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クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

前後タイヤサイズからわかる事

2014-06-19 21:55:35 | 試乗レポート
今日はMFIのお手伝いで試乗に出かけました。
どちらも初乗り、ケイマンとエキシージ、次号のミッドシップ特集。
走りの写真を撮るのにカメラマンの前を行ったり来たり、何度も走ったからインプレが自動的に取れます。

そうは言っても試乗の時間もちゃんとあってもう少し走りました。
そのまま会社に戻ってきてガレージでリフトアップ。
ここから私の出番、足の話!?

タイヤサイズを見るとフロント205/45-17 リヤ265/35-18。
何サイズ違うのか数えると、幅が215.225.235.245.255.265.で6サイズ。
偏平が40.45で2サイズ ホイール径が1サイズ違い 。
合計すると9サイズ違い!
もう一台の方はフロント235/35-20 リヤ265/35-20 何サイズ違いかは簡単、3サイズ。

9サイズ違いのクルマの前後重量配分はフロント36%リヤ64%
3サイズ違いのクルマはフロント44%リヤ56%
どちらもミッドシップカーである。

当然現代のクルマだから車両の横滑り防止装置付き。
9サイズ違いにしなければ、コーナリングのバランスが上手く取れなかったと見ることができるます。
これはRR車のタイヤサイズバランス、または超高級(高出力)スポーツカーでもありました、このサイズに近いものが。

リヤがとても重い!あるいは重心高が異常に高いといった事が考えられます。
更に加給エンジンでトルクがかなり大きい時などもこの傾向になります。

もう一台はミッドシップなのに3サイズしか差が無い!これも驚きだ。
よほど重心高が低く、前後バランスも良くNAエンジンでコントロールしやすいエンジンか。

それぞれ個性はあるが、走りはどちらもリヤがどっしりとしていて、ロールがグラついたりせず、
ミッドシップの気むつかしさを感じさせない乗りやすさがありました。
回り込んだスローコーナーを試すチャンスが無かったのですが、中速コーナーは殆ど気にならない弱アンダーステア。

リヤに頑固なタイヤを履いている割に、回り込み感があってライントレースの達成度かなり高め。

気になる点は低偏平タイヤに共通している、タイヤの柔軟性が感じられないことだ。
力強く地面を捉えていることはわかるのだが、ネバーっとしたゴムが動く感触ではなく、突っかかっている印象。
だからどうしたの話ですが、いくときゃいくぞの感触。
つまり最後までは信用できない、又は乗りこなしている感が二割ほど足らない!

ケータハムがやってきた

2014-05-28 00:12:55 | 試乗レポート
心臓部は日本のスズキ、生まれはイギリス、の広報車がやってきた。
外観は数十年前から変わらないケータハムセブン。



黄色いナンバープレートだから、軽四輪サイズ。
車重は490kg !フロント250kgリヤ240kg。

車重が軽い、重心も低い、前後バランスも文句無し。
エンジン出力80psが乗るらしい?じゃないですか。
{今日の試乗車は穏やかエンジン)



カウルを外してみると、かなりでかいインタークーラーが、エンジンの前側で風当たりの一番いい所に鎮座している。
エンジンがコンパクトだから、エンジンルームの中は広々、手入れがしやすそうだ。

朝一番に、軽く試乗に出掛けようとして運転席に乗り込んだのはいいが、ペダル回りのスペースが狭いこと狭いこと!
アクセルペダルを踏むとブレーキペダルも一緒。
ブレーキペダルの右端から、右側の内張りまでの寸法を測って見たら、丁度10cm、私の靴の幅は11cm!
もしもこの車を手に入れたら、真っ先にやるのが、ブレーキペダルの改造、金切鋸のいるやつだ。

幅の狭い靴を探せって!・・・・・ブレーキペダルに足を移し替える時に引っかかりそうで心配・・・。
タイヤ一本分も外さず、綺麗なライントレースで山の中を駆け巡るのに、ペダルワークに難があるようでは話になりません・・・よね。

26.5cmEEEの靴の人は乗り込んでも走らせられない可能性ありです。
でも今日は短時間の試乗、無理やり足首を曲げて走らせました。

最初に感じたのはガタピシしないこと、振動の吸収も良く静かに感じます。
エンジンの吹け上がりも軽快、絶対速さはほどほどにしても、アクセル操作に対してあまりにも軽く吹け上がるから、速度感がよくわからない。
身軽とはこのことか。
ハンドルは勿論パワーアシストなし、ナマステ。
155/65-14、細かなブロックのタイヤで手応えが軽い。
とにかくあまり気遣いなく気楽に走らせられるのがいい。
乗り心地のまとめも文句無し、ピッチングの処理が秀逸。
エイボンタイヤとの組み合わせが快適。


