麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

リニューアル

2007年12月13日 | 東演
 我等が拠点・下北沢
 南口を降りるとマックがあります。昨日からリニューアル工事が始まりました。それより先に、マックを南に下ったミスドがリニューアル工事を進めています。
 その他、かつやの後にABCマートが入ったり、ほかにも何軒か出入りのある南口商店街であります。

 それにあやかったわけではないのですが、東演の次回公演(3月/本多劇場)で新しい宣伝美術プランナーと仕事をすることになりました。

 『行かせてッ!~沢井一太郎の憂鬱~』(No.108/1998年9月)でデビュー以来、今では東演の宣美のエースとなった大下えいこ氏を温存(?)して、新鋭と取り組むことに。。。

 思えば、大下嬢も、先輩諸氏の群雄割拠の中に、ルーキーとして参戦して今のポジションに着いたわけです。

 我がマリノスの守護神が、松永成立から川口能活に変わったように(少々例えが古いか?)

 で。今回の西村教生くんは、オリラジのあっちゃん似のデザイナーだ。「flutter kick」という屋号で活動を始めたばかり…。

このデジタルな時代に、彼は電話営業で某制作者をゲット!
 ゲットされた劇団SのM嬢は、一人で会うのもなってんで。。。つまりはどんな輩かわからない恐さや粘られたりする面倒臭さなどなどの複合要素を考慮して。。。仲間の制作を数人マキゾエにし、で、まんまと僕が引っ掛かった(?)とゆーわけだ。

 思えば…『温室の花』などの本公演に加え、自主公演『子宝善哉』や今回の世田谷区民上演グループA『非常怪談』まで、メチャお世話になっている衣裳の竹内陽子氏との出逢いは、封書営業(?)だった。

 当たり前といえば当たり前の、そーゆー努力が個人的に好きな、意外と浪花節の敏腕Pでもあったりします。
ま、こんなこと書いて全国から“アーティストの卵たち”がワンサカ電話だの手紙だので攻勢を掛けてきても困るのたが(^^;)

 困るとゆーのは、キャパシティの問題で即仕事には繋がらないよ、って意味で、会ったり話したりするのはヤブサカではありません。

 劇団の活性化につながりますし、その前に僕個人が楽しい…

 おっと。話が大きく逸れましたネ。

 昨夜、西村くんが劇団に来て、早速「ラフのラフ、大ラフもいいところですが…」と6点もアイデアを持ってきました!

 このあたりも初仕事ならではの勢いです

 東演の『時の筏を漕ぎゆけば…』はもちろん、文化座『ほにほにおなご医者』『いろはに金米糖』など数々の名作を世に送り出して来た、作/堀江安夫×演出/鈴木完一郎コンビの新作となる来年3月の舞台。
 芝居そのものはもちろん、チラシボスターもお楽しみに

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訪中譚⑧~北京その2

2007年12月12日 | 中国公演07
 北京での芝居が一番締まっていた
 (『臨時病室』『恋でいっぱいの森』ともに)

 観た人間の一致した感想です。既に書いたように、僕は物販対応でチラ見しかできていないので、制作の横川や、観劇ツアーとともに中国入りした弊団代表の山田、『恋森』演出の福原氏など複数の言葉を総合した結果です。

 会場の「民族文化宮大劇院」が、日本の最終調整を行った幸文化センター(川崎市)と同じ舞台面の大きさ※で、キャパシティーも、大連や長春のようにバカでかくないので、芝居に適した空間であったこと。
    (※幸でのGPは『恋森』だけでしたが…)

 また、それと連動するのですが、大きな会場で芝居が大味になっていたのを、北京での本番までの短い時間の中で修正できたという点。
 それには、ツアーも3都市目に入り、仕込み(照明や音響を含めた舞台を作る作業)にも慣れて、芝居の稽古に時間を割けるようになったことも作用しています。

