Altered Notes

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中高年男性否定を躊躇しない現代女性社会

2023-05-20 03:27:00 | 社会・政治
「散歩するアンドロイド」という若年層女性が運営している旅系YouTubeチャンネルの近作を視聴したところ、「おじさん」に否定的感情を平然と投げつけるナレーションが入って(*1)おり、若年層女性の中高年男性に対する生理的嫌悪感の(想像以上の)強さを知って喫驚している。この事例を挙げたのは、これが珍しいことではなく、社会のあちこちで普通に見られる現象になりつつあるからである。しかも、「おじさん」属性を持つ人々に嫌悪感をぶつける事に何の躊躇もなく、おじさんは否定されて当たり前、おじさんは嫌い、おじさんは悲しい存在…といった中高年男性に対する見下し、蔑視感情や差別意識が明白に見られる点で異常であり看過できない状況であると認識している。

こうした社会の実態に呼応するかのように、独身研究家の荒川和久氏執筆の下記の記事がリリースされた。

『40代独身男性の婚活→「身の程知らずだ」「キモい」と非難殺到…。なぜ〈独身中年男性〉ばかりやたらと叩かれるのか?【独身研究家が解説】』

記事中に出てくる「生贄」というワードは象徴的である。人間の原初的な特質として、都合が悪い事を「誰かのせいにしたがる」性質があるのは確かである。

スイスの深層心理学者であるカール・G・ユングはそうした人間の性質(心の中に潜む要素)を「影(シャドウ)」と呼んだ。深層心理学における「影」とは「自分が生きられなかった半面」である。それは「意識(自我)が否定した要素」でもある。極めて平易に説明すれば、殺人を犯す人間が居たとしたら、そいつは「多くの人が全否定するような人物」であろうし、「自分が生きてない半面」としての「影」としての存在なのである。このように、一般的な現象として、人間は嫌いな奴に(無意識的に)「影」の役割を投影したがるのである。

厄介なのは、「影」を投影されてしまうと、たとえその人に何の落ち度がなくても社会から排除しようとする傾向が出てくることである。人間の無意識は「影」を排除し殲滅しようとする、そのような機能を持っており、それは自分の意思(意識)とは関係なく動いてしまうのだ。世の中にはびこるイジメの問題もここに関係していることは言うまでもない。

荒川氏の記事中では「敵」をグループの外に作って攻撃することでグループ内の結束を高めるという特質が記されていたが、これは中国や北朝鮮、ロシアといった好戦的で常に他国の領土を武力で奪い取ろうとしている専制国家の発想と同じであることに注目して頂きたい。そこの心理的な動きは全く同じである。

ともあれ、現代一般社会の人々、特に女性一般の皆さんは男性一般に対して、この「影」を投影しており、その事に全く無意識である。当然の事として「女尊男卑」の価値観で見下しているのだし、中でも「おじさん」と呼ばれる中高年男性には無意識に「影」の投影が為されているのである。だからあれだけ「おじさん」が嫌いなのだ、彼女たちは。嫌いどころか、中高年男性の存在を全否定する勢いで嫌悪感をぶつけてくる事に躊躇が無い。

人間、影を投影した存在には日々憎しみが深まっていくことで、特別に容赦のない蔑視感情を持ち、社会から排除・抹殺しようと試みるのである。女性一般の多くにそうした傾向が大なり小なり認められる昨今である。

このように書いてくると、現代社会の精神のあり方は相当なまでに狂気の方向に捻じ曲がっているかのように感じられるが、実際その通りなのである。

全く無実の男性が普通に街を歩いているだけで「不審者扱い」されるのは今や当たり前のことになってしまっている。(*2) そうした事象の背景・源流がここにあるのだ。

確かに歴史を振り返れば、社会の色々な場面で男女不平等であった時代は長かった。その反動で仕返しするかの如く、現代の女性一般は男性に対して執拗で容赦ない攻撃をし続けており、それで誰が傷つき潰れようが死に追い詰められようが知ったことではないかのようにやり続けているのである。(*3)

「男女平等」は大切な概念だが、現代女性は「女尊男卑」=「男女平等」と勘違いしているようにも思える。しかもそのことに無意識なので始末が悪い。

現代は男性不遇の時代であり、男性が憲法で保証された人権を享受できない(憲法違反の常態化)事が当たり前の酷い時代となってしまっているのである。




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(*1)
ほとんどヘイトスピーチ並の酷さであった。しかもナレーション以外にコメント欄でこのチャンネル主は「(おじさんという属性について)普通に考えて悲しいじゃないですか」と中高年男性を根本的に哀れな存在として認識している事実を自ら暴露しているのである。しかも驚いたことにその「普通」とは何なのか、「なぜ悲しいのか」の説明ができないのだ。それはつまり価値判断が無意識内で行われている事を意味しており、そのことについて意識化できていないからである。或いはマスメディアが恒常的に行っている「おじさん」を貶めるような番組を見聞している内に無意識内にそうした価値観が植えつけられてしまったか・・・。
もとより、彼女自身よりも人生経験が豊富な先輩に対してリスペクトの欠片も無い点で、今の若年層が常識も礼儀も持っていない事が判る。
こうした諸々の事実から今の若年層は(かつて流行した言葉である)「新人類」どころではない「正体不明な新種の生き物」のように感じられるのである。

(*2)
極めて異常な事態だが、しかしその原因となる「女性や子供に犯罪行為を仕出かす馬鹿野郎な男たち」が存在しているのも事実であり、女性や子供側の警戒心には一定の理解は持てる。こうした大馬鹿な男たちの存在には非常に強い憤りを持っている。彼らのおかげで全く無実である男性たちまでもがとばっちりを受けて不審者や犯罪者扱いされているのである。
また、保護猫や保護犬の譲渡会では中高年男性への譲渡に限って極度に条件が厳しくなっており、事実上、おじさん(中高年層)には犬猫は譲渡されないのである。これもまた、現代社会の歪の一つと言えよう。

(*3)
仕返しという観念に囚われて攻撃することばかり考えているなら、そのバトルは永久に終わらないであろう。そうした低次元な争いから脱却した新しい次元で考え行動しなければ未来は開かれない。だが、女性一般の中にそこまで考えられる聡明な人物はなかなかいない。