◆妹都市締結十周年記念碑と石灯篭(寄贈 山口県和木町)
恵庭開拓記念公園に姉妹都市締結十周年を記念して山口県和木町から贈られた石灯籠と石碑がある。碑には「姉妹都市締結十周年記念 平成元年七月十日 山口県和木町」と刻まれている。姉妹都市十周年記念式典は恵庭で行われたので、その記念に贈られたものだろう。
石灯籠は鍾乳石製で、山口県のカルスト秋吉台、秋芳洞を思い起こさせる。自然石の記念碑も紋様が美しい。
平成元年(1989)に建立されてから35年が経過。雨に打たれた石灯籠は石灰分が溶出し、崩壊が始まったように見える。10年前の古い写真があることを思い出し比べて見ると、滑らかだった灯篭表面に幾条もの溝が出来ている。その差は明らかだ。
さらに、酸性雨や冬季の凍結が繰り返されることを考えると、崩壊を加速させるのではないかと気になる。
写真は、2024年4月撮影(左)、2016年5月撮影(右)
*恵庭開拓記念公園は、旧松園小学校の跡地1.1haを活用し市制施行10周年記念事業により整備、昭和54年(1979)の恵み野宅地開発に伴い造成された公園である。同年、公園の象徴となる開拓記念像「拓望の像」(竹中敏洋作)が建立されているが、この年は山口県和木町との姉妹都市締結調印の年でもある。恵庭開拓記念公園に和木町から贈られた石灯籠を置いた意味を納得する。
◆恵庭市総合体育館の玉石(寄贈 山口県和木町)
体育館ロビーの玉石(置物)恵庭開基88年を祝して姉妹都市和木町から贈呈された。「贈 開基八八年記念 姉妹都市和木町」の説明がある。昭和60年(1985)は恵庭市総合体育館がオープした年で、7月には「開基八十八年・市制施行十五年・総合体育館落成記念式典が行われた。これに合わせて姉妹都市和木町から贈られた。
鍾乳石(?)の台座に乗るこの玉石。縞模様が浮かぶ。記念品として贈られたのだから、きっと名のある石だろうと、恵庭市史、広報えにわ、北海道新聞、千歳民報など当時の記事を検索したが寄贈品の記述がない。市役所にも材質(石)名の記録がないと言う。
◆姉妹都市締結の経緯と交流
槌本貞一市長は、①恵庭の開拓は明治19年(1886)山口県岩国地方からの集団入植が先駆であった、②先人の苦労によって現在の恵庭市の基礎が築かれたとの思いから、岩国地方との交流を推進したいと考えた。昭和47年(1972)槌本市長は岩国地方からの移住者名簿を携え岩国市、和木町を訪れ姉妹都市提携を提案。これに応えた和木町と昭和54年(1979)7月に姉妹都市締結調印が行われた(浜垣実恵庭市長、松並正行和木町長ら和木町訪問)。以降、相互訪問、文化スポーツ交流、職員研修派遣、災害相互応援など交流が進められている。
*昭和47年(1972)槌本市長、移住者名簿を持参して岩国地方を訪問、提携を打診
*昭和54年(1979)和木町と姉妹都市締結調印、記念植樹(和木町役場にイチイ)。10月、恵庭市制施行10周年、市民会館落成式に和木町長ら来惠
*昭和60年(1985)恵庭市総合体育館開館、和木町から開基88年記念品(総合体育館)、イチイとアカマツ記念植樹(総合体育館)
*平成元年(1989) 姉妹都市締結10周年記念式典、和木町長ら来惠。和木町から姉妹都市締結十周年記念品の石灯篭(恵庭開拓記念公園)
*平成11年(1999)姉妹都市締結20周年記念式典(和木町)
*平成21年(2009)姉妹都市締結30周年記念式典、イチイとエゾアカマツ記念植樹(恵庭開拓記念公園)
*令和元年(2019) 姉妹都市締結40周年記念式典(和木町)