 そりゃあ、旅公演ですから。。。
 例えばこの北京では通訳さんの1人が、ちょっと日本語勉強したことある程度の女性で、全くオハナシにならないので帰ってもらった
。。。なんて事件(?)もありながら、日本の優秀な外部スタッフの頑張りでクリアして行ったわけです。
 ちなみに、もう1人の学生さんは、日本にも長く住んでいて、黙ってれば日本人と言ってもいいほど素晴らしい発音とイントネーション(&顔形もネ)で、大変戦力になったのですが……。

 北京といえば、劇場への入場の際、空港の保安検査ようなゲートをくぐっていたのが印象的でした。
 五輪を前にした措置なのでしょうか?

 芝居が締まっていた話は冒頭にしましたが、実は集客が一番少なかったのも北京でした。

 娯楽が多いというか、芝居は勿論、映画やライヴ等々、他にも出し物が多いことが、まずあるでしょう。
 また現地受入先の「北京索有文化伝播有限公司」の熱心さが見受けられなかった気が僕にはしました。ほかにも仕事を抱えて忙しいのでしょうが、少なくとも僕はそのカンパニーの人間と会いませんでした。

 完全な呼び屋なのでしょう。「大連芸隆演出有限公司」もその類で、同公司・女社長からも感じたことですが、完全にビジネスとして、我々の舞台を「商品」と見る、ある意味プロの方々とは、どうも東演は合わないようです。

 前段の通訳の選定からもやる気のなさがよく分かる、というのは厳しいでしょうか? 逆に、それじゃプロじゃない!とも言えますが

いや、他人様のことは置いて、我々東演は確かに、もっとビジネスライクな部分も待たねば、と、日々反省はしています。本当はそーゆーところで勝負していかないといけないと。
 でも、生の舞台やってる人間として、生身の人間としての付き合いって、やっぱ大事だよな、とも思います。それに甘えるのではなく・・・。

 いくら生身だからって、ゴルフや買物をゴチになる…とかゆ~、どこぞの国のオエライ人の「オツキアイ」じゃなくてね、勿論。

 ありゃ、いつもとトーンが違う??? 

     では頭を冷やして、次回は中国で芝居を観て
     お勉強した話を
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訪中譚⑦~北京その1

2007年12月11日 | 中国公演07
 久しぶりの訪中公演ネタです
 30日間のツアーの12日目のお話です。

 10月29日(月)、中国新幹線で北京に入城。

 まずは「北京」の地形的な特徴から。。。

 北京の街は、東西と南北に格子状に路が通っているから、大変解りやすい。中心に天安門や故宮があり、その周辺に高架式の環状道路が幾重にも作られている。もちろん、その環状を繋げる放射状の道路もある。
 イメージとしては環7や環8が高架になっていて、それを246や青梅街道が繋いでいる体だ。
 地下鉄は、天安門と故宮の間を東西に突っ切る1号線、それを日本の中央線とすれば山手線のように丸く走るのが2号線…という作りだ。

 それを踏まえての、我々の動きです。

北京中心部の地図で言うと、右下にあたる鉄道の「北京駅」から北上して良きところで西へ。左上=北京動物園の近くにバスは辿り着いたことになる

 「間もなくホテルです」とバスは高架から降りてビルの間を抜ける・・・と、皆から大きなどよめきが!
 そこには巨大なイトーヨーカドーが

 中国に入って二週間弱。まだ日本が恋しいには早く、第一、これまでにもマイカルなどの日系企業や外資系企業(ウォールマートやカルフール等)を見てきた。
 でも、それは車窓からだったり、交通機関を使わないと行けない環境。
 どよめきは「ホテルのそば」ってのがミソだった
 加えて時間。北京に入ったのが一時過ぎで、遅いお昼をどうしようか…というところだったから。

 結果。チェックインの後、ほとんどの人がヨーカドー詣でをした。
 ミネラルウォーターや夜食用のパンやカップ麺(公演が終わってバラして帰ると零時を回っているので…)などを買い、さらには最上階にあった「吉野屋」に手を出すメンバーも、結構いたようです。