試乗

2014-01-25 22:16:48 | 試乗レポート
MFi誌の企画で、8台を一気乗り。
サスペンションオブザイヤーの二回目となる取材で千葉県に出掛けた。

それぞれの車に乗るのはもちろんだが、走りの撮影もドライバーをやったので、一日ほぼ乗りっぱなし。
駐車場に止めてある車に30秒ほどで乗り移り、5分ほど走ってまた乗り換えてを繰り返した。

美味しい食べ物を口に入れた時と同じで、一口目に味の印象の大半を感じられます。
自動車も同じように、乗り始めの何分かに感じた印象が強く残ります。

いわば一口試乗なんて(しかも8台を)滅多にできないのと、たまたま撮影ポイントの先のUターン場所に向かうわずかな距離の間に、
うっすらと雪があり、そこを通過するたびに、車の印象(直進性)が結構大きく変わるのに気がつきました。

ハンドルの手応えがあまり変わらない車もあれば、進路がブレる車、落ち着きを失う車・・・。
夏タイヤで雪の上に乗るのだから、正しいインプレッションと言えるかどうかわからないが、かなり興味深い動きだった。

しかし、息も付けないほどバタバタしっぱなしだったから、メモを取っていないのが残念!(足の素性の一端が感じられたのに惜しい!)

今回集められた車の中ではアクセラが人気だった。
乗りやすさが誰の口からも出てくる、私もその一人だが諸手ではない、18インチタイヤが何とも気になるのだ・・・。

最新のゴルフ7はやや不人気のようだが、私のインプレッションでは道路条件がどうあれ、
幅広くカバーできる走破性を認めないわけにはいかない、バウンシング姿勢が綺麗だ。

今回の個人的な目玉と言えるのはルノースポール。
ダンパーにストローク依存の機構を盛り込んでいる。
ドライビングの組み立てとライントレース性がひと味変えられる、走りにこだわるドライバーにはたまらない足だ。
この先の詳しい話は2月売り号で。

フォードフォーカス試乗

2013-12-23 21:52:17 | 試乗レポート
こちらで、比較的最近のフォード フォーカスに試乗のチャンスがありました。

フォード車の走りと、乗り心地の仕上げについてある意味再確認ができたとも言えます。(この車に乗って乗り心地の、『体の校正』の意味合いもあります)

やんわりとした乗り心地の印象だったり、刺激の少ない乗り心地、あるいは捉えどころのない仕上がりとも取れる車です、フォーカスは。

刺激の少ない乗り心地を掘り下げてみると、実は深い・・・というのをフォード車に乗るたびに思い起こします。

快適な乗り心地の尺度が曖昧なだけに、様々な乗り味の車が世にあります。
それぞれがその車の個性と捉えることもできますし、クセとも特徴とも言えます。

しかし快適を履き違えると、おやおやの仕上がりになってしまいます(周りを見渡すとこの手のものがあるんです結構)。

スポーツカーは足が硬いのが当然とか、軟らかいのが乗用車、と大した根拠もなく切り捨ててしまう人たちが仕上げると、
結局どっちつかずのものになったりすることがよくあります。

乗り心地をどう作り込むかのスタートは、まず良いものに触れる、良いものを探し当てる、
よい感じをしっかりと覚えこむ(理解する)でなけりゃ仕上げ目標を持たずに作業することになります。

その目標の一つがフォードの仕上げ、フォーカスの乗り心地と言えると思います(私の中では参考にすべき一台にファイルしてあります)。

近くにフォード車のディーラーがあったら出かけて見てください、車種は問わずです。
力を抜いて(前情報は抜きにして)体を預けた時の印象を感じてください。
これがいいんだと思い込む必要はありません、自分がどう感じるかです。
期待が大き過ぎるとどうなるか知りませんが!

