Altered Notes

Something New.

ロシアに見る好戦的国家に思う

2022-05-10 03:00:00 | 国際
人類は二度の世界大戦を経て、もうあのようなナンセンスかつ悲劇的なマネはしないだろうししてはいけない…と思っていた。だが、100年前と同じ愚を繰り返す馬鹿国家はなくならなかった。プーチン大統領率いるロシアは武力で他国の領土を奪い取るべくウクライナに侵攻した。ロシアと言うよりはプーチン大統領という愚かな独裁者の欲望故に、というのが正解であろう。ロシア国内の世論はプーチン大統領に肯定的な意見が多いように見えるが、これは独裁国家故の言論統制に依るものだ。独裁者の「御心」に沿わない声は暴力で潰されるしかないのが全体主義独裁国家の有り様だからである。現にロシアがウクライナ侵攻を開始した当初はモスクワはじめ各地でも反戦デモが行われて、国家のリーダーと一般国民の間に意見と価値観の著しい乖離が認められたのである。

こうした独裁者の権力欲を満たす為に行われる領土拡張目的の戦争はほとんどのケースで共産主義独裁国家から仕掛けられている。当ブログの過去記事でも記したように、戦争学という学問に依れば「民主主義国同士の不戦原理」というものがあり、戦争が起きるとすれば社会主義・共産主義の独裁国家から仕掛けられるケースがほとんどである。(*0) 戦争を仕掛ける側の独裁国家は突き詰めれば独裁者のとどまることを知らない権力欲求を満たす為に領土を拡張すべく他国を侵略し当然のように民族虐殺を行うのだ。

好戦的で版図の拡大しか頭にない権力者は常に己の権力欲を満たす事しか考えていない。その意味では独裁者の頭と心は存外幼くアルカイックなレベルにある、とも言えよう。21世紀のこの時代に未だに中華思想の呪縛から解放されずに「世界は中国のものだ」と本気で信じている習近平主席のような哀れな独裁者も現存している。

考えてみるまでもなく、日本の周囲でまともな民主主義国家と言ったら台湾くらいしかないのが実態であり、恐ろしい現実でもある。日本直近の3つの国家である中国・北朝鮮・ロシアは全て独裁国家であり、彼らの核兵器は常に日本を標的にしている。この現状はとんでもない状況である。韓国は一応は民主主義だが、体質として法治国家とは言えない実態を晒している「感情に支配された国」である。だから国家間の約束事も全て反故にして恥じることがない上に、大陸と陸続きであるが故に少し掘り下げれば中国にすり寄る子分体質も相変わらずだ。半島国家の宿命であろうか。

ロシアがウクライナ侵略を開始する前にロシア寄りのバイアスがかかったTVコメンテーター達は「ロシアが国境を超えて進行することはないですよ」と言っていた。その彼らはロシアが実際に侵略を開始した後でもロシア無罪の立場で必死にロシアの弁護を続けているようだ。(*1)その姿は自分の意思で弁護していると言うよりは、あたかも何かに急き立てられているように見えるし、人によっては背中に銃口を突きつけられているかのような切迫感すら感じる御仁も居る。

ウクライナ戦争はロシアの責任が十割である。はっきり言える。完全にロシアが悪い、と断言出来る。それはシンプルで判り易い論理で説明可能だ。

ウクライナ戦争が起きた唯一の理由はロシア軍が国境を超えて戦争を仕掛けてきたからである。
ウクライナ戦争が継続している唯一の理由はロシア軍が戦争を辞めずに続けているからである。

ロシア側では停戦がどうたらこうたらと御託を並べているが、要するにロシア軍が戦争を辞めて自国に引き上げればその途端に即停戦・即終戦なのである。それだけのことなのだ、本来は。