 かくいう僕も、向学の為にいただきました。

 中国のヨシギュウの味は、ほぼ日本と一緒。物価から考えれば当然高め。
 またトレーに敷かれた紙によれば、北京だけで58店舗! すごい勢いで進出してました。

 と。まるで芝居の話をしないうちに「北京1」は終了しそうだな
 え~い、いっそ、それならままよ。

 かの有名な王府井が銀座とするなら、良く言えば渋谷と言えなくもない繁華街「西単」のすぐ近くの「民族文化宮」が公演会場。

 デパートや、若者のファッションやアクセサリーを扱うテナントの集合ビル(中国版109?)も近くて、やはり首都は過ごしやすかった。

 3ツ星ながらホテルもなかなか良くて、3か所目にして、ついにWキーがお目見え!(それまではツインでも鍵一つで、やはり不便
 お湯もジャンジャン出るし、フロントでは英語も通じた! 特に朝食は結果的には全行程で一番良かった。 
バイキングの品数も豊富で、味もGood
 逆に言えば、北京に物資が(勿論その前提として人が…)どっと集中しているってことなのだ。

 オリンピックを前にした北京。
 そこでの反応は・・・明日
 
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新年会とかブログの順位とか。と、なれば絹川愛

2007年12月09日 | 東演
 少し早いけれど、劇団東演の新年会が決まったのでご報告。
 2008年1月19日(土)16:00~
      東演パラータにて

  劇団員の手作り料理と各種お飲み物
  訪中公演の報告会も交えて、
  08年が良い年になるよう、賑やかに…
  会費は一般2000円、
           ぱら~たの会会員(新規)1000円、
           会員(継続)=無料※
 ブログのみでのお付き合いの方も、お気軽にどうぞ
さて、先の話をした反動で、少々過去の話。。。

 中国に行っている間、ブログの閲覧はどうなっているかしらと少しドキドキしていたのですが、結果は、思いのほか下がっていなくて…
「なんだ、一所懸命更新しなくてのいいのか
 と、グレそうにもなった。

 けれども分析してみれば、過去の劇評だの時事についてのコメントだのに辿り着いた方々がいてくれたわけで、その中ではやはり「絹川愛(きぬかわめぐみ)」で引っかかる件数が群を抜いていたのダ。

 なので、世界初の男女混合駅伝となった「国際千葉駅伝2007」が行われた11/23(祝)は、4区区間賞の快走で(しかも公約通り)チームの優勝に貢献した絹川愛の活躍に反応し、903508BLOG中58位という、こちらも好成績にあやかった。

 ちなみにそれまでの最高は、8/26の163位(848082BLOG中)。
 5万5千5百近くブログが増えている中での快挙

 3ケタを切るどころかベスト50が鼻の先に来た

 ついでなので週間ランキングにも触れると、
 08/26~09/01=853位 → 11/18~11/24=638位
 となり、ベストを更新。

 参考までに、11/23(金)単独は1917pv、1584ipで、
 11/18~11/24の週間では4361pv、2759ipで弾きだした順位でした。
                                

 とゆーわけで、敏腕Pは今後も絹川愛を、他のスポーツ選手よりも贔屓して取り上げようと、開き直っているのである。
きぬめファンの方も、どうぞ東演の新年会へ。。。

       ※継続会員は、07年の招待イベントに
        「訪中公演報告会」が含まれた年会費を
        いただいたために無料となります。

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迷宮のかなたに・・・

2007年12月08日 | 東演
 土日といえば、下北沢演劇祭「世田谷区民上演グループA」の稽古。
このブログで取り上げるのは久しぶりですが、休まず稽古は進んでいます。

 さて、今年取り組んでいる『非常怪談』は非常に難解な戯曲で、かなり高いハードルの作品です。

 また、芝居の見所に「混線シーン」がある(楽しみがなくなるので詳しくは話しません)のですが、ちょうど今、稽古自体が迷宮にハマッていると言えます。
 ただこれは、そーゆーシーンのある芝居だからではなく
以下のようことを毎年のようにグログに書いているはずです。

“これは区民Aに限らず、プロだって、さらには芝居に限らず、大学の研究室や総社のプラントでも通る道だ”・・・みたいなことを。

 だからって現場では「今そーゆー時期だから、ま、いっか…」などと言っている場合じゃなく、仮に言っていたら、その迷宮から抜け出すことは不可能!

