5月の連休頃から,春の花々が一斉に咲きだす
梅が咲いて,桜が咲いて,次は何,と言うような順番もなく,北国の春はある日突然やって来る。従って,恵み野は百花繚乱,何処を歩いても春爛漫。さすがは「花の街」だ。
各戸の主人(奥様かな)が,夫々の好みの花で庭を飾っている。
5月の連休頃から,春の花々が一斉に咲きだす
梅が咲いて,桜が咲いて,次は何,と言うような順番もなく,北国の春はある日突然やって来る。従って,恵み野は百花繚乱,何処を歩いても春爛漫。さすがは「花の街」だ。
各戸の主人(奥様かな)が,夫々の好みの花で庭を飾っている。
満開のコーヒー
5月下旬,手術のため10日間ほど入院した。その間に,我が家のコーヒーは満開だったと言う。昨年は僅か数個の開花しかなったが,今年は節々に多くの花蕾を見ていたので一斉に咲いたら見事だろうと想像していたが,運悪く開花期が入院と重なってしまった次第である。
「写真を撮っておいて」と頼んだ結果が,以下の写真。まあ,雑な写真だが雰囲気はご理解頂けるだろう。樹高50cmほどの鉢植えの1本である(写真は2015.5.28撮影)。
そして退院後に観察すると,花は全てが萎れていた(5枚目写真2015.6.5撮影)。コーヒーの花の命は短くて開花期間は1日程度であるが,個々の開花には数日の差があるので,全体としては数日間にわたって開花が見られる。開花した花は,翌日には変色・萎れてしまう。
以下の写真は別の個体(節間が長い品種,2015.5.20撮影)の花であるが,花の構造はもう少し明快である。白い5枚の花弁,長く伸びた雌蕊(先が二つに分かれている)の周りに花粉を付けた5本の雄蕊が見られる。
因みに,我が家のコーヒーは観葉植物の範疇にある。これまで常緑を楽しんでいたが,ようやく可憐な白い花を愛でることが出来た。そして,結実の僥倖があれば,赤い果実を長く鑑賞することが出来るだろう(コーヒーは結実から登熟まで9か月ほどかかる)。
コーヒーの果肉も甘くて食べられると言うが,もちろん果肉を食べたことは無い。人類が焙煎した豆から抽出したコーヒーを飲むようになったのは13世紀以降,一般民衆に飲用習慣が広まったのは16~17世紀と考えられている。日本にはオランダ人によって18世紀末に持ち込まれている。
当初は,眠気防止や疲労回復のための薬用植物と考えられていたが,現在は嗜好品としての利用が一般的であろう。
コーヒー成分が過度の刺激性,興奮性,習慣性を有することから医学的リスクを指摘する意見もあったが,近年になってコーヒーの制癌作用や抗酸化作用が注目され検証データも出始めている。
さあ,コーヒーでも淹れましょうか? 退院のお祝いに。
我が家のアボカドに花が咲いた
葉の大きさに似つかわしくない可憐な花だ。
スーパーで購入したアボカドを食べた後,果肉を綺麗に水洗いして鉢に植えたものが出芽し,楽しみに育ててきた。大きい葉をつけるので観葉植物のつもりであるが,生長が早く新梢の伸びは活発で手に負えない樹形となる。熱帯・亜熱帯では樹高が30mにもなる常緑高木だというから,北海道の室内とは言え生長を抑えるのは厄介である。何とか2mほどにまとめているが,そろそろ始末する時期かもしれない。幹も直径4cm強と大分太くなり,「杖になるわい」と話していたら花をつけた。実が生るまで育ててくれと言うことか。
実は,このアボカド6年前にも花をつけたことがあるが,その後は開花を見ていない(隔年結実の性質があるそうだ)。メキシコ,中央アメリカ原産の低温に弱い植物なので,北海道では開花条件が整わないのだろう。夏は玄関フード室に出し,冬は室内に置いている。常緑樹だと言うのに葉の寿命が短く1年ほどで,新梢伸長期に新葉が出てくると古い葉が葉縁から枯れ始め,瑞々しい新葉に置き換わる。
「花が咲くのだから結実もありや」と期待したが,そう簡単ではなさそうだ。同一花の雌蕊と雄蕊の成熟にズレがあるのだと言う(雌雄異熟現象)。例えば,開花1日目の午前中に雌蕊が成熟して受粉し,花はいったん閉じて2日目午後に再度開花し雄蕊が花粉を放出する(Aタイプ)。種によっては,開花1日目の午後に雌蕊が成熟して受粉し,いったん閉じた後2日目の午前中に再度開花し雄蕊が成熟し花粉を放出する(Bタイプ)。従って,受粉のためには複数個体の植樹が必要で,一般には虫媒花だと言う。
