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中国のTPP加入はそもそも矛盾がある

2021-09-27 12:26:26 | 国際
2021年9月16日に中国が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加盟申請をした。これは矛盾を含んだアクションであり、その意味で各方面にある種の驚きを与えている。

平易に説明する。

TPPには加盟条件があるのだが、この条件を中国は満たしてない。

なぜか。

共産主義国だからである。共産主義独裁国家故の仕組みがTPPのルールに抵触しているのであり、そもそも中国にはTPPに加盟する資格が無い。従って「TPPに入りたい」というのは実は嘘であることが判るのだ。

どういうことか・・・以下に説明する。



TPPは「資本の自由化」が前提になる。ところが中国は権威主義国家であり、これの基本をなす実態として政府の生産手段はすべて国有という実態がある。

従って、中国がTPPに加入するならば国有化を放棄しなければならないことになる。これはすなわち共産党に依る支配のベースが崩壊する、ということだ。

だから、中国が「TPPに入りたい」というのはそもそも嘘であることが判るのである。前述の矛盾を乗り越えることは共産主義中国では不可能だからだ。

それでも「入りたい」と希望するならば、逆に中国に質すとよろしい。

「資本の自由化はOKですか?」

中国は口先では「OKだ」と返答するであろう。

なぜか。

とにかく中国はTPPの中に入ってしまいたいのだ。そして、加盟した途端に”ルールを中国流に変えてしまうつもり”だからである。嘘をつく事が昔から当たり前な中国であり、このくらいは当然のようにやるだろう。現在のTPPで日本の存在は大きいが、中国から見れば「日本なんて脅せばなんとでもなる」と考えているのであり、そのくらいの舐め切った態度でTPPの話をしているのが実態であると推定される。

逆に、TPPの加盟条件を真摯に守るつもりならば、それは共産党の基本を崩す事になるので「あり得ない」ということだ。本気で「入りたい」と言うのならば、「共産党が潰れますけけどいいですか?」と聞いて「いい」と言うのなら、「それでは共産党を潰してから来てください」とお願いする事になる。先に加盟させてしまうとTPPを中国流に変えられてしまうので、中国に対して先に加盟条件を整えてから来てくれ、と言えば良い。上述のように平気で嘘をつく中国だからこそ、ここは絶対に譲れないのだ。


だが、これは現実にはほとんど可能性がゼロの話だ。

ならば、現実的な対処法(断り方)はどうなるのか?


実は中国より先にイギリスが加盟申請しているので、まずイギリスを審査して加盟させるのである。TPPは新しい国が加盟申請する時には全ての加盟国の了承を得ないといけない仕組みになっている。

イギリスは中国の加盟に「YES」とは言わないであろう。だから、先にイギリスを加盟させれば良いのである。中国が「入りたい」と言っても「イギリスが駄目だと言っている」という理由で断ることは可能である。イギリスも核保有国の一つなので、イギリスに加盟してもらった方が安心であろう。


図々しい中国の「TPP加盟希望」はブラフどころか、「軒先貸して母屋を取られる」を地で行くものとなる。嘘つき上等な中国だ。加盟してしまえば国連演説などで「(嘘なのに)自分たちは自由主義だ」と宣う事ができるからだ。実態は世界最低の専制国家であるにも関わらず、である。


さらに中国の図々しさが現れているのが台湾のTPP加盟希望に反対するコメントを出している事だ。まだTPPに加盟すらしていないのに、既にTPP加盟国になったつもりで台湾の加盟に反対しているのだ。厚顔無恥にも程がある。狂気の中華思想(世界は中国のものである、という思想)をベースにすると、こんなみっともない態度を世界に晒してしまう、ということになるのである。



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