奇跡の一本松

「松原の再生を」という活字を見ると思わず力が入ります。この話は東日本大震災の大津波で被害を受けた岩手県陸前高田市の名勝、高田松原で奇跡的に生き残った一本松を中心に松原を再生していこうというものです。ただこの一本松を調査すると、このままでは塩害でやられてしまうという危機的状況でもあるようです。地下水に海水が混じって塩分濃度が高くなっているために一本松が成育を続けられるか予断を許さないのです。
この一本松は約7万本あった高田松原の唯一の生き残りで、樹齢は260～280年で明治の三陸大津波も昭和の三陸大津波にもチリ地震津波にも、そして今回の大津波にも負けませんでした。ですからちょっとの海水なんかに負けはしないと思いますが、地元の人達にとっても希望の木だけに、是非後世まで残してほしいものです。
かつて「別れの一本杉」という歌謡曲の名曲があり、今だにカラオケでもよく歌われています。つまり後世に残っている名曲です。なぜなら歌いつぐ人がいるから残るわけです。それだけに奇跡の一本松も周りの人達で守りぬくという気持ちをつないでいかなければなりません。復興のシンボルから日本のシンボルになる日まで。