羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

土日は逢えない

2005年06月09日 | Weblog
初夏から秋にかけて、その人メールしたり短い時間会ったりしました。
土曜、日曜は家族と過ごすので、会うのはいつも仕事のあとや、仕事の途中。

わたしは「野鳥の会」や「文芸サークル」や「患者の会」などいろいろな
ところに顔をだしていたので、当時、土日に外出することは出来たし
たまにはその人とゆっくり会いたいな、と思っても結局一度もそれは
叶いませんでした。

以前のメール相手で、奥さんの悪口や愚痴を言う男性も何人かいたけど、
そう言う人は、わたしはちょっと敬遠気味。

わたしは家庭を大切にする男性が良かったので、
彼が土日をわたしのために空けてくれなくても仕方ないと思っていました。
もちろん寂しさはあったけれど、程よい距離感として考えればいい。
どんどん好きになってしまわないためにはそれでいいと、
考えようとしました。

結婚してから17年経て授かった赤ちゃんの話しをするときは
本当に嬉しそうでとても微笑ましく感じたものです。
そして結局彼は愛する家族のもとへと帰って行きました。
「赤ちゃんが自分を目で追うようになってきた」という理由は
彼に、浮ついた気持ちを捨てさせるのに充分だったかもしれません。

『きっともう逢えない』と思いながら、帰りのバスに乗ったあの日、
バス停まで送ってくれた彼は足元にアタッシュケースを置いて
煙草に火をつけていました。
発車するバスの窓から、その彼に小さく手を振って、
わたしの恋も遠ざかって行きました。