良い車選びの参考になると思います。

ルノールーテシア その2

2013-12-02 21:27:06 | 試乗レポート
秋晴れの元、久々の箱根のドライブを楽しんだ。
長尾峠の上りでは、もさもさと走る乗用車の後ろについて登った。
芦ノ湖スカイラインに足を踏み入れるも、すぐに前の車に追いつく。
観光道路だし、富士山もかっこいい姿を見せているから、
記念撮影の人達で駐車場も車が多い。
G-BOWLアプリをセットして走らせてみた。
長い上りの傾斜分が加速Gを底上げしているので、グラフで見るほど加速Gは強くはないが、
綺麗に一定Gで走らせているのが見て取れる。
えへんっ、と言いたいところだが、実は細かくアクセルコントロールをやっているわけではない。
1.6Lターボのトルク特性がこうなっているのだ。
低回転からブーストが立ち上がった後、加給圧がコントロールされてフラットトルクを維持しているのが、
そのままG-BOWLアプリで見られるという訳だ。
どっかんターボと言われる、野放しのターボラグとモリモリ気まぐれトルクで、
『扱いずらさもターボのうち』のそれとは大きく違う。
絶対トルクがさほど大きくないのもあるが、ドライバーを脅さない加速をしてくれる、
NAエンジンのフラットトルクと同じようなものだ。
車両重量が1.3tだから、軽快さがあるとは言えないが、
上り坂でぐんぐん加速するのは、このしつけの良いターボエンジンのおかげだ。


*青が減速G、赤が加速Gです。


ルノールーテシア

2013-11-30 13:51:58 | 試乗レポート
ここのところ森さんのメルマガに再びお邪魔して、自動車運転本の続きの『動質編』が続いている。

今日はいつもの話、だけではなくライントレースの実走編のつもりで
森さんと車に乗り合わせて山に出掛けた。

車はルノールーテシアRS。
フロントダンパーにHCC(ハイドロリック、コンプレッション、コントロール)が採用されている。

ボトミング時(残り35mmから)通常の減衰力を発生させるスピード依存(速度依存)のピストンとは別に、
位置依存(ストローク依存)のダンピングを利かせるメカが投入されている。

これに興味があって試乗車をお願いしたのだ。
世界ラリー選手権のマシンには当たり前に採用されている機構だ。
ハイスピードジャンプの後の着地が、スタンッと猫足になるのがハイドロリックストップのおかげなのだ。

バイクのフロントフォークに内臓されていたり、アメリカンなオフロードバギーにも当たり前に採用されている。

が市販乗用車の採用例は少ないと思われる。
まさかルーテシアでジャンプするためではないと思われるが、
この機構が入っていたらどんな走りになるのか。

旋回姿勢の落ち着きがいい!というのが第一印象。
ロールコントロールにあまり神経を使わなくてもよい、というのが次の印象。
全体に固められた脚というのもあるが、減速・・・旋回・・・アクセルの手続きが簡単、
コーナリングの組み立てに際して、何か忘れているような気がするほどアッサリコーナーに入って行って、
ロール姿勢から直線に向かって立ち上がりまでつながりも良い。

ブレーキタッチも良好、ターボエンジンも分かりやすいラグの後に元気良く加速、なかなかの速さだ。
エンジンブレーキが応答遅れをあまり感じさせずに聞いてくれるのがうれしい。
山岳路でのハンドルフィールも良好。
惜しむらくは高速道路の・・・・?
HCCの印象が俄然よかったこともあって、久々に楽しい車の印象が残った。



学生フォーミュラ

2013-11-03 11:11:37 | 試乗レポート
昨日は少し強行軍だったが、とあるイベントに合流するために、早朝から出掛けた。
会社で、知人のM氏と待ち合わせしアウディA3で西へ。

途中で連休と連動している不可解渋滞14kmにハマり、
何とか集合時間の12時前に目的地であるテストコースに到着。
昼食を挟んで、今年の全日本学生フォーミュラ大会優勝校の祝勝会が始まった。
イベントの報告会、マシンのお披露目、試乗!と続く。

何人目かに私の番が回ってきた。
シートポジションからしてよくできている。
窮屈な感じなし、ペダルは三つ、学生に5点ベルトを締めるのを手伝ってもらい、
最初に聞いたのがキルSWのありか!、壊してはいけない。

回転を上げてスタート、いやまずエンスト・・・・・。
えーと・・・スタートボタンは・・・キュルキュル・・キュルキュル・・。
と、しばらくやって、なんとかスタートさせるも、今度はシフトが上手くアップできない。

二輪のエンジンをそのまま使っているから、シーケンシャルミッションもそのまま。
ステアリングポストにパドルシフトが設けられているが、
ミッションとの連結はワイヤー、テンションが掛かっておらず、
遊びの後はワイヤーの伸び、そのあとシフトドラムを触る硬い手応えを感じた後、
急激に重くなり、もう一段ワイヤーが伸びて渋い動きの後に、
回転している金属の当たる感触があってシフトが完了する。

