今日はJ-Theater『溟い海』の稽古。
三月は中板橋「アトリエそら」を
お借りしていたけれど、
今日からは高田馬場に稽古場を移し、
また、音楽のやすだまことさんも
初めていらっしゃるとのこと。
楽しみである。
さて。今回いわゆる音響効果はない。音は、能管一本のみ。
「のうかん」と読み、日本古来の横笛だ。
「能」は能狂言に由来するわけだが、
歌舞伎や寄席の御囃子等にも用いられる
七つの指穴を持つ楽器。
プロデューサー(出演も)の小林氏から
事前に転送されたメールには、
やすだ氏が作った「手付け」「指付け」
が添付されていた。
生まれて初めて目にした
まず「手付け」の一部を引用すると、
【三(P222)
北斎の胸を、冷たいものが通り過ぎた。
(台詞のあと高音)ヲヒャ・ヒウヒャー】
漢数字は藤沢周平の小説の章で、
括弧は頁数。ここでヲヒャ・ヒウヒャーと
吹くってことが推測される。
【四(あしらいなし)】
四章では一箇所も音を入れないようだ。
「指付け」は恐らく能管の「楽譜」だ。
白丸と黒丸、さらに白三角と黒三角が
並んでいて、白三角は「開け往く」、
黒三角は「閉じ往く」と書いてあるから
当然白丸は「開け」、黒丸は「閉じ」、
それによって発せられる音が
わかるのだろうと思われた。
たったこれだけの事なのに
伝統の重みを感じ、と同時に、
それがpdfファイルになってるのが
少し愉快でもある。
稽古はこのあと18時より
消費税アップした今日、
それはテンションを下げるが、
芝居に向かう気持ちは上昇傾向だ。
ついでに結婚記念日だったりもする。
いや「嘘」じゃなく。
そーいえば本日が誕生日って方も、
当然存在するのだけれども。
ぱっと思いつくだけでも
知人のなかに四人もいる。
俳優二人、元役者一人、
同業の演劇制作に一人。
俳優の前者は男性、
後者は女性、
それぞれ苗字が山中と中山、
てれこという奇遇・・・。
とにもかくにも此の場を借りて
おめでとうございます