 勿論、優秀な区民Aの面々は、重々承知の助
 今日は演出が休みの日だったのですが、だからこそ出来ることをと、部屋の隅々に椅子を置き、つまりは距離を長く取って会話を交わすトレーニングを自ら考えて取り組んでいました。

 蛇足ながら解説すれば。
 舞台上で、いかにも日常的に会話してるように見えて、本当に普通に話したら客席には「声」が聞こえません。かと言って怒鳴っては「日常」にならない。
 「通る声を掴まえる」稽古ってわけです!

 さらには幾つかのグループに分かれて、余り当たっていないシーンをテーブルや椅子を使って動きながら試す立ち稽古組、部屋の片隅で台本に沿ってディスカッションの中で整理するテーブル稽古組と、時間と空間を有効に使うメンバー達…。

 難しい作品をあえて選んだのは、演出家不在でも自主稽古をこなせる頼もしさを、10月から(或いは数年前から)接しながら、彼らから感じ取ったからこそです。

 これまで築き上げてきた「区民A」の力を試す。。。と書くと、まるで同じメンバーで毎年やってきたみたいですが、毎回、一部のリピーター以外は「お芝居初めて!」って陣容で臨んでいるのが実情です。

 そのリピーター達も、名門運動部よろしく、高校なら3年、大学なら4年で入れ替わっても尚強いという連綿とした流れの中にあるわけじゃないので、“積みあげた”と言われても、リンダ困っちゃう!ってなる座組です。
 でも
 前述したような力を持った区民Aなので、今年はあえて難解な作品にチャレンジすることにしました
 迷宮の彼方に、終演後にもらうだろう温かい拍手を目指して
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監視カメラが忘れたアリア

2007年12月07日 | 鑑賞
 チケットをもぎられる劇場入口で手渡されたチラシ束の、一等前には、見慣れた手書きの「ごあいさつ」があった。

 昨夜観たのは「虚構の劇団」旗揚げ準備公演『監視カメラが忘れたアリア』(作・演出/鴻上尚史、11/29~12/9、中野ザ・ポケット)。

 一世を風靡した、かの「第三舞台」の鴻上尚史氏が、再び劇団を作ると立てた御旗に結集した役者たちだけに、しかも2年間3度にわたるオーディションをくぐり抜けて来ただけに、舞台上には魅力溢れる十人がおり、若いエネルギーで疾走しまくりの2時間でした!

 俳優達と同世代の若い観客と拮抗して、80年代の小劇場ブームにハマっていた元若者(?)が集い、年齢層の広い、理想的な客席。おそらく前者は“新しく”、後者は“懐かしく”この芝居を楽しんだのではないだろうか。
言うまでもなく後者に属する僕には、まず最初に挙げた・・・普通のノートに鴻上氏自身が手書きした文章をコピーした挨拶文に始まり、描かれたキャンパスライフ含め、独特のテンポで進む舞台は、ホント懐かしさ満点の120分でした。

 人気絶頂の第三舞台で「お約束」だった、スーツ汗だくのダンスシーンや、スピーディーなセリフ回し、里美嬢のかぶりものなど・・・まんまが登場するはずは勿論なかったけれど、これでもかとふんだんに繰り出されるダンスシーンや、斜め立ちでのモノローグは、今回も効果的に芝居を転がしていた!
 そうそう。ダンスといえば、エンディング
 昔だったら絶対客席からは「手拍子」でしょ、あすこは。
 おじさんおばさんになって照れたのか、まだ、そこまで俳優達が引っ張り切れなかったのか? まあ、何しろ《旗揚げ準備公演》。

