(小学生女児による浦安の舞の奉納)
松阪市立野町の松尾神社で2月11日、例大祭が行われました。松尾神社は昨年の10月に20年に一度の式年遷宮が行われ、いろいろな施設が新しくなって迎えた今年の祭礼でした。この日は県会議員さんなど来賓の方も多数お越しいただいて、山頂の本殿で祭礼が行われました。本殿前では地元小学生女児による奉納舞いがありました。またふもとの広場では獅子舞の奉納やカラオケ大会、女性歌手による歌謡ショーなどがあり、来場者には甘酒や酒が振る舞われました。
◆松尾神社
松尾神社は松阪市立野町の標高113mの山の頂上にあり、本殿まで408段の階段が続きます。頂上付近になると急な階段が120段続き、ようやく本殿に到達します。本殿のある山頂からは中部国際空港などが眺められ、また伊勢神宮、熱田神宮、橿原神宮、明治神宮、靖国神社の礼拝所も設置されています。
松尾神社はもともと立野神社または立野明神と呼ばれ、神社がある立野は、平安時代の930年代に成立した「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に飯高郡に属する郷としてあげられています。その立野郷の産土紙(うぶすながみ)(生まれた土地を守護する神)として大山咋命(おおやまくいのみこと)を祭ったのが立野神社であり、康保4年(967)に施工された「延喜式」(法律の施行細則)神名帳にも記載されています。
北畠の家臣水谷刑部がこの立野に砦を構えたとき神領を寄進し、徳川宗貞も享保9年(1724)来松の節、社領四石七斗六合を免除しています。
明治時代に1村1社を原則に神社合祀が進められ、明治40年・41年当時の松尾村村内の神社を立野神社に合祀し、名前を立野神社から松尾神社に改称されました。祭ってあるのは大山咋命を主神に29柱の神です。
昔は京都の松尾神社と同様に酒造の神と崇められたということから、酒を醸造する人たちが信仰する神社でもあり、また歯の神様でもあります。