麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

廃墟

2015年06月19日 | 鑑賞
痛恨のドロー
シンガポール戦から三日経ち、
少しは気持ちも切り替わった。

打線爆発で大勝したあとに
バットが湿ることは野球ではざら。

縦への速いパスでイラクを撃破
二次予選へ弾みをつけたかに見えた
サムライブルーの結果も、そんなところか。
次戦は九月。ホームでカンボジア戦。

その間に東アジアカップがあります。
以上、サッカーの日本代表の話でした。


前段にも書いたように、
今のサッカーはパス全盛だ。
一方、昔の試合映像などを見ると、
ドリブルが多いな~と思う。

秋枯れの天然芝の上を転がる
黒い五角形と白い六角形からなる
シンプルなサッカーボールが
一人のプレーヤーによって
がんがん運ばれていくのだ。

 ※ ※ ※

文化座+東演『廃墟』観劇。
劇作家・三好十郎の代表作のひとつ。
戦後の焼け残った家屋の一室が舞台。

自らの戦争責任を自問し、
大学を休職した柴田欣一郎。
その長男でマルキニストの誠。
生真面目だった次男・欣二は
フーテンと化している。
顔に大きな傷を負った次女の
双葉が家計を切り盛りする。
長女は終戦直後自殺した。

さらに叔父の三平、彼が連れてきた
せい子の六人が暮らしている。

他に欣一郎の教え子の八郎や、
大工の娘・お光等も現れるが、
兎に角登場人物が膨大な台詞を吐く。

この芝居に限らず、あの頃のドラマは
熱い討論が当たり前に登場する。
それは創られた世界での話ではなく、
実社会での現象が反映されている。
「熱い時代」だったのだ。

一人の役者が長い台詞を放つ姿は
ドリブルで前進するサッカーを連想させる。
パスを繋ぐそれは、短い会話が主の
最近の演劇の形に似ている。

個々の戦争責任を問う骨太の芝居を
観劇しながら、ふとそんなことも考えた。

そうだ、今年は戦後七十年。
それにちなんだ演劇公演が沢山ある。

 ※ ※ ※

【公演データ】

戦後70年共同企画
劇団文化座+劇団東演合同公演
『廃墟』
作/三好十郎、演出/鵜山仁

5月29日(金)~6月1日(月)  
文化座アトリエ

6月7日(日)佐賀市文化会館

6月12日(金)~23日(火)  
東演パラータ
コメント
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