(石段両側の300本の桜)
松阪史跡探訪会主催の史跡めぐりで泰運寺を訪れ、宮本泰源住職からいろいろな話をお聞きしましたので、まとめました。
✦泰運寺の概要
・寺 名 天開山泰運寺
・宗 派 曹洞宗
・開 山 元文5年(1740)
・開 祖 備前の僧・泰運了啓
・本 尊 子安聖観音
・釣 鐘 八角梵鐘は昭和28年5月7日 三重県重要文化財に指定
・住 職 宮本 泰源
・拝観料 なし
・駐車場 15台分
・住 所 〒515-1725三重県松阪市飯高町波瀬631番地
・電 話 0598-47-0361
・問合せ 道の駅 飯高駅 ☎0598-46-1111
「口窄(くちすぼ)さん」として親しまれている「天開山泰運寺」は曹洞宗の古刹で、今から約280年前の元文5年(1740)に、備前の僧・泰運了啓が禅可庵を建て子安観音を祀つり、宝暦11年(1761)に泰運寺と改称されました。
同寺は子授け寺として開山以来多くの人たちがお参りしましたが、現在でも県内外から多くの参拝者が訪れます。春には桜、夏にはしゃくなげ、秋には紅葉など四季折々の彩が人々を楽しませます。
(泰運寺本堂) (西国33ヶ所のうつし霊場の地蔵)
✦波瀬口窄口からの山道
松阪市波瀬町の国道166号の口窄口と呼ばれる同寺への登り口から右折(北側に)、約1.7㎞の山道を登って行きます。ウォーキングをしている人も見かけましたが、徒歩では約20分で泰運寺に到着します。
またマイクロバス(28人乗り)でも十分通行することができますが、対向車には対応が必要です。
この山道沿いに赤いよだれかけをした地蔵像があります。この地蔵像は口窄口の1番から本堂前の33番まであり、西国33ヶ所のうつし霊場となっています。
✦参道の石段
駐車場から本堂までの石段は130段あり、両側の階段状の平坦地は、かつてお寺の食料としての稲作栽培が行われた水田跡です。現在はこの階段の両側には桜やもみじが植えられ、春には300本桜が咲き、秋には700本もみじが彩りを見せます。
✦本尊
泰運寺本尊の子安聖観音は慈母観音といって安産・子育てに霊験あらたかといわれています。同寺は子授け寺として、子ども抱いた姿の観音さんに県内外から多くの参拝者が訪れます。
(八角梵鐘) (山口誓子の句)
✦八角梵鐘
八角梵鐘は字のごとく日本で唯一の珍しい八角形の形をした梵鐘で、泉州佐野の回船問屋で大富豪の食野次郎左衛門が寄贈したものです。次郎左衛門の娘が豪商三井家に嫁いだが子が無く、同寺の子安観音に祈願したところ一子を授かり、その恩に報いるため寄贈したものです。当時の食野家は長者番付では三井家より格上の「大関」であったということです。
天明3年に二代住職泰宗のときに鋳造にかかり、天明5年10月に完成、撞初式が行われた。その供養には61寺3200余人が集まったと記録に残っています。
梵鐘の高さ2.42m、口径1.36m、重量4.87tの大きなもので、外側の上部には龍の彫り物があり、外側には法華経計八巻6万9384文字が刻まれており、鐘を打つとあたかも龍が唸なり、ちょうど法華教を読むがごとく響き渡る音がするという事です。昭和28年(1953)に三重県重要文化財に指定されました。
この梵鐘は誰でも打つことができます。
八角梵鐘
・天明3年(1783)3月18日鋳造にかかり
・天明5年(1785)10月完成・撞初式
・昭和28年(1953)5月7日三重県重要文化財に指定
・高さ 2.42m
・口径 1.36m
・重量 4.87m
・この梵鐘は材料代、加工料など839両かかったという記録があります。
✦岸和田の殿様との縁
岸和田の7代目の殿様・岡部駿河守(おかべ するがのかみ)が参勤交代の途中体調をこわし、泰運寺に身を寄せ、1週間祈祷をしてもらい直ったことから、50両(今のお金で約500万円)を寄贈しました。その後毎年50両の寄贈を続けたということです。
✦山口誓子の碑
鐘つき堂の横に山口誓子の「七萬の鐘の字が鳴る紅葉山」という句が石に彫られています。宮本住職の話では、山口誓子は昭和52年に初めてこの寺に来て、その後数回きているということです。そのときこの句をつくりました。
(会式の法要) (会式の最後に餅まきがあります)
✦泰運寺の会式
この寺の会式は、約200年の歴史があり、毎年4月の第2日曜日に行われています。以前は4月20日に行われていて、その時は桜も満開を迎えていた時期でした。当時は村に子供たちも多く、この日は学校も仕事も休みとなり、会式の参拝者も多くて、たくさんの出店も出て大変賑わったということです。また相撲や剣道の試合も行われ、当時は多くの若者も参拝をして、この会式で見合いをしたり、恋愛をして、これが縁で結婚した人も結構いたそうです。しかし現在は仕事の関係などで日曜日に行われています。
会式は午前10時30分より本堂において大般若祈願が行われ、参拝者にはぜんざいが無料で振る舞われ、その後もちまきもあります。このお寺には檀家はありませんが、たくさんの地区の人たちが出て運営をします。
