忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

後ろ盾

2005-02-11 | 追憶
 兄ちゃんに言いつけてやる。いじめられたり喧嘩に負けると、そう言う子供がいた。ほんとにその子の兄貴が出てきて、敵討ちをすることもあった。
 だが強い兄貴を笠に着て威張る子は、陰でバカにされた。弱いものいじめは恥ずかしいことと、みんなが思う時代だった。喧嘩をするなら自分より強い相手だ。
 だから子供の頃いじめられた記憶は無い。兄のおかげもかなりあったようだ。がき大将のいた頃だ、歳の離れた兄の仲間たちにはやさしくしてもらった。
 今日もその内の一人に、声をかけてもらう。なにかの機会で一緒になると、未だに兄の話しを聞くことができる。私の知らない若いままの兄がいる。
 仲間たちは今もたまに誘い合って、兄の墓参りをしているようだ。うれしかった。私もずっと、あの人たちの中に兄が生きているかのように思っている。気持ちの上でとても大切な人たちだ。早く逝ったが、思い出してもらえる兄は幸せ者だ。