司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

改正相続法と平成31年税制改正

2018-12-10 17:20:14 | 民法改正
 週刊T&A master 2018年12月10日号によると,

「配偶者居住権の設定の登記については1000分の2の登録免許税が課されることになる」

「特別寄与料の税務上の取扱いについては,所得税の対象(雑所得等)になるのではといった見解があったものの,遺贈により取得したものとみなし,相続税の課税対象とすることとしている。その一方,特別寄与料についてはこれを支払う相続人の課税価格から控除することになる」(上掲記事)

ということである。

 いずれも穏当なところであろう。

 前者については,日司連からも税制改正要望を提出していたものである。
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合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合の実質的支配者(補遺)

2018-12-10 11:51:46 | 会社法(改正商法等)
 若干追記しました(平成30年12月11日13:11)。



ほくらoffice(文京公証役場の公証人)
https://www.hokura-office.com/

「発起人合同会社が議決権100%を保有する株式会社を設立するとき,合同会社の議決権50%超を保有する自然人が実質的支配者。それがいなければ設立会社に支配的影響を有する自然人,それもいなければ設立会社の設立時代表取締役が実質的支配者となるのです。」(上掲HP)


 発起人が株式会社である場合の間接保有については,次のとおりである。

※ 直接保有 自然人が発起人となり,出資して株式を保有すること。
※ 間接保有 自然人の支配法人(当該自然人が50%を超える議決権を有する法人)が発起人となり,設立する株式会社に出資して株式を保有すること。

cf. 平成30年12月8日付け「実質的支配者の考え方~発起人が株式会社である場合の間接保有」

 合同会社は,資本多数決法人以外の法人であるので,合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合,上記の「間接保有」の理は,当てはまらない。
※【追記1】通常は,「当てはまらない」でよいが,定款の別段の定め(会社法第590条第2項)によって,議決権に関する定めを設け,資本多数決法人と類似の運営をすることができる。この場合には,「合同会社の議決権50%超を保有する社員」があり得ることになり,「間接保有」の理により,当該社員が実質的支配者に該当することになる。なお,この場合であっても,合同会社は,犯収法上の資本多数決法人に該当するわけではなく(犯収法第11条第2項第1号括弧書),あくまで「支配法人」を通じた間接保有を検討するときの「支配法人」(同条第3項第2号)に該当する場合があり得る,ということである。


 ただし,社員の数によって,場合分けをして考えてみると,

(1)合同会社の社員が複数である場合
 合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合に,当該合同会社の社員(自然人)が複数であるときは,当該社員が,設立する株式会社の議決権を間接保有することは,上記のとおりあり得ない。
※【追記2】 追記1の例外を除く。

 したがって,この場合の設立する株式会社の実質的支配者については,「出資,融資,取引その他の関係を通じて,当該株式会社の事業活動に支配的な影響力を有する自然人」の存否を判断することとなり,発起人である合同会社の実質的支配者に該当する者がこれに当たる可能性が高いと思われる(もちろん,第三者がこれに当たることもあり得る。)。

cf. 平成30年12月5日付け「合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合の実質的支配者」


(2)合同会社の社員が1名である場合
 合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合に,当該合同会社の社員(自然人)が1名であるときは・・・逆に,当該社員が,設立する株式会社の議決権を間接保有すると考えないと,合理的でないように思われる。

 したがって,この場合の設立する株式会社の実質的支配者については,発起人である合同会社の社員(自然人)が「設立する株式会社の議決権の総数の50%を超える議決権を直接又は間接に有する自然人となるべき者」に当たるものと考えられる。


 いろいろ考える必要があり,難しいですね。
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「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案」

2018-12-10 10:43:28 | 労働問題
「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495180272&Mode=0

Ⅰ 改正の趣旨
○ 労働基準法(昭和22年法律第49号)第75条第1項においては、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合には、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならないこととされており、同条第2項においては、業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定めることとされているところ、このうち、業務上の疾病の範囲については、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「労基則」という。)別表第1の2において具体的に定められている。

○ 業務上の疾病の範囲については、新たな医学的知見の公表等の状況、労働災害の発生状況等を踏まえ、平成30年10月から、「労働基準法施行規則第35条専門検討会」において検討を行い、11月22日に「労働基準法施行規則第35条専門検討会報告書」がとりまとめられたことから、当該報告書を踏まえ、労基則別表第1の2について所要の改正を行う。

Ⅱ 改正の内容
 労基則別表第1の2の疾病に「オルト―トルイジンにさらされる業務による膀胱ぼうこうがん」を追加する。

 平成31年3月下旬頃に施行の予定。

cf. 化学工場で膀胱がん、20人に…労災認定議論へ(福井県福井市)
http://itetama.jp/blog-entry-695.html
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新たな定款認証制度における「申告受理証明書」

2018-12-10 09:54:11 | 会社法(改正商法等)
ほくらoffice(文京公証役場の公証人)
https://www.hokura-office.com/

「申告受理及び認証証明書とは,申告受理証明のほか,同一の情報の提供(書面)には,嘱託人が実質的支配者として特定の者を申告し暴力団員等ではない旨申告した旨記載されないので,同事実を証明するため作られた証明書です。なお,電磁的記録には上記事項が表示されています。」(上掲HP)


「同一の情報の提供(書面)には,嘱託人が実質的支配者として特定の者を申告し暴力団員等ではない旨申告した旨記載されない」・・・意外な盲点でしたね。
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産業革新投資機構の取締役全員が辞任へ

2018-12-10 09:41:33 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38727040Z01C18A2000000/

 後任者が決まらないと,権利義務承継の事態に。
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遺言執行者とは

2018-12-10 09:38:30 | 民法改正
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38670550X01C18A2PPD000/

 相続法改正による変更点を踏まえて,遺言執行者の権限についてまとめられている。
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起業から1年で6割の会社が倒産?

2018-12-10 08:20:49 | 会社法(改正商法等)
幻冬舎GOLD ONLINE
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181207-00018811-gonline-bus_all

「会社生存率に関する中小企業庁のデータを見ると、創業から1年後に約3割の会社・個人事業主が廃業するといわれています。また、3~5年間のスパンで見ても、生き残っているのは全体の40~60%。数年内で約半分の会社が撤退を余儀なくされている」(上掲記事)

 創業期の資金繰りのために「融資獲得」を説く記事であるが・・。

 全ての起業がうまく行くものでもない,というより,大半は10年以内に撤退する現実も直視する必要があるであろう。

cf. 平成30年3月21日付け「ご存知でしたか?3割以上が1年で廃業しています」
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