少し前のサンデーモーニング(TBS)で寺島実郎氏がアメリカのシリコンバレーバンク破綻についてコメントしていたが、これについて数量政策学者の高橋洋一氏の解説を基調に記してゆく。
高橋氏から見る限り、「凄い解説(=とんでも解説)」だった、とのこと。
サンモニの番組を見る限り、目線を下に落とし、原稿(ノート)を読みながら喋っているのがありありと判った。
高橋氏は寺島氏のバックグラウンドも含めてある程度知っているとのことで、それによると、1982~3年頃、高橋氏が大蔵省の役人であった頃に「幅広い意見の聴取」というプロジェクトに駆り出されて、そこで最初に出会ったそうだ。
その当時の寺島氏は三井物産の所属でワシントンに行っており、アメリカ議会に対するロビー活動をやっている人だったそうだ。そのおかけか、アメリカの色々な情報を持っていたそうである。その時代から寺島氏のバックグラウンドについての印象を持っていた。
バックグラウンドとしては色々なロビー活動をする方だったので、当然ながらタイプとしては「分析系ではない」と見ていた。どちらかと言えば「思想系」を思わせる感じの方だったと思ったそうだ。
思想系の人となると、昔はなかなかの有識者としてマスメディア等では重宝されていた方であった。
だから、だ。
今回のような「金融危機の話」などを分析的に思考出来る人ではなかったのである、以前から。なので、高橋氏には彼が何を話すかおおよそ分かっていたのである。いわく、「資本主義はけしからん」「デリバティブがあってけしからん」など、そのような傾向の言い方をするのだ。
なぜか。
経済・金融を全然理解出来ていないからである。
大体において、金融系の話で「資本主義がけしからん」とか「儲け主義だー」とか「デリバティブがけしからん」と主張するのは、そもそも議論の中身が理解できない人が言う定番の台詞なのである。寺島実郎氏は典型的なそっち方向の方である、ということだ。
寺島氏が批判する「シリコンバレーバンク」の話というのは、非常に古典的な金利リスクの管理ミスというパターンなのである。
ポイントはSDGsとか環境などという変な名目を付けて長期債投資をしてしまった、というのが大間違いだった、ということなので、今のこういう時代だから預金流出なんかすごく速い。預金流出が速い時に長期債投資なんかしてしまって、それを売却せざるを得なくなったら売却損が沢山出てしまう、という典型的なパターンなのである。
そういう意味では高橋氏から見れば「デリバティブも何もない」訳で、「SDGsと環境か何かを口実として長期債投資をやってしまった…」というだけの話なのである。
・・・であるにも関わらず、寺島実郎氏は「資本主義がどうのこうの」「デリバティブがどうのこうの」と、そんな解説しているから、サンモニ(サンデーモーニング)は環境やSDGsの話は出来ないのかな、と思ったのである。元々そちら方面を推している番組であるにも関わらず、シリコンバレーバンクの話になったら「金利リスクを無視したSDGs環境投資」というのが典型的なのであり、それを言えばいいのにも関わらず、寺島氏はそれを言わないのだ。
繰り返すが「デリバティブ」も何もないのである。だいたいこの手の話は環境系の人々にとっては小難しい債権などは少ないので、デリバティブが絡んでいる事などほとんど無いのである。そもそも事実として左派系が扱うのに金融の小難しい話になったら「そりゃ無理」というものである。
金融の界隈で「プレーンバニラ」という言葉がある。プレーンなので何もついていないソフトクリームといった意味である。何も付加されていない単純な商品…といった意味である。SDGs界隈(左派界隈でもある)は正直なところ、そのようなものしか理解(把握)できないのが実情だ。
SVBの件、本当は「リスク管理を無視して突っ込んだ」だけ、の話である。そのようなカモフラージュしてやってしまった、というのが実態だ。・・・これがシリコンバレーバンクの話である。
寺島氏はそういう「本当の事」を言わないで、何を言っているのか本人もおそらく分かってないから下(原稿があるデスク)を見ながら(読みながら)喋っていたのであろう。高橋氏から見て、「あれは本当に情けない」ということである。恐らくだが、原稿も本人ではなくスタッフが準備したものであろう、と高橋氏は見ている。
高橋氏による「専門家の定義」とは「専門家たるもの、いつ何時聞かれても、何も原稿なしできちんと喋れること」である。3分くらいなら喋れる人もいるが、それはただ原稿を覚えただけのアナウンサーと同じである。何かの案件について、1時間でも3時間でも喋れるのが専門家、ということだ。自分の専門分野について何も資料も無しでそのままいくらでも喋れるのが専門家なのだ。
そう考えると、寺島実郎氏がやっていたのは原稿を読むアナウンサーと同じレベルである。本人は何も理解していないのだ。
テレビ番組で色々なコメンテーターが喋るのを見て、下を見ながら(原稿を読みながら)喋っている人は信用してはいけない。何も分かっていない人が文章読んでるだけだからである。
上述のように、寺島実郎氏は左派系(*1)で思想系の人物であり、そもそも金融のようなテクニカルな話は苦手である場合が多い。従って、最終的に(論旨を逸して)話を思想系の方へ持っていって結論付けるのが常套手段なのである。本当のテクニカルで且つ知識が必要なものは思想系の人間には出来ない・・・今回はそんな姿を寺島氏は見せてしまった、ということであろう。
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(*1)
左派系だから「サンデーモーニング」に出演しているのである。あの番組は極左姿勢を持つコメンテーターしか出演できない番組であり、放送に政治的公平を求める放送法第4条に真っ向から違反(現行犯)している番組だ。TBS(東京放送)がまともな報道機関ではなく左翼の情報工作機関であることがよく分かる番組である。