 逆にいえば、それであのレベルは、かなりの高水準。
 この10人から、将来演劇界を担う。。。というか、ぶっちゃけ「演劇」にこだわってる役者は少なく、もっとアグレッシブに「俳優する」或いは「タレントしたい」オーラ満載でしたが。。。いずれにしろ、ブレイクするのは必至でした。

 例えば、彼。例えば、彼女。。。
 (公演中につき、名前は伏せましょう…)

 最後に、HPの鴻上氏コメントの引用。
『分からないことばっかりですが、やる気と冒険心だけははっきりとあります。
もしよろしければ、そんな冒険の旅立ちの目撃者兼立会人になっていただけると幸いです』とあります。
 目撃者兼立会人になって損のない「虚構の劇団」だと、それだけは、はっきりと言えます!

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夜のジオラマ

2007年12月06日 | 鑑賞
 3つの時間軸・・・母と、姉と、弟の・・・を巧み操った素晴らしい舞台でした。

   「SPIRAL MOON」設立十周年記念公演第二弾
   『夜のジオラマ』(作/はせひろいち、演出/秋葉正子)
   11/28(水)~12/9(日) 於・下北沢「劇」小劇場

「2006年の愛知県芸術劇場演劇フェスティバルで、グランプリを争ったSPAIRAL MOONと劇団ジャブジャブサーキット。一年の時を経て、ジャブジャブサーキットのはせひろいち氏の新作がSPAIRAL MOONに登場」とプレスシートにあるが、磋琢磨した両雄が力を合わせた舞台は、いやあ…冒頭に書いたように、メッチャ良かったです

 まず、今と二つの未来を、ひとつの部屋で展開させるはせさんのホンが、緩さと緊迫感のバランスが実に見事! カルト集団やノマド(自立行動ロボット)なども登場しますが、良い意味で道具立てに止まっているのもいい。
 凡庸な作家は、調べたことを全部書こうとして失敗したり、そっちの説明に引っ張られて肝腎の本題が薄っぺらになったりするが、さすが、はせさんである!

 その巧みなホンを立体化した秋葉演出がまた冴えている。
 奥行きのないわりに間口のある独特の劇場空間に、役者の息づかいで拡がりを持たせ、まるで飽きさせない。これまたプレスシートの文言をお借りすれば「心を覗き込むような演出」に偽りなしダ!
 「劇」小劇場といえば、上手下手の柱がジャマなのだが、それを部屋の柱にみせた美術(田中新一、木家下一裕)も舞台成果に大きく寄与していた。

 役者に目を転じると、相変わらず最上桂子が貫禄だ。母親の細かな心の機微を抑えめに、だが、だからこそ強く印象づけた。不思議な不動産屋さんを演じた北村耕治(猫の会)の飄々とした味わいも良かったが、息子を演じた田中伸一のムードは特筆に値する。
 ウジこと田中くんとは旧知の仲で、あまり褒めてもなんだけど、時代に追いついていけない37歳の作家をしなやかに演じて、役(荻野目圭吾)が時空を行き交うように、複雑に絡み合う母姉弟の事情(あるいは絡み合わなかった三人の関係ともいえるか…)を、縫い合わせて客席に提示する重責を完璧に務めた。

 その他、旧型のノマド・ヨーコの戸谷和恵のアンドロイドぶりや、とぼけた不動産屋の助手・春菜の浅野千鶴(味わい堂々)の二人も、美味しい役どころを好演していた。
 カルト集団の指導者・石田の野村貴浩(劇団め組)のクールさも光った。

 今年(07年)僕の観た芝居の、ベスト3に入る作品です

 演劇の場合「こんな素晴らしい作品がたった3日や5日で終わってしまうなんて…」と嘆くことも多いけれど、約2週間14ステージを敢行した製作総指揮の落合由人の手腕にも大きな賛辞を送って、ブログを閉じましょう!

