クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ポーパシング

2013-06-14 21:49:53 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
自動車、船舶が高速で走行、航行するときに
上下動を繰り返して制御不能になる状態(porpoise)。

あまり聞かない言葉です。
ベンチュリーカーと呼ばれるレーシングカーの床下で、負圧を発生させて
ダウンフォースを得るしかけの車で起きる波動的なピッチング(縦揺れ)のことを
表す言葉としても使われているのが(ポーパシング)。
ル・マン24Hの季節になると、空を舞ったレースカーの姿が思い浮かんでしまう訳ですよ。

路面のきれいなストレートを走っているのに、ボデーがヒョコヒョコと忙しく上下動して
その内、何かのタイミングでヒラヒラと離陸。
幸いドライバーは軽症で済んだが、ダウンフォースの効いた車が空を飛ぶとは
どう考えてもおかしな話です。

床下のダウンフォースが強くなったり弱くなったりするのは
地面と床下の距離が変動するからで、そこを安定させればポーパシングが起きなくなると思い込んで、
サスペンションをガチガチに固める、のは当たり前の行動(程度ってもんがありますよ)。
ところがダウンフォースが問題にならないであろうスピードのシケインでも、
ヒョコヒョコとタイヤの自由振動のままに弾んでいる。

こりゃどういうことだ?
この状態ではタイヤとサスペンションのマッチングが取れていないことは明白だろうに。
高速になるとダウンフォースの“おかげ”でボデーを押さえつけられているから、あまり目立たないけど
ビクビクとした車体の上下動は、何かバランスが崩れたときに、とんでもない動きをしそうな雰囲気ありあり。
危険極まりないセッティングと言える。
ドライバーも何かを感じているハズだ。

ル・マン24Hの裏話を聞いていると、
乗りづらかったけどセッティングの時間が無かったから仕方なく・・・といった話を耳にする。
24Hも走るのだから、その内に何か起きてもおかしくない、と見ればいいのか
速さの違うマシン同士が、なぜああも簡単にぶつかるのか?
スプリントレースでもなければ格闘技でもないのに・・・とか。
最高速を意識するあまりに、何かが忘れられているマシンになっていないだろうか?
どのチーム、どのマシンにも先に言い訳が用意されているように見える時がある。
あくまで私の勝手な思い込みだが・・・。

こんなことを考えながら、各チームのマシンの仕上がり具合を見れば、ル・マン24Hも楽しめます。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (青の131)
2013-06-15 20:43:41
今日、入門フォーミュラーカーのジムカーナを見る機会があり、おっしゃる通りのヒョコヒョコ状態でした。

見ていてコースアウトしないか心配になりましたが、この怖いこのセッティングでサーキットを走るのは度胸のいる事だと思います。

返信する
書き込みありがとうございます (くにまさ)
2013-06-16 11:19:19
これはまたタイムリーなお話で、
ジムカーナ~のアベレージではおそらくダウンフォースは関係していないので、ポーパシングでは無く、ホッピングとか、ヒョコつきとか、ピッチンク、とか表現されるかと思います、
ハッキリとした境目はありませんが、
サスペンションセッティングがうまくいっていないことには変わりありません、
サスペンションのまとめとは、カタチにならないもので外からは本来見えません、
ドライバーが身体で感じるものですが、
今回エンジニアの仕事が、外から見えたと言う事は、ラッキーなことかもしれません。
返信する

コメントを投稿