Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

仙台グルメ紀行 ワイン編

2011-10-04 23:53:59 | Restaurant/Bar/Cafe
萬みさんを出たのが8時過ぎ。
ワイン2杯ぐらいなら9時過ぎには帰れるかな、と訪れましたのは、
ワインバーRBさん。

こちらはオーナーソムリエさんおひとりでやっている、
ブルゴーニュ中心のお店。

まあ、初めてなんで、
どっから来たとか、うちの店は何で知ったとかお決まりのトークのあと、
「今日は何杯ぐらい飲みます?」
「そうですね~、2~3杯。」
で、最初に出てきましたのはこちら。

ジャンテ・パンショ マルサネ・シャン・ペルドリ 2007

マルサネなんてあんまり飲むことないんで勉強になります。
でも、このマルサネはイメージしてたよりも濃厚な感じ。
香りが素晴らしい。

次。

ドメーヌ・ジャン・ジャック・コンフュロン
シャンボール・ミュジニー2008

こちらもシャンボールにしてはアタックは厚みがありますが、
後半はしなやかさも。

シャンボール飲んでる途中で、
常連さんと思われるオジサマ登場。
何やらお医者さんらしい。
もうすでに結構酔っぱらっている様子。
でもまたワインをボトルでオーダー。
「そちらの方にもどうぞ」とおすそ分けいただきましたのはこちら。

ユドロ・ノエラ クロ・ド・ヴージョ 2003

グランクリュいただきました
2003だけにやや焦げ感ありますが、かなりうまい。

なんともう一本。

シャトー・モンローズ 1975

やばい!古酒でちゃいました
サンテステフの力強さ!さすがウマイ。

結構飲んじゃいました。
翌日走るのに。
でもワインラヴァーとしてはこれ飲まずに帰るわけにはいきません。
よい体験をさせていただきました。

おまけワインはさておき、
こちらのオーナーソムリエさんは私と同い年ということが判明。
同年代ということもあるし、
店内に並ぶ本とかが波長が合う感じのラインナップなので、
まあトークが弾みます。

とても居心地がよいお店でした。
また寄らせていただこうと思います。

仙台グルメ紀行 萬み高橋

2011-10-04 23:26:03 | Restaurant/Bar/Cafe
仙台での晩御飯はこちらで。


私がこの店のことを知ったのは、
西麻布のお気に入りワインバー、エレバージュさんがきっかけ。
エレバージュはビルの2階にあるんですが、
その1階に「鳥萬み」という店があって、
バーでお腹が空いたら鳥萬みさんのお料理を運んでくださる仕組みになっています。

あの震災の日、
何時間も歩き続けてへとへとでエレバージュにたどり着いて、
わたしに力をくれたあの温かい料理です。
鳥萬みさんは、こちらの萬み高橋で修行されたそうで、
仙台に行くことがあれば必ず行きたいと思っていたのがついに実現しました。


またまた前置き長くなりました


引き戸を開けると、和服の女性が出迎えて下さいました。
店内には靴を脱いで上がります。
カウンター内に大将と若い板さん。
カウンターの真ん中に通されました。
1時間ぐらいわたし一人でしたが、あとで両側に二人ずつの常連さん。

こちらのシステムは、完全おまかせ料理で、
値段指定するなら1万円以上から、
でなければ、
大将がつくりたいものつくってエンドレス出してくれて、
食べた分だけ支払う。

どうしようかなーと思いましたが、あとでもう一軒行きたい店あったので、
とりあえず1万円指定にしました。

宮城の日本酒、綿屋の純米吟醸をいただきながらスタートです。

一品目、
板さんがカウンター越しに黙ってお椀を手渡してくださいました。

この店は終始このスタイル。
板さんが料理を手渡し。
料理の説明なし。
和服の女性がドリンクと下げ膳。

そのお椀を開けると・・・、

香ばしいあられの香りと優しい鰹だしの香り。
三つ葉と若芽、その上の魚はなんだろう。
脂がのってる。きんきかな?
いや皮の感じも身質もが違う・・・と口に入れてみる。
ああ、甘鯛だ。
甘い脂とお出汁が絡んでうまい。