 今日含め、まだ6ステもあるので、是非是非、ご覧あれ

 
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リラ☆パラ

2007年12月04日 | 東演
 昨日は製作協(正式名称は日本新劇製作者協会)の機関誌の編集作業のため神保町へ行った。
 今年から理事という名の、要は実働部隊に召集され、機関誌「円卓」の担当になったのだ。

 神保町の路地を入った雑居ビル。エレバーターなし。4階まで歩いて上がる。

 よれよれのネクタイに黒いシャツ、ジャケットを人差し指と中指で肩から提げたボサボサ頭の男が軋むドアから急に出てきて、ぶつかったのが、実は依頼者・・・ハードボイルド小説の冒頭のシーンが今にも始まりそうな風情がとても気に入りました。
          
 そうそう。
 編集作業と言えば、ぼちぼち来年の「ぱら~たの会」のリーフレットを完成させなければいけないのです。
中国公演で、少々遅れておりますが、大丈夫、近々完成予定です。

 数日前、訪中公演の疲れも取りたかったので、近くの銭湯に行きました。
 やはり気持ちが良い
 大きな風呂に浸かりながら、リーフレットの文章を組み立てました。
 ノートもペンもないけれど、普段使ってない脳ミソのページにスラスラ書ける。リラックスの賜じゃ。
 ただ保存機能が付いてないからPCに向かって再度頭を捻ることになるのだが、0からよりはスムーズ。

 リラックスといえば・・・
 芝居見るのに、早めに着いちゃったので時間潰しにスーパーをブラブラしました。こないだの連休くらいか…。
 中国では大変お世話になったスーパー(中国では「超市」発音はchao-shi)だが、むしろ日本ではあまり行かないので、新鮮でした。

 といだお米をこぼさないための「米ピタガード」とか、バナナを長持ちさせる「バナナかけるくん」など確かに便利だけど便利すぎ?とも思われる楽しい品々に驚くやら感心(?)するやら…。あと水だけで風呂の湯アカを取るってスポンジだけでも20種類近くあったりで、楽しかった(^-^)

 まぁ芝居も、やたら数あるって言われると……(>_<)

 それはさておき、やはり事務所と劇場の往復は宜しくなくて、こーゆーちっちゃい日常の変化で、思考回路が変わるよナ、と当たり前のことに気付いた次第。
 
 順序が逆だが、実はそれがきっかけで銭湯行きを決意したのであった。
リラックスとぱら~たのリーフの話でした。
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中国の寅さんに会う~ちっチャ(イ)ナおはなし/弐

2007年12月03日 | 中国公演07
 長春では2作品の公演が終わった翌日、1日オフがありました。
10月28日・日曜日

 希望者を募って、「偽満皇宮」と名付けられた清朝最後の皇帝・溥儀の宮廷を再現した博物館を見て、その後、長春の郷土料理に舌鼓を打ちながら、吉林省演出公司はじめ長春の演劇界の方々と交流、大いに愉しみました。

 長春料理を味わったのは、郊外までバスでかなり走った、広大な敷地のレストラン。
 店内は森を思わせる装飾で、椅子がブランコになってる席もあったり、なかなか面白い作りの「大鵝島色生態美食園」。我々は奧の50名ほど入る個室に通されました。

 「鵝」という鳥の料理や、薬用人参を使ったスープ、勿論、数種類の餃子、それから長春滞在中、我々を大いに喜ばせてくれた白菜などを美味しくいただきました。

 『男はつらいよ』シリーズで「フーテンの寅」の声を担当している俳優さん・胡連華さんも、その中にいました。
 我々の舞台も観に来てくれた彼は、とてもエネルギッシュに東演の舞台成果に触れ、さらには十八番の「寅さん」はじめ彼が担当する「声」で宴を盛り上げてくれました。

