羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

中央線の謎

2005年06月22日 | Weblog
昨日のことです。
中央線下りに乗ったのですが、ラッシュ時間もとうに過ぎて
昼近い午前中の車内は少し空席がある程度、、。
わたしがある駅から乗った時、ピッタリ寄り添って眠るカップルが
目だっていました。
まるであの名作テレビドラマ『高校教師』の最終回のように、
彼女は彼氏の肩に頭を乗せそこへ彼氏もそっと頭を傾けています。
車内に気になる人を発見したとしても、普通そんなにジロジロとは
見られないものですが、お二人が熟睡しているのをいいことに
わたしはシッカリ観察させていただきました。
彼氏はスーツ姿で上着は脱いで膝におきワイシャツの袖もまくっているのですが
草刈正雄をコンパクトにしたみたいな素敵なお顔をしているのです。

彼女の顔は髪に隠れて見えません。
ジーパンにサンダル、Tシャツというスタイルでカジュアル。
そう、お二人は年齢も10歳以上は離れているように見えるし格好も不釣合い。
だから目だっていたのかも、、、。

しかもその端正な寝顔を見せている男性が、
電車の振動のせいか、小刻みに「頷いて見える」のです。
それは果てしない肯定、の仕草にも見え、不思議な感じ。

二駅、三駅、と過ぎ、ふと彼女はかすかに目を覚まし携帯を眺め、
よほど疲れているのか(?)二人は再び夢の中へ、、。
そのときちらりと見えたお嬢さんの顔は化粧もあまりしていない可愛らしい感じ。

しばらくして電車はK駅に到着。
すると彼女はふっと目覚めて立ちあがり、何事もなかったかのように
下車して行ったのです。
あれれ!?ふたりはカップルではなかったの~?
男性もまた何事もなかったかのように、少し態勢を立て直し小さく頷きつつ、
眠り続けています。
二人は他人だったのか、、或いは、もう交わす言葉も視線も必要がないのか・・。

いずれにしてもお互いの睡眠を助け合っていたことだけが
『残された事実』です。
ふだんあまり電車に乗らないおばさんには、
ちょっと不思議な体験でした。