☆
高橋氏から見る限り、「凄い解説(=とんでも解説)」だった、とのこと。
サンモニの番組を見る限り、目線を下に落とし、原稿(ノート)を読みながら喋っているのがありありと判った。
高橋氏は寺島氏のバックグラウンドも含めてある程度知っているとのことで、それによると、1982~3年頃、高橋氏が大蔵省の役人であった頃に「幅広い意見の聴取」というプロジェクトに駆り出されて、そこで最初に出会ったそうだ。
その当時の寺島氏は三井物産の所属でワシントンに行っており、アメリカ議会に対するロビー活動をやっている人だったそうだ。そのおかけか、アメリカの色々な情報を持っていたそうである。その時代から寺島氏のバックグラウンドについての印象を持っていた。
バックグラウンドとしては色々なロビー活動をする方だったので、当然ながらタイプとしては「分析系ではない」と見ていた。どちらかと言えば「思想系」を思わせる感じの方だったと思ったそうだ。
思想系の人となると、昔はなかなかの有識者としてマスメディア等では重宝されていた方であった。
だから、だ。
今回のような「金融危機の話」などを分析的に思考出来る人ではなかったのである、以前から。なので、高橋氏には彼が何を話すかおおよそ分かっていたのである。いわく、「資本主義はけしからん」「デリバティブがあってけしからん」など、そのような傾向の言い方をするのだ。
なぜか。
経済・金融を全然理解出来ていないからである。
大体において、金融系の話で「資本主義がけしからん」とか「儲け主義だー」とか「デリバティブがけしからん」と主張するのは、そもそも議論の中身が理解できない人が言う定番の台詞なのである。寺島実郎氏は典型的なそっち方向の方である、ということだ。
寺島氏が批判する「シリコンバレーバンク」の話というのは、非常に古典的な金利リスクの管理ミスというパターンなのである。
ポイントはSDGsとか環境などという変な名目を付けて長期債投資をしてしまった、というのが大間違いだった、ということなので、今のこういう時代だから預金流出なんかすごく速い。預金流出が速い時に長期債投資なんかしてしまって、それを売却せざるを得なくなったら売却損が沢山出てしまう、という典型的なパターンなのである。
そういう意味では高橋氏から見れば「デリバティブも何もない」訳で、「SDGsと環境か何かを口実として長期債投資をやってしまった…」というだけの話なのである。
・・・であるにも関わらず、寺島実郎氏は「資本主義がどうのこうの」「デリバティブがどうのこうの」と、そんな解説しているから、サンモニ(サンデーモーニング)は環境やSDGsの話は出来ないのかな、と思ったのである。元々そちら方面を推している番組であるにも関わらず、シリコンバレーバンクの話になったら「金利リスクを無視したSDGs環境投資」というのが典型的なのであり、それを言えばいいのにも関わらず、寺島氏はそれを言わないのだ。
繰り返すが「デリバティブ」も何もないのである。だいたいこの手の話は環境系の人々にとっては小難しい債権などは少ないので、デリバティブが絡んでいる事などほとんど無いのである。そもそも事実として左派系が扱うのに金融の小難しい話になったら「そりゃ無理」というものである。
金融の界隈で「プレーンバニラ」という言葉がある。プレーンなので何もついていないソフトクリームといった意味である。何も付加されていない単純な商品…といった意味である。SDGs界隈(左派界隈でもある)は正直なところ、そのようなものしか理解(把握)できないのが実情だ。
SVBの件、本当は「リスク管理を無視して突っ込んだ」だけ、の話である。そのようなカモフラージュしてやってしまった、というのが実態だ。・・・これがシリコンバレーバンクの話である。
寺島氏はそういう「本当の事」を言わないで、何を言っているのか本人もおそらく分かってないから下(原稿があるデスク)を見ながら(読みながら)喋っていたのであろう。高橋氏から見て、「あれは本当に情けない」ということである。恐らくだが、原稿も本人ではなくスタッフが準備したものであろう、と高橋氏は見ている。
高橋氏による「専門家の定義」とは「専門家たるもの、いつ何時聞かれても、何も原稿なしできちんと喋れること」である。3分くらいなら喋れる人もいるが、それはただ原稿を覚えただけのアナウンサーと同じである。何かの案件について、1時間でも3時間でも喋れるのが専門家、ということだ。自分の専門分野について何も資料も無しでそのままいくらでも喋れるのが専門家なのだ。
そう考えると、寺島実郎氏がやっていたのは原稿を読むアナウンサーと同じレベルである。本人は何も理解していないのだ。
テレビ番組で色々なコメンテーターが喋るのを見て、下を見ながら(原稿を読みながら)喋っている人は信用してはいけない。何も分かっていない人が文章読んでるだけだからである。
上述のように、寺島実郎氏は左派系(*1)で思想系の人物であり、そもそも金融のようなテクニカルな話は苦手である場合が多い。従って、最終的に(論旨を逸して)話を思想系の方へ持っていって結論付けるのが常套手段なのである。本当のテクニカルで且つ知識が必要なものは思想系の人間には出来ない・・・今回はそんな姿を寺島氏は見せてしまった、ということであろう。
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(*1)
左派系だから「サンデーモーニング」に出演しているのである。あの番組は極左姿勢を持つコメンテーターしか出演できない番組であり、放送に政治的公平を求める放送法第4条に真っ向から違反(現行犯)している番組だ。TBS(東京放送)がまともな報道機関ではなく左翼の情報工作機関であることがよく分かる番組である。
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