川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

松阪駅前モニュメント考

2010-07-23 07:29:36 | 日記
 現在の松阪駅前にあるモニュメントは本居宣長にちなんだ鈴のデザインで造られています。元々は噴水でしたが、水を節約するためか、電気代を節約するためか、止められたままになっており、今はポンプも故障していると聞いています。噴水でも出ておれば存在感はあるのですが、水が出ていないと地味で目立たない存在です。

 今年度からスタートした松阪まちなか再生プランの、松阪駅前のリニューアルの中に「松阪市としての玄関口にふさわしい景観として、モニュメントのリニューアルを図る」とあります。モニュメントは松阪を訪れた人が初めて目にする造形物で、駅前の風景とともに重要なものです。

 6月議会の一般質問で中心市街地の活性化について質問しましたが、その中でモニュメントについても取り上げました。「JR松阪駅前広場ワークショップ」の中でも、若い人より「何で鈴なんだ!」という意見がだされ、牛とか本居宣長とか蒲生氏郷などの意見が出されたそうです。
 しかし、私はもっともっと発想の転換をしていかなくてはならないと思います。牛とか本居宣長とか蒲生氏郷は、松阪市の市民目線から見たモニュメントです。駅前のモニュメントは、市民はもちろんですが、もう一方、観光客をはじめ松阪市を訪れる多くの人たちが楽しむものです。
 モニュメントだけでも観光客が呼べるような、松阪に行ったらあのモニュメントの前で写真を撮らなくてはいけないと言われるような、斬新な、あるいは奇抜なデザインがいいのではないかと思います。

 松阪市が何か新しいことをするときには、よく公募をかけます。モニュメントのデザインも、もし公募をかけるとすると、たくさんの作品が応募されます。その時一番の問題はその作品を審査する審査員です。よく各界の代表が審査員になることがありますが、せっかく応募の中にいい作品があったとしても、審査員にセンスや感性がなければ、しょうもない作品が選ばれます。

 以前の観光行政の一般質問でも指摘しましたが、これまで松阪市では新しい施設などができた時のネーミングに、何でもかんでも「鈴」とか「ベル」を付ける風習がありました。ベルタウンに始まって、鈴の森公園、プラザ鈴、鈴の音バス、ベルファーム、ベルライン、ベルランチ。市民だけが利用する施設などは、まあいいとして、市外からの観光客に利用をしてほしいベルファームやベルラインは、なぜこんなネーミングをしたのか不思議です。どこの観光施設でも、いかに多くの人が来てもらえるように、ネーミングには最大の精力を使います。名前を聞いただけで行きたくなるような、ワクワクするようなネーミングがなされます。本居宣長になじみの深い松阪市民であっても、他市・他県に「ベル」の付く観光施設があったとすれば、行こうと思いますか。

 最近、松阪市の学校給食センターに「ベルランチ」という名前が付けられました。なぜ学校給食にベルなのでしょうか。もっと子供たちの未来の夢を育むようなネーミングができなかったのでしょうか。これらのネーミングにはこれらの名前を選ぶ選任者や審査する人のセンスが問われます。
 松阪市のマスコットキャラクターの名前も公募され、応募作品の中から審査がありました。またどうせ「鈴なんとか」「ベルなんとか」などの名前が選ばれるのではないかという私の予想が見事はずれ、「ちゃちゃも」という名前が付けられました。これは松阪市にとって画期的なことです。松阪市の夜明けです。少し大げさですが。

 少し話しが逸れましたが、モニュメントも公募したときは、その作品選別する審査員がいかにいい作品を選ぶかが問題です。応募作品の中から一番優れた作品を選ぶべきですが、審査員に能力がないと、いい作品が見えません。その審査員を選任する人のセンスも問われます。
 モニュメントは市民みんなで作り上げるのも1つの方法ですが、公募せず優れた作家にデザインを依頼するのも、1つの方法です。

 松阪駅前に新しく創るモニュメントは、松阪市民目線だけではなく、観光客など市外・県外の人たちの目線も意識して、話題性のあるものを。他所から来た人たちの意表を付くような、それでいて松阪駅を利用する私たち市民が飽きないものを。松阪市が未来に向かって躍進していくような迫力のあるものを。20年、30年経ってもデザインが色あせないものを、心して創っていただきたい。
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