落、ハイパーインフレ、国債紙屑」という予言はその後の問題でしょう。あるいはその途中から「心配する人も出て来る」という問題でしょうか。
 tnlabo’s blogは日本の場合、そうした可能性はほとんどない、と考えますし、そこまでにはまだ十分の時間があると考えますが、そうならないためには何が必要かといった問題も、最後に取り上げておきましょう。

 そうした事態が起きるためには、先ず、日本のソブリンリスクが問題にならなければなりません。日本経済自体に経常黒字がなくなり国内で国債が引き受けられなくなる、という事態です。円高を避けるためにはそこまで行っても構わない、と述べてきましたがそこまで行ったら、どこで引き締め政策、増税政策をとるかのタイミングは、国際投機資本との腹の探り合いを巧みにやる必要があると思います。

 政府・日銀がタイミングを誤らなければ、日本国民は、もともと反政府のデモや投石、暴動、略奪などはしませんから、国際信用を一挙に失う様なこと起きないでしょう。
 日本国債は95パーセント程は日本人が持っているのですから、政府が「皆さんの財産は心配ない」と保障すれば、大きな問題にはなりません。

 ヘッジファンドが空売りしようとしても、naked short-sellingは国際機関も反対ですし, 規制も可能、日本人が提灯をつけなければ、多分無力でしょう。

 残る問題は、日本経済自体が、インフレスパイラルを起こして、赤字が増大し、財政破綻ソブリンリスク深刻化に至るかという問題です。

 インフレスパイラルは、正確には「インフレと賃上げのスパイラル」です。これは連合に聞いてみないと解りませんが、多分連合は責任を持って、そんなことはしないと答えてくれるでしょう。

 そうなる前に、かなりの円安が進み、日本企業は国際競争力を回復して、春闘も正常化しているでしょうから、日本の経営者がよほど悪い経営者になっていない限り、大丈夫だと思います。

 多分に楽観的ですが、必要な時にはきちんと節度を守る日本人のビヘイビアを前提に考えれば、こうなります。