お料理は私が食べ終わる頃合いをみて、よい間合いで出てきます。


「甘鯛の昆布〆です。」と、これだけは教えてくださったのですが、
え?と聞き返してしまいました。
また甘鯛?と思ったのと、
あれ?さっきのは甘鯛じゃなかったのかな?という思いで思わず・・・。

おいしい昆布〆でした。
上にのっている黒いものは大徳寺納豆だそうです。

またお椀。

そしてまた甘鯛。
自然薯と翡翠銀杏とともに。
今度はお出汁が昆布で、また違った味わい。

お、次は鮑。

アワビ自体よりもこの肝がすごい濃厚で海草の味がした。
良質の海草をもりもり食べた元気なアワビ。

この肝には純米のほうが合うと思い、
綿屋の特別純米酒もいただきました。

焼き魚は、

やはり甘鯛!
まさかと思いましたが、このうろこパリパリは間違いありません。
まずは皮目を剥がしてうろこのパリパリを、
そして柔らかい身を楽しみます。

ここで大将が「食べにくくないですか?」と。
「はい、大丈夫です。すごくおいしいです。」

次はまたお椀。

海老真丈、インゲン、ししとうの揚げびたし。
このインゲンがもう味が濃くて、
初めてインゲンってうまいと思った。


「クジラは食べられます?」
「はい、大丈夫です。」

コリコリプルプルの食感。
辛子はお酢で溶いてあってクジラの脂もさっぱりといただけます。

次はまたお椀。

油揚げをを甘く炊いてあります。
ほっとするお味。

「次でごはんものになりますが、よろしいですか?」
「はいお願いします」

若い板さんがご飯ものの準備をする間、
大将が、
「おいしくないんだけど食べてみて。」と。

「この辺でもやっとこんなものが獲れるようになったんだけど、
 やっぱ地震のあとはダメね。
 全然おいしくない。
 でもご祝儀みたいなもんだからさ、買ってやったのさ。
 マグロが戻ってきたってね。
 食べたらほんとにまずくてしまったと思ったけどね。」

わあ。
うれしい。

食べてみる。

ほんとだ。
おいしくないとは言わないけど、
なんだか物足りない。
マグロの鉄分みたいなのがない感じ。

「どう?」
「はい、なんか物足りないです。複雑さがないというか・・・。」

それから
常連さんも含めて震災や復興の話に。
地元の人がどんなふうに考えてるのか、うんうんとうなずきながら聞きました。
普段もこんな風にお酒を飲みながらあれやこれや語っているんだろうなあ。

で、ごはん。

甘鯛の胡麻だれ茶漬け。
うま。

デザートはシンプルに和梨。

ちゃんと面取りしてあって食べやすい。

以上でございました。

和服の女性がいろいろ気さくに話しかけてくださって、
たぶんそのやり取りを聞いて
初めての客のわたしが何者であるか、
大将は探っていって、
どんな料理を出すか決めていくんだろうなと思いました。

大将との距離が徐々に近づく感じとか、
会話の妙、
常連さんとの空気感など、
楽しめる人にはいいお店だと思います。

お料理はほんとにおいしかったです。
素材が素晴らしいし、
お出汁が尋常じゃないうまさ。

甘鯛ばかりとか、
御椀物ばかりとか、
言おうと思えば難もありますが、
その日入った最高の食材をいろんな形で楽しんでもらおうということであれば、
甘鯛尽くしもまあいいかなと思うし、
御椀物はお出汁が命なので、
お出汁に自信があるなら椀物多用もまあいいかと。
実際お出汁おいしかったし。

ということで、
別の季節にまた伺ってみたいなと思います。
ごちそうさまでした。