だが、プーチン大統領は狂気の夢想の中を彷徨っている愚かな権力者であり、ウクライナ侵略を開始・継続する屁理屈を相変わらず宣っている。対独戦勝記念日を前にしたプーチン大統領は旧ソ連諸国首脳やロシア国民に対して「人々に戦争の災禍をもたらしたナチズムの復活を許さない事が共通の義務だ」というメッセージを発している。ユダヤ系であるゼレンスキー大統領をネオナチと非難するナンセンスはもはや呆れるほどの狂気としか言いようがない。(*2)

我々日本が安穏としていられないのは、このプーチン大統領の一方的で根拠のない滅茶苦茶な戦争論理が日本に向けられる可能性が高い事である。ロシアはソ連だった時代にスターリンの命令で北海道を占領する野望を基に、実際に千島列島を南下して北海道占領を目指す部隊を投入していた。この時は樋口季一郎中将率いる日本軍部隊が必死に防戦してくれたおかげで日本は北海道を失わずに済んだのだが、ロシアは北方領土を返還する意思は1ミリもなく、それどころか北海道を領土に組み入れる野望を未だに捨てていないのである。それは先日のロシアのトルトネフ副首相に依る「北海道はロシアのもの」とした発言でも明らかであり、狂気に蝕まれた彼らは機会があれば必ず北海道を取りに来るであろう。

プーチン大統領がウクライナ侵略に際して滅茶苦茶な屁理屈を出してでも実際に攻撃を仕掛けたように、もしもロシアが日本(北海道)を侵略するなら「アイヌ民族は我がロシア系住民である。彼らの安全と権利を確保する為にロシアは日本を攻撃する」と言って侵略してくる可能性は非常に高い。滅茶苦茶な屁理屈だが、本当にこんな言いがかりを付けて侵攻してくる可能性がゼロではないからこそ、日本の防衛体制の充実を図る必要性が今まで以上に高まっているのだし、ウポポイ(アイヌ民族博物館)という施設を作って日本人の分断を図ろうとしている勢力がある事にも警戒の目を向けるべきだろう。彼らの動きは日本を内側から分断してロシアが日本侵略するのに都合の良い世論と状況を作ろうとしている…ように見える。


ウクライナの出来事は遠い他国の話ではない。ウクライナを侵略しているロシアは日本の隣国でもあるのだ。
今回のウクライナ戦争勃発に依って欧米各国は防衛予算を大きく増やしている。とても他人事には見えない出来事だからである。そんな中、日本だけが相変わらず防衛費を増やす事に躊躇して中国やロシアを喜ばせている。いざという時に同盟国であるアメリカは決して(すぐには)助けてくれないだろう。日本を守るためにアメリカの青年の血を流す気は彼らにはさらさらない。自分の国を自分で守る気がない国をどうしてアメリカが親のように守ってくれると思うのだろうか。





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(*0)
今現在、正に日本の領土を奪おうとしている中国は共産主義国家であり、ロシアも元々共産主義の総本山であり今でもプーチン大統領という絶対権力が君臨する全体主義独裁国家である。常に好戦的で隙きあらば領土を奪おうと虎視眈々と狙っている卑しい連中、それが彼らの実態だ。

(*1)
池上彰氏もウクライナ戦争が始める前は「ロシアが侵略するのはあり得ない」と言っていた。だが、その予想ははずれた。その池上氏が「ロシアが北海道を侵略するのはあり得ない」と宣っている。池上氏は根拠をあげて「あり得ない」と言うのだが、もはや池上解説自体が完全に信用と説得力を失っており、これを信じるのはテレビや新聞しか見ない情報弱者だけであろう。失笑ものである。

(*2)
そして、ロシアの蛮行を止めない限り、ロシアや中国は武力での現状変更を厭わないだろう。武力に依る現状変更は国際法違反の最たるものだが、そんなことは彼らには「そんなの関係ねぇ!」である。ここでロシアの好きにさせてしまったら、共産主義独裁国家はそれこそ地球希望で領土拡張の野望を解き放つであろうし、そうなったら文字通りこの世の終わり、だ。