 そうそう、盛り上がったといえば・・・この日は弊団の豊泉由樹緒の誕生日だったので、ナイショでバースデーケーキを用意してもらい、皆でお祝いもしました。

 
 前回の訪中公演は3都市で1回ずつ「誕生日」のキャストがいたのだけれど、今回は、ここ長春の豊さんと武漢で照明さんが2人の2回…おっと、上海で地元の徐くんが誕生日だったナ。
 まあ、そのへんの話は武漢や上海に譲るとして、譲れない話を最後に。
 我々の部屋の担当の女性服務員の中に
以前東演にいた村田美代子さんにそっくりの方がいて、いや、とにかく顔や背格好が似ているだけでなく、チョット控えめな佇まいなど、醸し出す雰囲気も一緒で、最初はテーブル毎にひそひそ「似ているネ」的だったのが、興も乗って、後半は「ミヨちゃん、ミヨちゃん」と話しかけるは、記念撮影はするわ・・・。

 はちきれんばかりのお腹と思い出を持って、訪中譚はいよいよ「北京篇」に突入です
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訪中譚⑥~長春その3

2007年12月02日 | 中国公演07
 長春ではスタンディング・オベーション
 それもオールスタンディングという歓迎を受けた。

 悲しいかな、僕はその現場を見ていない

 理由は最後にくっつけるが、それでもそれを確認するには余りある、観劇後のロビーの活況と熱気!


 恐らく純朴な土地柄と土臭い東演の芝居がマッチしたのだろう。大きな会場ゆえ、少々芝居が大味になっていたようだが、小屋によって芝居は変わるし、芸術至上主義<観客の喜び・・・(決して客席に媚びを売るのではなく)・・・ましてや言葉の通じない異国である。 

 ここで客席にいられない理由。。。
 このツアー用に、上海※が作ったパンフレットと『恋森』のCD。
 当然、中国側で売ってくれると思っていた。

 初日の大連でも、アシスタント程度にオフの俳優(『臨時』に出演せず、またスタッフワークにもつかない『恋森』キャスト)をお願いして、僕はバックヤードや客席のチェックに走り回っていた。
 ところが、いざ蓋を開けたら中国側スタッフが、関係者を見れば挨拶に行ってしまう「お手伝い」程度で、言葉の通じない俳優たちが“笑顔”だけを武器に対応している。

 で、大連の『恋森』から“販売員・ガオチャオ”の誕生となる!
ちなみにGao-Qiaoは高橋の中国語読み。

 開演前-休憩-終演後、ロビーで冊書目(ce-shu-mu)=パンフレットとCDを売るのであった! 『臨時』は前述のように空いている役者もいて心強いが、『恋森』は出払っている(?)ので、『臨時』の音響の板津くんに手伝ってもらいつつ、さらには通訳してくれた学生さん&その友人まで引きずり込んで健闘しました。

 中国語で、しかもすごい勢いで話されて最初はチンプンカンプンだったのが経験を積んだ上海あたりではオオムネ意味は掴めるくらいになった。が、それに応える術がない、という寂しさはあった。

 東演も10年くらい前から販売パンフレットをやめて、リーフレットを全員に配布しているのだが、中国でも無料リーフが一般的らしく、「ええ、無料じゃないの!」って声は多かった! そういう場合は、とりあえず「対不起(dùi bù qǐ)=すみません」と謝ります。

 話を戻そう。
 おざなりでないスタンディングオベーションに自信を得、同時に修正点は冷静にチェックし、いよいよツアーは、首都・北京へ!

 移動は中国新幹線=CRH「和諧号」を利用!
 なかなかの乗り心地でした

※今回の全行程のコーディネートを担当した「上海美演出経紀有限公司」の指揮のもと、DCのプレス及びパンフレットのデザイン編集印刷をした。
 勿論、録音は日本で行い、パンフの基本データも日本からメールで送信。
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