羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

今月のお昼ご飯

2016年01月27日 | Weblog
寒い冬は旅行に行かないので、どこかへすこし散歩に行く。
今月、「神楽坂を歩こう」という案が出たのでさっそく冬の1日、
石畳の風情ある坂道や石段、細い横道へと歩いてみた。

お昼は通りから入った本多横丁にある「花かぐら」を予約した。



花かご弁当は見た目も美しくどれから頂こうか迷うのも楽しい。錦糸卵のご飯とお味噌汁。
そしてデザートとコーヒーが食後について1980円という驚きの値段。


それからある日。
練馬のほうへ用事があったので、どこかで見かけたガーデンレストランへ行ってみた。

ガーデンスクエア二階にあるイタリアンは窓側に座ると緑の庭が眺められる。
ランチはパスタをセットにしたものなど1200円からのお手ごろ価格。

わたしが選んだのはこれ。ワンプレートランチ、1400円。



新鮮野菜たっぷり、パテやチーズ数種、小さいカボチャスープもあって大満足。
これにも美味しいデザートやコーヒーがついてくる。

時々こうして感じのよい店で美味しいランチをいただくのが好き。
今度はどこへ行こうかなーと調べたりするのも好き。
たいていは「良かった!」とニッコリできる。


もの静かな猫

2016年01月22日 | Weblog
それで、ちょっとだけ昨日の続きなんだけど、
顔だけ知ってるひとのなかに「ゴローさん」という人がいた。
いつもゴロゴロしてるからゴローさん。
ゴローさんは口数の少ない茫洋とした雰囲気のひとで
部屋にはやはりもの静かな猫がいた。

彼が故郷へ帰ることになり遠上さんと三人で駅に切符を買いに行った事がある。
指定席を購入するための紙切れを前に「あれ、名前書くとこある、俺、名前なんだっけ?」
と案外マジメな顔で聞く彼、「ゴローって書けばいいんだよ、決まってるだろ」と遠上さん。
「あ、そうか」という二人の会話を笑って聞いていた覚えがある。

そのゴローさんが帰郷するとき、
わたしにジーパンをくれた。
手先が器用な彼が細工したツギハギのジーンズで「昔作ったやつ、これ小さいからきみに
ちょうどいいかも」とプレゼントしてくれた。
カッコよくてすぐに気に入った。

気に入ったからって履いて行ってよい場所とマズイ場所がある。

その後、梶井基次郎の「檸檬忌」が伊豆であることを知ったわたしは何も考えずに一人で
伊豆に向かっていた。

太宰治の「桜桃忌」とどんなふうに違うんだろ?くらいのかるい気持ちだった。

軽い気持ちでツギハギジーンズで出かけてみたら
梶井を愛する人々が集うささやかな和やかな会はみんなほとんどスーツ姿だった。

後日、そのときの写真を貰ったときにはこんなふうに言われた。
「ここに写ってるの、キミでしょ?ジーパンですぐにわかったよ」。

でも若いということは恐ろしくも無邪気なもので、
べつにそんなにも恥ずかしくはないのだった。

そういえばその写真を貰った頃、ゴローさんだけではなく遠上さんも、
数冊の詩集や童話を残して故郷へ帰っていて、
吉祥寺の風景はまた違うものになっていた。

ミルク32

2016年01月21日 | Weblog
中島みゆきさんの歌をカバーした女性たちの特集をBSでやっていた。

意外にも?最初に登場したのは満島ひかりちゃん。
いまいちばん好きな女優さんなので何を歌ってくれるのか
期待は高まる。
それはそれは素敵な「ミルク32」だった。
大好きな歌手のカバーを大好きな女優さんが、、、しかも「ミルク」。
もう懐かしくて泣きそうになった。

大昔、わたしが十代の生意気な女の子だった頃、
「ミルク」というあだ名の男の子がいた。
いつも必ずサロペットジーンズをはいていて「え?」と思うほどの美少年だった。

誰が誰だかわからない正体不明の吉祥寺の「ただの顔見知り仲間」。
誰も本名なんか知らないのだった。
わたしは何と呼ばれていたかというと、ふざけたことに「遠上さんの奥サン」だった。
遠上(えんじょう)というペンネームで路上で手作り詩集を売っていた男とよく一緒にいたから。

「彼女さん」ではなくなぜ「奥さん」となってしまったのかそんなことはサッパリ分からない。
でもそんなことどうだってよかったのだ。

すこしの時が経ち、中島みゆきさんの「ミルク32」を聴いたとき
真っ先に思い出したのがあのきれいな男の子だった。

そんなこともあんなこともすべてすべて時の彼方。

けれどふいに夕立のように思い出がよみがえる。
歌の力ってほんとうに大きいと思う。

再会

2016年01月09日 | Weblog
昨年から考えていたこともとりあえず少し歩を進めた。
長女も「入院」と聞いたときにはドキリとしたが
幸い早く退院できたらしく安心した。

そういうわけで今日は午前中は仕事だったけれど
午後は「みたか 子どもの本 九条の会」のオープニングに行ってきた。
ひろかわさえこさんが呼びかけ人となっていることを知ったので
とても久しぶりに会いに行った。
受付けで「さえこさんはいらっしゃいますか」と言いかけたら
お互いに「あーっ」と声がでた。
さえこさんと受付けにいた彼女とわたしは子どもを同じ幼稚園に通わせていた「ママ友」である。
20数年のときを経てたちまちわたしは「はーちゃんママ」になる。
よく遊んだよね、と三人で懐かしく立ち話をした。

わたしはもちろん当時からさえこさんの絵本が大好きだった。
いただいた本すべて大切にとってある。
「震災で消えた小さな命・展」の新聞記事で彼女の活動を知った。
今回のことも最近タイミングよく知ったので行くことができた。
ほんのすこしだけれど賛同の意思表示もできた。

地に足をつけて活動している彼女たちはまぶしかった。
わたしはさっと行ってさっと帰ってきてしまう、相変わらずなのであった。


今日は喫茶「リスボン」のマスターにも久しぶりに再会した。
ランチバスケット。マスターは「はちみつトーストに変更する?」と聞いてくれた。
どれほどたくさんの人の好みが頭に入っているのだろう。今日はメニューのままマーマレードで頂いた。
やっぱり美味しかった。