パドルストロークも長く、ある意味ちから技。
なんとかシフトはできたものの、スパン、スパン、とは最後までいかなかった。
でハンドリングはと言えば概ねOK、
いや乗り込む前にイメージしていた遊びの多い、ネジの緩んだ感じはなく、
かっちりしなやかな乗り心地。
ただハンドル中央のレスポンスが1:1のレシオか?
(カート経験者なら、初めて乗り込んだ時の印象を思い浮かべてもらえばいい)と思えるほど過敏。
慣れで走れなくはないが、扱いやすいとは言い難い。

走り終えた後感想を聞かれ、乗りやすさ扱いやすさがね~(もう少し説明はしましたが)と。
こういったマシンは神経質で扱い辛いのが当たり前と思って、ドライバーが頑張るケースが多い。
この日かなりの人が試乗したのだが、エンストしなかったのは数人!
発進すら難しいマシンだから腕の立つドライバーが!となるのだが、
誰が乗っても絶対にエンストしない乗りやすさがあって、
一発勝負の大会で結果を出せるのだ。
・・・・と言った考え方があるのか無いのか。

今年の糠平湖の氷上トレーニングに参加した二人が優勝ドライバーというのも、チョット嬉しい。
そのあと新幹線の駅まで送ってもらい帰宅。
大人目線から見れば、レベルに達していないところが多々あるものの、
学生時間!を考えると、素晴らしい仕上がり。
指導のせんせ(関西訛り)が熱い!。

試乗 SA22C

2013-10-02 13:25:23 | 試乗レポート
MAZDA SA22Cに試乗したおはなし。

今年もヒストリックラリーに参戦する学生と、運転合宿を行った。
学生13人と私を入れて大人が三人、そのうちの一人がNさん。

ラリーモンテカルロに日本人で初めてMAZDAのSA22Cを持ち込み走らせた人だ。
こう書けばあああのNさん、とピンとくる人もいるでしょう。

今年11月に国内で開催されるレジェンドオブザラリーに参加するつもりで、
肩慣らしと車両のコンデションの確認の為に今回乗って見えた。
(ちなみにモンテカルロ出場車両は、MAZDA本社にあって、別のもう一台の車両だそうです)

立ち話をしていると、リヤーから異音が出ていて壊れそうだから、ラリーで走らせるのは無理そう、と暗い顔。

くにさん一度試乗してもらえない?自分じゃ機械のことよく分からないし、
ということで早速試乗させてもらった、しかし異音は出ない。

それを告げると、おかしいなー!?
次の日の夕方、もう一度確認して?ということで、今度は本人ドライブで私は助手席に。
それでも音は出ないまま、途中で交代して峠道に。
実は異音の原因はなんとなく見当がついていた、からオマケのドライブだ。

40年前の車とは思えないほど走りがしっかりとしている。
ナマハンドルもいい感じだ、ライントレース性も文句なし、
コーナーの車両の置き位置も自在にコントロールできる。

低重心、マスの集中化、前後バランスの良さ、軽いエンジン、
軽い車体、理想に近い組み合わせのSAの走りは、記憶に残したい一台だ。

これだけバランスのいい車は世界中探してもそうそう見つからないと思われる。
コンパクトなロータリーエンジンあっての話だからだ。

現代の車と比べてしまえば、速さは物足らないし、リヤのドラムブレーキも扱いずらいかもしれない。
でもスポーツカーの原点である、走らせることが楽しいの代表格だ。

期待どおりの反応の先に危うさが感じられないというのも、
楽しさの裏側にありそうな不安を感じさせない。

安心感、安定感、その基本は最初のレイアウトで決まる。
これぞ、その見本と言っていいと思う。

MAZDAの作る(考える)ヨーコントロールに特化した車作りは
この時代に始まり脈々と受け継がれている、を再々確認できた。

久々にいい車の試乗ができた。
ラリードライバーの先輩であるN氏からは、
「自分の車の助手席も初めてだけど、くにさんの横も初めて、運転上手い!!」
これは素直に嬉しい。
いいハンドルの手応えがまだ残っている。
最近はお目にかかれない稀少なクルマだ。

