(男と女をかたどった藁人形) (山の神に木で作った男と女の人形を供える)
1月8日、松阪市立野町下出地区で「嫁入り神事」が行われました。この神事は男女一対の山の神碑を中心に行われ、男の神には雑木で作った三ツ股を、女の神には同じく雑木で作った二股を供えます。また男の神には「米十分」女の神には「麦十分」と書かれた紙を供えます。
地区の人たちが集まって藁でたいまつと、男を形どった人形、女を形どった人形をつくります。広場には大火が焚かれ、藁を燃やして「寝床」を作ります。そしてたいまつと人形に火を付け、場を半周して最後には焚かれた大火にたいまつを投入し、女の藁人形を仰向けに続いて、男の藁人形を下向きに重ねるようにして大火に投入して燃やします。
10年くらい前まではおかゆを炊いて、その中に餅をいれ、その餅を神に供えましたが、今は大火を焚いて、そこで焼いた餅を神に供えます。
(松明と藁人形火を付けて広場を周り、大火に投入します)
男の神に供える「米十分」、女の神には「麦十分」の意味はわからないのですが、米が十分取れるように、麦が十分取れるようにとの願いではないかと言われています。また男の藁人形と女の藁人形重ねるようにして大火に投入するのは、子孫繁栄を願ってのことではないかと言われています。
この神事は以前7日に行われていましたが、最近はこの日に近い日曜日に行われています。また現在は地区の南側の八王子という山で行われていますが、中部台公園ができるまでは別なところにありました。中部台公園の建設で立ち退きにあい、現在の場所で行われるようになりました。
この神事がいつ頃から始まったかは定かでありませんが、地区のお年寄りが子供のときにはすでに行われていたということで、かなり昔から行われていたことになります
このような昔からの伝承神事はいつまでも続けていただきたいと思います。