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ミギワバエ科トゲミギワバエ属のマヨビキトゲミギワバエ Notiphila (Agrolimna) puncta de Meijere
標本個体は,菰野町田口の東海自然歩道近くの湿地で2015.6.14に見つけたもの.本種は青山高原でも見つかっている.
マヨビキとは眉引きのことで,眉墨(まゆずみ)で眉をかくこと.低く平らな稜線のようすが眉の形に似るところから、「横山」にかかる枕詞にもなっている.古典の素養がないと使いこなせない和名である.
トゲミギワバエ属のトゲは中脚の脛節背面に生える3~4本の長剛毛のこと.なお,この属の前縁脈はR4+5脈付近で終わり,触角第2節には長い剛毛がある.
マヨビキトゲミギワバエの特徴は,額に2個の黒色円紋があり,中脚の剛毛は4本,翅の前縁は強く黒色となること.額に目玉模様があるのは,ミギワバエ科では本種のみ.国内での分布は,埼玉,神奈川,愛知,三重.
Notiphila (Agrolimna) punctaは,中国,インド,ネパール,フィリピン,スリランカ,台湾に分布するが,日本産のマヨビキトゲミギワバエとは別種の可能性もあるらしい.
2013年発行の大阪市立自然史博物館所蔵双翅目目録(1)を参照した.
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