試乗レポート

2013-05-20 10:35:56 | 試乗レポート
昨日の試乗車は V社 ○ー40。
1.6L TURBO+DSG仕様。
最近急速に販売台数を伸ばしている。
多くのユーザーは試乗して即断らしい。
会社の駐車場から道路に出るのにバックで出る。
わずかな距離を動かしてみて、まずオッ、となった。
スーッと動き始めて、動かしたい速さと気持ちがすぐに一致する。
こだわっている最低速度の遅さも、かなりゆっくりだ。
“止める”のブレーキもファーストタッチから、迷いなくコントロールできる。
わずか十数メートル走らせた、というよりもソロッと後ろ向きに動かしただけで
そのしつけの良さがうかがえる。
いつものテストロードに乗り出してみると、まずウルサイ!
ロードノイズのレベルがかなり高め。
乗り心地もカタイ!
車体上下動のゆるさが無い。
大き目のギャップの通過もグッとこらえて、車体が沈み込まないから、次の伸び上がりも無い。
・・・かなり筋肉質なしっかり感だ。
しかし、ピッチング傾向の揺れはまったく出ない。
リヤの伸びの減衰を強めに効かせて、前後の揺れのバランスを取っている(最近の味付けに見られる)。
ウネリ路、ギャップの走破性は、競技車に改造して走らせていたインプレッサのそれを思い出す。
ギャップを目で捉えても、消極的な気持ちにならない。
入力を受けとめる車体のガッシリ感も、これまであまり経験のないゴツさを感じる。
車体重量がそれなりに重い分、決して軽快ではないが、丈夫なつくりがうかがえる。
しばらく走って、体がこの車の揺れ方をまったく嫌がっていないことに気が付く。
ピッチング傾向がまったくといっていいほど無い分、頭が前後に揺さぶられないのと
タテのシッカリ感もカタサの芯が無く、シートの座面あたりまではその振動が
伝わっているのはわかるが、お尻の辺りでその揺れが消えている。
背もたれにこすれて体が上下することはない。
ターボエンジンのしつけも秀逸。
ブレーキタッチも申し分なし。
ドライバーの手足に即リンクできる操作系の仕込みはとてもうれしい。
個人的には見晴らしが今一つ。
囲われている印象が好きになれない。


*写真も群馬うどん

新車試乗 久々の実力派!

2013-05-02 23:43:02 | 試乗レポート
一昨日の試乗車は、この先まず私には縁が無いだろうと思える車。
価格が高いのもそうだが、ボデーが大きく重い!
外観も含めて、シャキシャキ動きそうなイメージもないし。
と、個人的な思い込みは置いといて、広報車はちゃんと乗っておかないと!
いつものテストロード(単なる一般道です)を軽く走ってみるかっ!と走り始めたら
助手席から、この車のダンパーはマグティックライド、又はマグネライド(商品名?)と
呼ばれるものが付いてますよ、と説明があった。
それを聞いて気楽な試乗モードから仕事モードに気持ちを切り替えた。
テストロードも延長、路面の種類を増やしてアレコレ確認することにした。
磁性流体を使ったダンパーのチューニングは、まだやったことが無いが
試乗してみると従来型のダンパーとの横比較がむつかしい。
細かなフィールがずい分と異なるのだ。
新たに磁性流体ダンパー専用の“評価シート”が必要なのではと思ったりしている。
少しずつだがマグネライド装着車が増えつつある。
良いところもあれば気になる動きもある。
総じて不思議なリズム感を持つ乗り心地なのは確かだ。
そのマグネライドを装着した今回の試乗車は、走りの実力を前面に出した車。
ということで、大き目のアクションも試してみた。
バネ上の押さえ込みが過減衰なのでは?と思えるくらいに見事に一発で揺れを止める。
S字の素早い切り返しも、ロールスピードのコントロールをあまり意識せずとも車側でやってくれる。
車体が重い分、軽々しい動きではないものの、切り直し直後の収束は余韻が残らない!
ここのしつけは驚くばかり。
かと言って穏やかに走らせれば、程よいリズム感に仕立てられていて、ゆったりの走りが味わえる。
電子制御と応答性の良いダンパー。
そしてもっともカンジンな“仕込み”のセンスがイイ!
駆動力の“応答性”も秀逸。
踏力は軽めだが、ブレーキタッチは切れがいい。
速度管理のし易さから、ドライビングの組み立てが楽だ。
走り終えた後の印象はかなり高得点。
この車を仕立てたエンジニア、またはドライバーと車を通して対話できた気がする。
こういったドライバー目線の車は久々だ。
ひとつ残念だったのは、足元がキョトキョトと動いて、これに伴ってハンドルに手応えが返ってくるので
直進性がオヤッ!?だった。
走りの印象の大切なところの足を引っ張っている。
おそらくタイヤのせいだろう。
見た目はセダン、でも走りは久々の実力派!
見る目が変わった。
そしてマグネライトダンパーの良い一面を確かめることができた。