田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

河川敷のヒメアブ

2011-07-26 | ハエ目(双翅目)

アブ科ヒメアブ属のヒメアブ Silvius dorsalis Coquillett,1898

松阪市の櫛田川河川敷。林縁のような草むらでヒメアブを見つけた。

ヒメアブは北海道から九州にまで分布する。ヒメアブ属は翅に横斑が無く,全5種とも非吸血性である。後脚脛節に距棘を有するのでメクラアブ亜科に属する。
『アブの分類,生態とその対策』によれば,ヒメアブは「体長9~14mm。翅は前縁がやや褐色を帯び,R4に小枝を有する。3単眼を具え,その周囲は黒褐色に裸出している。額瘤は著しく大きく,円形状の黒褐色で,上部は単眼に接し,側方は殆んど複眼に接する。頬には上側瘤を欠く。触角は第3節の先端4環節が黒褐色の他は黄色~赤褐色で,第1,第3節が細長い。脚は跗節が黒褐色の他は黄色~黄褐色で後脚の脛節末端に距棘を生ずる。」などとある。

ヒメアブだと思って記しているが,少し気になるのが「3単眼を具え,その周囲は黒褐色に裸出している」との記載。この個体は単眼の周囲が黒褐色に裸出していないのだ。
少しでも記載と合わないときは,何々の近縁種としておいたほうが良いよと知人から言われている。

触角鞭節は5環節以下で,後脚脛節に距棘を有し(少し分りづらい),触角鞭節の第1節は輪状でなく,翅に横斑が無いのでヒメアブ属には違いないと思う。さて,この個体はヒメアブか,またはその近縁種か。
2011.7.17

後日,あるアブ屋さんにヒメアブ♀と同定していただいた.


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