写真は2015年3月22日,2009年4月9日撮影(恵み野)
◆アボカド(学名:Persea americana,英名:abocado,西語:aguacate,別名:鰐梨)
クスノキ科ワニナシ属の常緑高木。果肉に脂肪分が約20%含まれ,豊富な不飽和脂肪酸を含むことから「森のバター」「バターフルーツ」と呼ばれる高カロリーな果実を着ける。また,アボカドはビタミンEの含有率が高い果物としても知られる。
メキシコ系,グアテマラ系,西インド諸島系の3系統,1,000品種以上の種類があると言われる。我々になじみが深いのは,皮が厚くてゴツゴツし,熟すと黒くなる種類(グアテマラ系のハス種)である。
我が家のコーヒーが初めて赤い実を着けた。100円ショップで鉢植えを買ったのは,何年前のことだったか覚えていない。常緑の葉を楽しむ目的で,夏は玄関ポーチに置き,冬は室内で育てて数年が経過している。背丈はおよそ50~60cm。北国の恵庭でコーヒーが稔るのを期待した訳ではなかったが,実が赤くなるにつれ小さな幸せを感じるのは不思議なものだ。コーヒー豆を眺めながらの今朝の一杯は,格別に美味い。
開花を確認したのは昨年7月のことだった。水を遣りながら何気なく見ると,第2枝の5節目に萎れかかった花らしき痕跡を見つけた。「おい,コーヒーに花が咲いたぞ」と声を上げたが,「え,本当?」と覗き込んでも見つけることが難しいほど小さい。コーヒーの花の命は短くて,開花は2日間位だと言う。最初の開花に気付かなかった訳だ。注意して観察を続けると,脇から2~3個の小さな5弁の白い花が開花した。ジャスミンのような香りがすると書かれているが,その時は香りを全く意識しなかった。何はともあれ受精させようと試みた。
そして10月に青い1果を確認,年が明けた3月には色づき始めた。コーヒーチエリーと呼ばれる完熟果になったのが3月下旬,今は登熟が進み黒ずんでいる。
開花:2014年7月22日(写真は次回に)
着果:2014年10月13日(写真)
色づき始める:2015年3月13日(写真)
完熟果:2015年3月17日(写真)
過熟果:2015年5月3日(写真)
◆コーヒーノキ
アカネ科(Rubiaceae)コーヒーノキ属(Coffea)に属する植物。栽培種の原産地はアフリカ大陸中部。主要産地は北緯25度~南緯25度までの熱帯と亜熱帯の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯である。生育にはサバンナ気候や熱帯モンスーン気候のような雨季と乾季,または熱帯雨林気候の山岳地帯など昼夜の寒暖差が大きい気候が適し,多雨を好むとされる。霜など寒さには弱い。ブラジルやコロンビアで品種改良がおこなわれ,栽培品種の数は多い。
かつて,ブラジルと国境を接するパラグアイ北東部の町ペドロ・フアン・カバジエーロ市を訪れて,アマンバイ農協の住吉嘉行組合長(北海道福島町出身の移住者)から話を伺ったことがあるが,コーヒー生産と霜害の苦労は想像を絶する物語であった。その折の内容は,拙ブログ(豆の育種のマメな話「ジョンソン耕地に抱いたコーヒー生産の夢は大豆で実ったか?」2011.2.11)をご覧頂こう。
北国に稔った赤い一粒を見つめるたびに,住吉組合長(当時)等から聞いた話が蘇る。
恵庭の春は球根の目覚めからやってくる。雪解けが進み,湿った土に太陽の光が届くころ,「クロッカス」や「チオノドクサ」が咲き出し,追いかけるように「ヒヤシンス」や「ドラバ(ナポレオン)」が花開き、ゴールデンウイーク前には「水仙」や「ムスカリー」が一斉に咲き出す。もちろん,野においては「フキノトウ」が伸びている。
鉢植えの「レウイシア」がピンクの花をつけ,「クリサンサ」も黄色の花をそろえる。野山には「辛夷」が春を告げている。