松阪史跡探訪会主催の史跡めぐりで泰運寺を訪れ、宮本泰源住職からいろいろな話をお聞きしましたので、まとめました。
✦泰運寺の概要
・寺 名 天開山泰運寺
・宗 派 曹洞宗
・開 山 元文5年(1740)
・開 祖 備前の僧・泰運了啓
・本 尊 子安聖観音
・釣 鐘 八角梵鐘は昭和28年5月7日 三重県重要文化財に指定
・住 職 宮本 泰源
・拝観料 なし
・駐車場 15台分
・住 所 〒515-1725三重県松阪市飯高町波瀬631番地
・電 話 0598-47-0361
・問合せ 道の駅 飯高駅 ☎0598-46-1111
「口窄(くちすぼ)さん」として親しまれている「天開山泰運寺」は曹洞宗の古刹で、今から約280年前の元文5年(1740)に、備前の僧・泰運了啓が禅可庵を建て子安観音を祀つり、宝暦11年(1761)に泰運寺と改称されました。
同寺は子授け寺として開山以来多くの人たちがお参りしましたが、現在でも県内外から多くの参拝者が訪れます。春には桜、夏にはしゃくなげ、秋には紅葉など四季折々の彩が人々を楽しませます。
(泰運寺本堂) (西国33ヶ所のうつし霊場の地蔵)
✦波瀬口窄口からの山道
松阪市波瀬町の国道166号の口窄口と呼ばれる同寺への登り口から右折(北側に)、約1.7㎞の山道を登って行きます。ウォーキングをしている人も見かけましたが、徒歩では約20分で泰運寺に到着します。
またマイクロバス(28人乗り)でも十分通行することができますが、対向車には対応が必要です。
この山道沿いに赤いよだれかけをした地蔵像があります。この地蔵像は口窄口の1番から本堂前の33番まであり、西国33ヶ所のうつし霊場となっています。
✦参道の石段
駐車場から本堂までの石段は130段あり、両側の階段状の平坦地は、かつてお寺の食料としての稲作栽培が行われた水田跡です。現在はこの階段の両側には桜やもみじが植えられ、春には300本桜が咲き、秋には700本もみじが彩りを見せます。
✦本尊
泰運寺本尊の子安聖観音は慈母観音といって安産・子育てに霊験あらたかといわれています。同寺は子授け寺として、子ども抱いた姿の観音さんに県内外から多くの参拝者が訪れます。
(八角梵鐘) (山口誓子の句)
✦八角梵鐘
八角梵鐘は字のごとく日本で唯一の珍しい八角形の形をした梵鐘で、泉州佐野の回船問屋で大富豪の食野次郎左衛門が寄贈したものです。次郎左衛門の娘が豪商三井家に嫁いだが子が無く、同寺の子安観音に祈願したところ一子を授かり、その恩に報いるため寄贈したものです。当時の食野家は長者番付では三井家より格上の「大関」であったということです。
天明3年に二代住職泰宗のときに鋳造にかかり、天明5年10月に完成、撞初式が行われた。その供養には61寺3200余人が集まったと記録に残っています。
梵鐘の高さ2.42m、口径1.36m、重量4.87tの大きなもので、外側の上部には龍の彫り物があり、外側には法華経計八巻6万9384文字が刻まれており、鐘を打つとあたかも龍が唸なり、ちょうど法華教を読むがごとく響き渡る音がするという事です。昭和28年(1953)に三重県重要文化財に指定されました。
この梵鐘は誰でも打つことができます。
八角梵鐘
・天明3年(1783)3月18日鋳造にかかり
・天明5年(1785)10月完成・撞初式
・昭和28年(1953)5月7日三重県重要文化財に指定
・高さ 2.42m
・口径 1.36m
・重量 4.87m
・この梵鐘は材料代、加工料など839両かかったという記録があります。
✦岸和田の殿様との縁
岸和田の7代目の殿様・岡部駿河守(おかべ するがのかみ)が参勤交代の途中体調をこわし、泰運寺に身を寄せ、1週間祈祷をしてもらい直ったことから、50両(今のお金で約500万円)を寄贈しました。その後毎年50両の寄贈を続けたということです。
✦山口誓子の碑
鐘つき堂の横に山口誓子の「七萬の鐘の字が鳴る紅葉山」という句が石に彫られています。宮本住職の話では、山口誓子は昭和52年に初めてこの寺に来て、その後数回きているということです。そのときこの句をつくりました。
(会式の法要) (会式の最後に餅まきがあります)
✦泰運寺の会式
この寺の会式は、約200年の歴史があり、毎年4月の第2日曜日に行われています。以前は4月20日に行われていて、その時は桜も満開を迎えていた時期でした。当時は村に子供たちも多く、この日は学校も仕事も休みとなり、会式の参拝者も多くて、たくさんの出店も出て大変賑わったということです。また相撲や剣道の試合も行われ、当時は多くの若者も参拝をして、この会式で見合いをしたり、恋愛をして、これが縁で結婚した人も結構いたそうです。しかし現在は仕事の関係などで日曜日に行われています。
会式は午前10時30分より本堂において大般若祈願が行われ、参拝者にはぜんざいが無料で振る舞われ、その後もちまきもあります。このお寺には檀家はありませんが、たくさんの地区の人たちが出て運営をします。