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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

マリアの讃歌〜ぶらり吉川の本文

2025年07月23日 | 鑑賞・まなび

 

埼玉県の吉川中央公民館で上演

『マリヤの讃歌一石の叫び』を

7月21日に鑑賞。

コズミックシアターの金子順子の

一人芝居。

演出は岩崎正裕(劇団太陽族)、

作は、くるみさわしん。

 

三者とも関西の演劇人で

終演後の挨拶で金子は「暑い中〜」

と観客を労いながら、

自分たちは10時間かけて吉川に来た、

と笑いを誘った。

 

城田すず子の著者『マリヤの讃歌』を

舞台化し、第2回関西えんげき大賞

最優秀作品賞を得た作品。

 

昨年は横浜、和歌山でも上演され、

またその活動を支えるのが

賛同した実行委員会、つまり

草の根によることが作品と合致する。

 

吉川市も自然豊かな町だが、

駅から徒歩15分ほどの田園風景の中に

会場もあった。

 

主催は「三郷吉川ぶんかむら」で、

三郷の会場での映画上映から始まる。

今回は改装の為、吉川を選択。

このような隣接エリアの集合体には

得も言われぬ魅力がある。

 

発信力もなかなかのもので、筆者も

偶然フェイスブックの中に情報を見かけた。

私なぞまだ近場で、遠く名古屋からも。

 

金のシャチホコの大都市から

金のナマズの小都市へ。

 

さて、大小でいえば。

既述の通り、大きな賞を得ているが、

月に一度、東大阪市の小さな喫茶店で

上演されたロングランを標榜する姿勢が

作品の出来栄えとともに評価された。

 

ツキイチ、ヒトリシバイ。

・・・制作で旗揚げから携わった

『ローズ』をやはり思い出す。

 

ユダヤ人女性が生地ウクライナから

兄の暮らすポーランドへ。

穏やかな暮らしは束の間で

ゲットーでの生活となり、

戦後パレスチナを目指し船に乗る。

そこでの出会いからアメリカへ……

ホテル経営者にまでなる!

という波乱に満ちた80歳の回想劇だ。

 

初演のブレヒトの芝居小屋は

惜しまれつつ姿を消したが、

シアターΧ(カイ)に舞台を移し、

ロングランは今も続いている。

2012年からだから、なんと13年!

 

かたや『マリヤ〜』は

東京下町のパン屋で生まれ、

家業の没落ののち弟妹のため私娼に。

そして戦時下には慰安婦。

名乗りをあげない(あげられない)

日本人の中、発表された数少ない手記。

 

509席の7割を埋めた観客。

90分の舞台のあとアフタートークも。

残念ながら後ろに予定があり

会場をあとにした。

本作も息の長い舞台になることを

祈りつつ。

 

そうそう、トークゲストが、

奇しくも〈「慰安婦」問題と

ジェンダー平等ゼミナール〉代表の

吉川春子。

ああ、なんて「よしかわ」な一日。

 

文中敬称略

 

 

 

コメント
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